「〇〇って言わない女子」tweet.32

もしかして“コロナ離婚”の危機? 在宅勤務で家族とずっと一緒がしんどい…

もしかして“コロナ離婚”の危機? 在宅勤務で家族とずっと一緒がしんどい…

「〇〇って言わない女子」
の連載一覧を見る >>

恋愛経験をある程度積み重ねてきて、酸いも甘いも知っているオトナだからこそ、パートナーにあえて「言わない」ことをあえて拾って、恋愛コラムニストの桐谷ヨウさんにアドバイスをいただく連載「◯◯って言わない女子」。

ヨウさーん! 今回はこんなつぶやきを発見しましたよーー!!

【今回のつぶやき】

「亭主元気で…ってこのことなの?」

新型コロナウイルス感染拡大の影響で私もパートナーも在宅勤務になりました。緊急事態宣言は解除されましたが、この機会に2人とも在宅勤務になりそうです。うちには仕事部屋がないので、2人でダイニングテーブルで仕事をしているのですが、最近ちょっとしんどくなってきました。

2人に同時にテレビ会議が入ったときにどちらかがベランダに行ったり、車に行ったりという物理的に困っていることもあるのですが、ここまで長期間一緒にいたことがないというか、家にいるのが久しぶりすぎなので心理的に戸惑っています。私だけではなくて相手もそう思っていると思います。

できるだけ散歩に出たり1人の時間をつくるようにはしているのですが…… 。芸能人がよく離婚するときに「お互いの生活がすれ違って」とコメントしているのを見るのですが、うちの場合は「お互いの生活が重なりすぎて」って感じです。

私が仕事をしているときに目の前でゲームをしている姿を見るとイラっとすることもあります。逆のシチュエーションもあるので完全に八つ当たりなのですが……。これって慣れるしかないのでしょうか? まさか令和の世になって「亭主元気で留守がいい」って昭和の流行語を口にするとは思ってもいませんでした。トホホ。

コロナで世界が変わった

ビバ・リモーートワーークッ!! ご無沙汰してます。絶賛・在宅勤務で絶好調のヨウさんです。

いやー、つい数カ月前まで、こんな世界が来るとは思っていなかったですよね。人と人が近寄れないと、世界の行動様式はこうも制限されるのか! って。

みんなが孤独を感じる東京砂漠でも、意外に人と人って密着してたんだなー。満員電車はなくなってせいせいしますが、雑踏の人混みとか、オフィスのワイワイした感じとか、肩寄せ合って狭い居酒屋で乾杯したりとか、欧米人ほどじゃないにしろボディタッチしたりしてさ。

好む好まざるは別として、強制的にそれが絶たれると「身のまわりの世界がすっぽ抜けてしまった」ような妙な感覚を覚えています。

そうそう。今まで俺は対人関係の物理的な距離が近いほうだったんですよ。やられても気にならない。そんな自分ですらソーシャルディスタンスを守れない人に「ん?」って感じるようになりましたもん。ああー、距離が近い人を嫌がる人ってこれに近い生理的な不快感を持ってたんだ? ってちょっと理解できましたよね。お鍋を箸で一緒につっつくのを嫌がる気持ちとかさ。まぁ厳密にはウイルスなんでちょっと違いますけど。

そしてリモートワーク改革ですよ。外圧により世界(人の認識)が強制的に変えられた瞬間でした。

これまでは「リモートワーク可」を謳(うた)っていた企業でも、実質はフル活用が不可能でしたよね。なんとなくの空気で、なんとなく出社しないと、ちゃんとしてない人(あるいはコミュニケーションが取りづらい人材)に思われるフシがあった。なので体調不良とか子供のお守りとか、やんごとなき事情でのイレギュラー活用が関の山っていうさ。出社としての価値が等列ではなかった。

俺はすべての仕事がリモートワークでうまくいくと思っていません。だけど、今後は「オフィス出社」と「リモートワーク」が同列の価値をもたらす勤怠という認識が定着してほしいな、と思う。顧客との合意形成と社内でのやわらかい状態での認識合わせ以外は、今後もフル活用していきたいよね。

息が詰まるのは「二人の仲が悪いから」ではない

さて、ご質問です。

緊急事態宣言が発出してから、夫婦あるいはパートナーが揃(そろ)ってリモートワークって人たちがそこそこ多いですよね。そして、それなりに「むむ……」という小さなフラストレーションを感じてるっぽい。ちなみに俺も自宅勤務、妻は自宅待機って状態でずっと一緒にいます。

(この記事の初稿を書いたのが5月上旬なのですが、仕上げずに5月末まで放置していたことによりまもなく解除されそう。担当編集さん、すいません……)

この小さなフラストレーションとか、モヤっとする感じはパートナーとの関係性とは別のところにあるような気がします。仲がよろしくないところはもちろん、良好なところだって抱えている心境なんじゃないかな。

ご質問者さまが書いてらっしゃるように、こんなに長時間ずーっと一緒にいることってないじゃないですか。確かに旅行はずーっと一緒にいますよ。でもあれは旅先で出会う景色、モノ、人。ふたりの目に外からの世界がいや応なく飛び込んでくるものです。ある意味ではふたりは向かい合っていない。

今回のケースは、外界からの刺激がないですからね。ただの生活(しかも軟禁状態)を、同じ生活空間でずーっと過ごす。息が詰まって当たり前だということです。

「生活が重なりすぎてしんどい」はしょうがない

思うことをズラーっと書きますね。

まぁ、「贅沢(ぜいたく)な悩み」みたいな言い方は好きじゃないですが、それでもパートナーと一緒にいる軟禁はありがたいことだと思いますよ。というのも緊急事態宣言が発出された際にまず思ったのは、結婚してて良かったなってことでした。

