ヘアアレンジを楽しみたいけれども、不器用につき、夏はとりあえず髪をひとつにまとめて暑苦しさをしのぐのが精いっぱいです。しかしそれでは伸ばし放題になって、おしゃれからは遠のくばかり。なんとかしたいと、「Hair salon aruca」(福岡県北九州市)のオーナーで美髪を追求する三谷遥さんに、夏でも自分でできそうな爽やかアレンジを教えてもらいました。
きちっとかためない、ラフでツヤありに
はじめに三谷さんは、夏のヘアアレンジ法についてこう伝えます。
「夏は朝の仕度時の暑さ予防に、スタイルアップの手間や時間もできるだけ短くしたいですね。それには、あまりきちっと仕上げようと思わないことがコツといえます。
うまくまとめることができないという自称不器用さんはとても多いのですが、だからこそいかせる、ラフできちっとかためない、でもツヤと涼しげ感、爽やか感を出すスタイルを目指してはいかがでしょうか。長さ別に、アレンジの例を紹介しましょう」
セミロングアレンジ―お団子&おくれ毛だけ

(c) Hair salon aruca・ユンブル
ヘアゴムひとつでまとめることができます。装飾のついたヘアゴムを使ってもいいし、シンプルなヘアゴムでまとめてから、好みのヘアクリップなどの飾りをつけても簡単に華やかな印象になります。そして、顔の周囲やえり足に「おくれ毛」をひき出すと全体にやわらかい雰囲気となり、涼しげでこなれ感も出ます。
(1)まずは、髪全体にスタイリング剤をつけます。クリームタイプワックス、オイル、バームがいいでしょう。これをするだけで、ゆるくてもぼさぼさにならずにまとまりやすく、仕上がりにツヤを出すコツにもなります。
(2)次に、髪を後頭部のまとめやすい位置でお団子をつくります。
<お団子の作りかた>
①ヘアゴムで、髪を後頭部のやや下あたりでひとつの束に結びます。崩れにくくするために、しっかりめに結びましょう。
②結んだ毛束を、指先でぐるぐるとねじります。
③ねじった毛束を、結び目に巻きつけていきます。結び目を覆うようにするのがコツ。
④毛先をヘアゴムの内側にそっとはさみ込みます。結び目がゆるまないように。
⑤ヘアピンをお団子に差して、④ではさみ込んだ毛先を固定します。「お団子」のできあがり。
ヘアブラシを使わずに、手ぐしだけでまとめるほうが、ゆるめで自然な感じに仕上がります。
(3)えり足、もみあげ、トップの髪の毛を少しずつそっとひき出して、おくれ毛をつくります。そのおくれ毛を、ヘアアイロンやコテでワンカール巻きます。
(4)アクセントとして好みの髪飾りをつけると、おしゃれ度がアップします。シーン別に髪飾りを変えると楽しいでしょう。
ミディアムアレンジ―2つの「くるりんぱ」でまとめる

(c) Hair salon aruca・ユンブル
アップにしてまとめるほどの長さがなくてもできるアレンジです。「ハーフアップ」&「くるりんぱ」で髪を内側に入れ込んで立体感を出します。さらに、もうひとつ同じようにするだけで、爽やかなおしゃれ感が出るでしょう。セミロングの人でも可能です。
(1)セミロングの(1)同様に、髪全体にスタイリング剤をつけます。
(2)耳から上の髪の毛をざっくりと手に取り、ヘアゴムでひとつに結びます。これがハーフアップです。
(3)毛束を内側に、「くるりんぱ」します。
<くるりんぱの作りかた>
①(2)で作った結び目の少し上を2つに割ります。ヘアゴムをそっと少しだけ下げると割りやすくなります。
②結び目より下の毛束を指先でねじり、ヘアゴムの上へくるりんと回します。その毛束を①で割った部分に入れ込み、下向きに引っ張りながら通します。ヘアゴムの結び目あたりを持つとやりやすいでしょう。
③下に引っ張った毛束を左右にぎゅっと締めると結び目が安定します。「くるりんぱ」のできあがり。
(4)下半分の髪も(2)(3)と同様に、「くるりんぱ」をつくります。つまり、上下に2つの「くるりんぱ」をつくることになります。
(5)毛先が余る場合は、お団子にするとまとまりやすくなります。
(6)セミロングの(4)同様に、髪飾りをつけると違う雰囲気を楽しめるでしょう。
美容院に持参したいアレンジ例

(c) Hair salon aruca・ユンブル
顔まわりの髪を巻くと、凝っている感と同時に涼しい印象を出せます。慣れていないと巻くのが面倒かもしれません。美容院で美容師さんに仕上げてもらうパターンとして紹介しておきます。
聞き手によるまとめ
さっそく自分で挑戦してみました。セミロングもミディアムも、手軽にできるのに工夫してがんばったように見えて、また、涼しげに感じます。普段でもおしゃれをしたいシーンでも活躍してくれそうなアレンジです。
(構成・取材・文 阪河朝美/ユンブル 画像転載禁止)