夏でも髪をまとめないスタイルを楽しみたいけれど、暑苦しい印象にならないか、マスク姿だとなおさら気になります。そこで、「Hair salon aruca」(福岡県北九州市)のオーナーで美髪を追求する三谷遥さんに、夏にマスク着用でも映えそうで、流行を取り入れた長さ別の3つのヘアカット例を挙げてもらいました。
「くびれヘア」「レイヤー」「シースルーバング」で
はじめに三谷さんは、2022年夏のトレンドのスタイルやカットについて、こう説明をします。
「セミロング、ミディアムは人気の『くびれヘア』をイメージして、全体的に涼しげ感を出すために『レイヤーカット』で仕上げていきます。また、前髪も印象を決めるポイントになります。これも近ごろ人気の『シースルーバング』で、軽さと爽やか感を出します。
くびれヘアとは、表面はふんわりとボリュームがあり、首のあたりで少しくびれて、毛先は外ハネになるスタイルです。
レイヤーは『段』という意味で、レイヤーカットとは髪に段差をつける技術のことです。髪の上のほうを短く、下のほうを長くするようにカットします。
また、バングは前髪のことで、シースルーバングとは『おでこが透けて見えるぐらいに前髪を薄くカットしたスタイル』をいいます。毛質によってハサミを使い分け、毛量を調節するようにカットをします」
次に、「セミロング」「ミディアム」「ショート」ごとに、各スタイルを紹介してもらいましょう。
セミロング…くびれヘアとレイヤーでふんわり
夏でもロングを楽しみたい場合、鎖骨から胸の間までの長さのセミロングだと重く見えないでしょう。
くびれヘアになるように顔まわりにレイヤーを入れて、後頭部の内側の毛量をカットしてふんわりとボリュームを、毛先も毛量を調節して軽さを出します。セミロングのくびれヘアは、小顔に見えやすくもなります。
自分でスタイリングするときには、ヘアアイロンで毛先をハネ気味にすると、動きやくびれがより強調されるでしょう。

(C)Hair salon aruca・ユンブル
ミディアム…レイヤーで動きを出して軽く涼しげに
ミディアムとは、肩から鎖骨ぐらいまでの長さをいいます。このスタイルはセミロングを短くしたように見えますが、レイヤーとシースルーバングによって、全体的にかなり軽い雰囲気に仕上げることができます。
また、セミロングと同じく、微妙にフェイスラインを隠すので、小顔に見えやすいでしょう。夏に人気のスタイルです。
さらに、この長さは、カーラーやヘアアイロンで毛先が巻きやすく、動きも出しやすいこと、また、暑い日やシーン別にアップにするなど、自分でヘアレンジがしやすくていろいろなスタイルを楽しめるメリットもあります。

(C)Hair salon aruca・ユンブル
ショート…丸みかわいらしく清楚感と透明感も
ショートカットはボーイッシュなイメージもありますが、「ショートボブ」のように長さをあごラインぐらいにして丸みを出し、シースルーバングにすると、フェミニンでかわいらしく映える、清楚感、透明感があるスタイルになります。
首元をすっきりと見せ、涼しげな印象になります。また、髪を耳にかけるだけで、違った雰囲気が楽しめます。ストレートアイロンで外ハネボブにアレンジすることも可能です。

(C)Hair salon aruca・ユンブル
さらに三谷さんは、夏にお勧めのカラーについて、
「ここに挙げたカット例ではどれもカラーはしていませんが、軽快さや涼しさを出すには、ベージュ系、アッシュ系がいいでしょう」
ヘアカットの頻度について、
「セミロングは2~3ヵ月半、ミディアムヘアは2~2ヵ月半、ショートは1~2ヵ月を目安にカットをすると、美しいスタイルキープが可能です。髪は短いほど、時間とともに伸びて形がくずれやすいため、ショートの場合はとくにカットの頻度を多くしましょう」と三谷さん。
聞き手によるまとめ
これまで、夏のヘアスタイルの選択肢は、ばっさりと切るか、ひとつに結ぶぐらいだと思っていました。しかし、セミロングやミディアムでも、おろしたままで軽快で涼しげな印象を出せる、ショートではイメチェンができるという提案です。この夏、試してみてはいかがでしょうか。
(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル 画像転載禁止)