わたし、虚弱体質ですか!?【心療内科医に聞く】 第1回  原因編

毎日ヘトヘトでしんどい…「自律神経のバランス」が崩れているのかも

SHARE Facebook Twitter はてなブックマーク lineで送る
毎日ヘトヘトでしんどい…「自律神経のバランス」が崩れているのかも

「私は虚弱体質なのでしょうか? 疲れやすくて、顔色が悪い、頭痛、肩こり、イライラを感じています。気分転換にと、休日にウォーキングや筋トレをするとしんどくなります。健診では異常はないのですが」と話すのは、アラサーの働き女子。こういった心身の悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。

心身医学専門医で心療内科医・野崎クリニック(大阪府豊中市)の野崎京子院長は、「そういった不調を抱えながらも放置する人が多いのが現状です。早めにケアをしないと年齢とともに辛さが増幅しかねません。まずは原因を理解して、次に自分にとっての適切なケア法を選び、自ら改善に向けての一歩を踏み出しましょう」とアドバイスをします。そこで今回は、「疲労の原因」について聞いてみました。

病気じゃないけど不調がいっぱい

——悩みを訴える女性から、日ごろの疲労感について、次のような声が挙がっています。

・朝が起きづらい
・胃の不快感がある
・便秘や下痢を繰り返す
・頭痛や肩こりなど、体のどこかがいつも痛い。だるい
・めまいや立ちくらみがある
・目が乾く、しょぼしょぼする
・体温が低い
・血圧が低め
・食欲はあるけれど、やせている
・一年中冷えを感じる
・疲れやけん怠感がとれにくい
・寝付きが悪く、夜中に目が覚めやすい

これらの体質の原因はどういったことが考えられるのでしょうか。

野崎医師:複数の症状があって、お辛いでしょう。ただ、症状を自覚して説明ができるということは、セルフケアの方法があると考えましょう。

まず、「虚弱体質ですか?」というご質問ですが、虚弱体質とは東洋医学に基づいたとらえ方です。西洋医学ではそういった病名、疾患としての概念は特になくて、「どの症状がいちばん辛いですか?」と問診して、病気が隠れていないか、生活習慣の積み重ねによる疲労なのかなどを探ります。そして、症状ごとの検査で病変がない場合は、「自律神経のバランスが崩れた状態である」と想定します。

もし、胃の病気があって治療中ならば、元気な時よりもしんどいのは当然なので、虚弱体質といった意識も自覚もないでしょう。

そうではなく、病気がないけれど体力が衰えて元気が出ない状態が長く続いている場合、体質や体力的な特徴として、「虚弱体質」や「慢性的な疲労」と表現することはあります。

なお、虚弱体質とは以前から子どもと高齢者に多い所見ですが、働き盛りでストレスが多いビジネスパーソンにもよく見受けられます。

ストレスや不安で自律神経のバランスが崩れる

——「自律神経のバランスが崩れた状態」とは、具体的には何が起こっているのでしょうか。

野崎医師:自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。交感神経は主に、活動的時や緊張時、興奮状態にある時、朝から日中の時間帯に働きます。「攻撃モードの神経」とも呼ばれます。

一方、副交感神経は休息時や睡眠時、夕方から夜に優位になります。「リラックスモードの神経」と呼ばれるように、心身を安静にするように働きます。

激しい運動をした時や緊張している場合は、交感神経の働きで心臓がどきどきして脈拍も血圧も体温も上がります。反対に、静かにしている時は、副交感神経の働きで心拍も脈拍も血圧も体温も下がります。このように私たちの体は、環境や状況に応じて、心拍や脈拍、血圧、体温、消化の機能などを健康な状態に保つように常にバランスを取り合って調整しています。

この2つの神経は自分の意思ではコントロールできません。ストレスや不安があると、交感神経が優位になるために脳も体も休まりません。ストレスの度合いが強い、あるいは長く続くと、眠れない、便秘や下痢をする、胃が痛む、頭痛、めまい、月経不順、血流不良で肩こりや腰痛などの不調が表れるようになります。これが自律神経のバランスが崩れた状態で、「自律神経の失調」とも言います。

どれか1つだけではなく、複数の不調が現れることも自律神経の失調の特徴です。

ストレスを抱えていることを自覚する

——「休みの日に軽い運動をしてもどっと疲れる」という場合、気分転換になっていないのでしょうか。

野崎医師:平日のストレスや緊張から解放されない場合は、休日も同様に疲労感はあるでしょう。気分転換といっても運動量が高いと、自律神経が休まらずに疲労が積み重なるだけです。

また、ストレスの原因が仕事や職場の人間関係にある場合、休日はつかの間解放されるわけですが、リラックスモードに入った時に急に不調を自覚する場合もあります。それは、仕事中は緊張で隠れていたストレスや疲労が、不調となって表出するからと考えられます。

——疲れやすい状態とは、「体質」なのでしょうか。それとも一時的なもので、改善は望めるのでしょうか。

野崎医師:病気が隠れていない限り、ストレスや不安を取り除き、セルフケアをすれば改善します。しかし、実際には、自分がストレスを抱えていることに気づいていない人が多いのです。まずは、自分の心の声、体の声に耳を傾けて、ストレスや不安に思うことはないかを見つめましょう。

――ありがとうございました。毎日へとへとでしんどいことの原因は自律神経のバランスの崩れにあり、無意識にストレスが関係しているということです。次回は、それを改善するために自分でできるケア法を具体的に教えていただきましょう。

次回のセルフケア編は10月31日に公開予定です。

(取材・文 藤井空/ユンブル)

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を気に入ったらいいね!しよう

毎日ヘトヘトでしんどい…「自律神経のバランス」が崩れているのかも

関連する記事

編集部オススメ

仕事と恋愛、キャリアとプライベート、有能さと可愛げ……女性が日々求められる、あるいは自分に求めてしまうさまざまな両立。その両立って本当に必要?改めて問い直すキャンペーンが始まります。

後悔のない30代を過ごしたい。ありとあらゆる分野のプロフェッショナルに、40歳から自分史上最高の10年を送るために「30代でやっておくべきこと」を聞いていきます。

記事ランキング