コロナ禍で不安がまん延している中でひとりでいるって結構キツいと思うんです。まぁ、長いこと同棲生活はしているとはいえ、そういう思いを妻にさせることなくて良かったと思った。

パートナーとユニットを組んでいる生活は、おひとりさまの心細さに比べると、やっぱ心強いのではないでしょうか。まぁ、おひとりさまがみんな不安な毎日を送っているとは思ってないですけどね。

単身赴任している同僚は「人は1カ月、生身の人間と話をしないとメンタルやられる」と弱音を吐いておりました。VR鑑賞が趣味らしいですが、埋まりきらないリアリティのようです。

で、そうは言っても「お互いの生活が重なりすぎる息苦しさ」はどうしたって、ある。ほんとそのとおりですよ。

今回は本当のバケーションと違って、家で仕事をやらなくちゃいけない。おまけに自宅環境はリモートワーク用の環境になってないから、仕事の物理的な環境が劣化してたりする。友達なんかこたつにパソコン置いて仕事してるから「腰痛やべえ」と言ってました。おまけに子守りもしてるらしい。

ワークとプライベートのスペースが相互に侵食するじゃないですか。人によってはワーキングデスクがないから、ご飯を食べる場所で仕事をしてたりする。あるいは自由すぎるがゆえに、プライベートの時間と割り切りきれずにエンドレスに仕事ができちゃう。あるいは仕事のことが気になったままダラけても、結局は気が休まってなかったりするわけで。

そこへ順応しようと自分が無意識にがんばっている中で、相手もまったく同じ空間で同じ状態だと、カオスでしかないですよね。

根本的な解決法はシンプルで「家を変える」ですね。お互いのワークスペースを確保したうえで、共通のリラックススペースを個別の部屋で確立する。そうすれば労働環境の劣化はありません。ご質問者さまの「ゲームすんなや!」も起きません。

ただ、金銭・時間的な制約で実現性が低そうですし、今後もずーっとそのスペースを有効活用していくのは難しいかもしれない。

そうなると「タイムシフト」しかないですよね。オフピーク出勤のように生活リズムを微妙にズラしちゃう。うちは意識せずにそうなんですが、朝型の妻は早朝がひとりになる時間。夜型の俺は夜中がひとりになる時間。数時間でも、自分だけの時間を気兼ねなく持てるのはけっこう良いもんです。ただ、これもワンルームで過ごしている友達の話を聞いてると、難しかったりするんですけどね。

もうね、「生活が重なりすぎてしんどい」はしょうがないですよ。これは仲が良いとか悪いの問題じゃない。

普段なら生活が重なったとしても、それぞれがそれぞれで自由にやる矛先となる友達や、場所がある。それがないんだもん。

そして重要なことに、どんなにすてきなパートナーだったとしても、すべてを満たしてくれる相手なんかいないんですよ。あなたにとっての楽しさ、面白さ、かっこよさ、かわいさ、心地よさ、いとおしさ。すべてを満たしている人はいるかもしれない。

なんだけど、あなたにとっての「楽しさ」にも種類がある。パートナーといるときの楽しさ、親友といるときの楽しさ、カジュアルな友人といるときの楽しさ、うっすい関係の人といるときの楽しさ。

あなたが求める楽しさや、得られる楽しさはまるで別物で、それぞれがあなたを充足させる「違う良さ」があるわけです。

それらの多くを今は奪われているわけですから。世界の色が多様性を失っているようなもんです。なんとなく、息が詰まる。

この機会に距離感のチューニングをしてみよう

結論としては、どうしようもない。でも、どうしようもない中でパートナーといるものでは得られないものを、いつもの2割でも得られたらそれを良しとする。少しの気晴らしを目いっぱい味わう。リモート飲みが普及したのは、みんながそれを本能的に察知しての行動のように思います。

そうそう、コロナで「仲が良くなった関係」と「悪化した関係」の両面を聞きますよね。この期間に仕込まれたベイビーも、提出された離婚届もあるんでしょう。ネットで「コロナで関係が悪くなったのではなく、それまでの問題が顕在化しただけ」みたいな身もふたもない意見も見掛けました。

誰かと誰かの距離が大きく近づくのは、愛憎が増幅されます。些細(ささい)なことが大きな意味を持ってしまいます。

そういう意味では、関心と無関心のフォーカスを強めたり、弱めたりするコツは、この機会に持っていたほうがいいかもしれません。コロナに関係なく、仲が良いカップルというのは同じ空間で別々のことをやっていても気にならず、それでいて呼び掛け合うとすぐに一緒に楽しめる関係だったりします。そういう意味では、ゲームをされたからってイラっとするのはダメです(笑)。

この異常な生活を過ごすことになったあなたを応援していますし、今回は俺のことも応援してください。うん、お互いに頑張りましょう。

(文:桐谷ヨウ、イラスト:つぼゆり)

SHARE Facebook Twitter はてなブックマーク lineで送る

この連載をもっと見る

〇〇って言わない女子

パートナーや気になる人に、言いたくても言えない、聞けない一言ってないですか?恋愛コラムニストの桐谷さんに、「言わない女子」のお悩みを聞いてもらいます。

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を気に入ったらいいね!しよう

もしかして“コロナ離婚”の危機? 在宅勤務で家族とずっと一緒がしんどい…

関連する記事

編集部オススメ

仕事と恋愛、キャリアとプライベート、有能さと可愛げ……女性が日々求められる、あるいは自分に求めてしまうさまざまな両立。その両立って本当に必要?改めて問い直すキャンペーンが始まります。

後悔のない30代を過ごしたい。ありとあらゆる分野のプロフェッショナルに、40歳から自分史上最高の10年を送るために「30代でやっておくべきこと」を聞いていきます。

記事ランキング
人が回答しています