女性ホルモンが原因? 臨床内科専門医が教える「片頭痛」の改善法

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女性ホルモンが原因? 臨床内科専門医が教える「片頭痛」の改善法

頭痛に悩む女性は多いと言いますが、臨床内科専門医で、正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長は、「特に20代~40代の女性に『片頭痛』が多く、ズキズキと痛みが現れ、めまいや吐き気、おう吐を伴うこともあります」と話します。そこで、片頭痛の特徴や原因、改善法について、詳しく聞いてみました。

痛みが4~72時間続く、動くと痛みが増す

はじめに、「次の症状に当てはまる場合は、片頭痛の可能性があります」と正木医師は、これらの項目を挙げます。

□月に1回~数回、起こる。
□ズキンズキンと脈打つような痛みが、4~72時間続く。
□頭の片側に起こることが多いが、両側や後頭部が痛いこともある。
□歩く、階段の上り下りなど、動くと痛みが増す。
□頭痛と同時に、吐き気や胃のむかつき、おう吐することがある。
□頭痛と同時に、光や音、においに過敏になる。
□頭痛が起こる前に、キラキラした光が見えることがある。

「片頭痛のメカニズムは解明されていませんが、何らかのきっかけで頭の血管が拡張したときに、脳の『三叉(さんさ)神経』が刺激を受けて炎症を起こす物質が放出され、さらに血管が拡張します。このときの刺激が痛みと認識されて、頭痛が起こると考えられています。

この刺激が、吐き気やおう吐をもよおす、普段は気にならない光や音、においに反応して不快に感じることがあります」と正木医師。

ストレスからの解放、月経周期がきっかけに

続いて正木医師は、片頭痛を招くきっかけについて、次の5つの要因を挙げます。

(1)精神面
ストレスや緊張状態から解放されると、それまで緊張して収縮していた血管が急に拡張しやすくなります。

(2)環境面
季節の変わり目、温度差、天候の変化なども、体温や体調を整えるために血管が拡張し、頭痛を引き起こすことがあります。

(3)睡眠
睡眠不足や寝過ぎなど睡眠障害の場合も、片頭痛の誘因になります。

(4)食事
アルコール、特にポリフェノールが豊富な赤ワイン、チョコレート、チーズ、かんきつ類には、血管を拡張、収縮させる物質が含まれているので、頭痛が起こりやすくなります。

(5)月経周期
女性ホルモンは「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つあり、それぞれが一定の周期で分泌量のバランスを変えながら女性の体に作用しています。

「エストロゲン」は、妊娠に備えて子宮に働きかけるホルモンです。月経の終わりごろから分泌量が増え、排卵直前にピークとなって月経開始前に減少します。「プロゲステロン」は、受精卵が着床しやすい状態に整えて、妊娠を継続させるホルモンで、排卵後に最も多く分泌されます。

この分泌量の変化に伴って、月経開始2日前~月経開始3日後頃まで、片頭痛を訴える女性は多くいます。月経前後に起こる片頭痛を、「月経関連片頭痛」とも呼びます。

暗く静かな場所で休む、痛む部分を冷やす

では、片頭痛を予防、改善するためには、どうすればいいのでしょうか。正木医師は、こう説明を続けます。

「先にお話しした、頭痛のきっかけに心当たりがある場合や前兆がある方は、これらに注意して、『きっかけをなるべく作らないようにする』、痛みが起こる前に『暗く静かな場所で休む』などの対策を取りましょう。

片頭痛が起きたときは、体を動かすと痛みが強まりやすいので、静かな部屋で安静にしましょう。このとき、拡張している血管を鎮めるために、『痛む部分を冷やしたタオルや氷枕で冷やす』とよいでしょう。血管が広がると痛みが増すので、入浴や運動、マッサージは避けましょう。

また、自分に合った市販の鎮痛剤を見つけることも一つの対策です。ただし、毎日服用し続ける、複数の鎮痛剤を服用するなど過剰に使用すると、頭痛の頻度が増えて、慢性的に頭痛が起こることもあります。

1カ月に10日以上、鎮痛剤を服用する必要がある場合や、症状が頻繁なとき、長く続く場合は、自分の症状やきっかけ、痛みが続く時間などを記録し、かかりつけ医や内科、神経内科に持参して受診しましょう」

「月経関連片頭痛」に心当たりがある場合は、どのような点に気を付けて、どうすればいいのでしょうか。

「月経時の片頭痛と下腹部痛は起こる原因が異なります。また、ほかの時期に起こる片頭痛と比べて、痛みが強く、持続時間が長いのが特徴です。ですから、同じ種類の痛みだと思い込んで、市販の月経痛ケアの薬を服用しても効かない、薬の量や種類が増える、痛みを我慢して悪化するなどのケースもあります。

月経の前後になるといつも頭痛がする場合は、月経の約1週間前から薬を服用することで、痛みをコントロールできることがあります。痛みで日常生活に支障が出る場合は我慢せず、医師に相談しましょう」と正木医師。

片頭痛が起こる原因には思いこみで判断せずに注意をはらい、自らの症状を冷静に観察して対処したいものです。

取材・文 岩田なつき/ユンブル

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