好きになってよかった! 推しが私にくれたもの

好きになってよかった! 推しが私にくれたもの

世は空前の「推し活」ブーム。ついにはNHK『プロフェッショナル』やTBSテレビ『news23』などの報道番組でも推し活特集が組まれるようになりました。推しを通して広がる世界や得られる活力が、生活や仕事以外の新たな人生の軸になっている方も多いようです。

今回、ウートピでは20代30代女性に「推しが私にくれたもの」をテーマに、推し活を通して得られたスキルやマインドについてヒアリングを実施。リサーチを行ってくれたのは、自身も日々推し活を楽しんでいるという編集者の小沢あやさんです。

「まずは相手のいいところを見つける姿勢」をもらえた。(30代・医療系・女性)

私はまだ管理職ではないのですが、社会人歴も長く、職場ではそれなりの中堅の立場に。後輩育成のための研修を担当する機会も増え、どうしてもみんなの「できていないところ」に目がいってしまいます。そんな自分に、ほんのり罪悪感を覚えることもありました。

推しであるボーイズグループ「OWV」のメンバーには「相手のいいところを見つける姿勢」を教えてもらいました。推したちはまずお互いを仲間として尊敬し、肯定しあい、チームの中で努力しているんです。

私もいきなり減点方式で人を見るのではなく、まずは良いところを伸ばす方向で接して、苦手なことはうまくカバーしながら、全体のスキルを引き上げていく、そんな関係ができたら素敵だなと考えるようになりました。

できないことも、まずは『やる』気持ち。(20代・IT関係・女性)

私の推しは歌もダンスもほぼ未経験でいきなりデビューしたんですが、厳しいレッスンを乗り越えた結果、今では堂々と輝いています。多少ミスったとしても、動揺せず、表情管理もやりきっていることもあり、感動することばかりです。

私も、仕事の場でついつい「こんなの無理……」「やったことないし」と最初から諦めモードになってしまうことがあります。たしかに無茶振りはありますが、いきなり「できないから」「未経験だから」と逃げの姿勢になるのではなく、まずはしんどいこともやってみることが成長の鍵なのかな、と思えるようになりました。

海外選手の情報が欲しい! と留学。語学力が身についた(30代・医療系・女性)

浅田真央さんと同世代です。彼女の活躍を眺めているうちに、フィギュアスケートに夢中になりました。そして2010年のバンクーバーオリンピックで海外選手のインタビューをテレビで眺めているとき、「あれ? 英語ができないと思っていたけど、意外と単語が拾えるんじゃない?」と、突然語学に興味がわいたんです。

その後、カナダの「ケヴィン・レイノルズ選手」という「推し」が明確にできました。私自身「ひとりで海外の試合も観に行きたい! そのためには語学が大事!」と感じていたことから、勢いで仕事を辞め、カナダへ留学。ホストファミリーを見つけ、語学学校に通いました。

ISU(国際スケート連盟)の公式情報は、基本的にすべて英語。海外遠征がマストになるため、年間スケジュールをチェックしながら予定をたてなければなりません。人気選手の場合は旅行会社でツアーが組まれたり、ネットでファンの方が情報を整理してくれたりしていることもありますが、網羅はなかなか厳しい。

留学後、語学力が身につき、フィギュアオタクとしての推し活も円滑に回るようになりました。

環境が違っても、無理なく維持できる友情関係をくれた推しに感謝。(20代・WEB制作・女性)

オタク仲間とLINEでグループを作っています。番組出演など公式からの(情報)供給があるたびに通知が100件以上飛び交うことも。それぞれの勝手な解釈や「やば」などの感情が押し寄せます。

推し活専用のTwitterアカウントも持っていますが、無理なく友達とだけやりとりできるので、最近はもっぱらLINEで推しへの感情をつぶやいています。

仕事が忙しかったり、育児中だったり、いろんな環境の友人がいます。誰かが返信するし、義務感もないという気楽さもあり、ほぼ毎日やりとり。合間に推し以外の雑談もできるので、在宅勤務の寂しさを埋めてくれる、良い関係だと思います。

正直なところ、昔は「育児の話になってもな〜」と、ちょっと構えてしまっている自分がいました。もちろん、イヤとかじゃないんですけど、こんな風に思っちゃうのは心が狭いんだろうか? とか考えちゃうこともあったんです。

ただ、友達は友達。推しという共通言語があれば、心配ありませんでした。無理なく続く友情をありがとう! という気持ちでいっぱいです。

リサーチ:小沢あや(ピース株式会社)

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