おうちヘアカラーを上手に仕上げる方法・第2回

「おうちヘアカラー」でのカラー剤と色の選び方…美髪プロが教える

「おうちヘアカラー」でのカラー剤と色の選び方…美髪プロが教える

外出自粛が続いたころから、自宅でヘアカラーをする人が急増していると言います。そこで3回にわたって、セルフカラーを上手に仕上げる方法について、美容師で美髪のためのケアを追求する三谷遥さんにお話を聞いています。

第1回の「おうちでヘアカラー、…美髪プロが教えるメリットとデメリットは?」では、自宅と美容院の場合でそれぞれにかかる時間や費用面、また使用する薬剤の違い、髪の洗い方のプロの技術など、両方のメリットとデメリットを考えました。今回は、ヘアカラー剤の種類や選びかたについて、三谷さんに聞いてみました。

セルフカラー剤のクリームと泡タイプの違いは?

自分でヘアカラーを行うにはまず、市販のヘアカラー剤を買う必要があります。ドラッグストアにずらっと並ぶ中から、どう選べばいいのでしょうか。

三谷さんは、「医薬部外品として、脱色するブリーチ剤と、脱色してから染めるヘアカラー剤の2種類があります。また、化粧品に分類されるものに、ヘアマニュキュアやカラートリートメントがありますが、一般にはヘアカラー剤が多く使われているので、それについてご紹介しましょう」と話し、そのメリットとデメリットについて、次のように挙げます。

「ヘアカラー剤には主に、性状のタイプ別に、クリームタイプ、泡タイプ、ジェル・ジャムタイプ、乳液タイプなどがあり、それぞれに特徴があります。

市販のカラー剤でもっとも種類が多いのが、クリームタイプです。2つの薬剤を混ぜてから、付属のコームやくし形ノズルを使って髪に塗っていきます。クリームタイプは染まりやすく、また部分染めにも便利に使えます。伸びた部分だけを染めることができるので、全体として毛髪のダメージは抑えやすいでしょう。

ただし、全体に染めたい場合は、均一に塗りにくいため、髪をいくつかの束に分けるブロッキングをして丁寧に塗るなど、手間がかかりやすくなります。クリームを髪全体に均一に塗るのは難しく、慣れていないとえりあし部分や後頭部などに薬剤が行き届かないことがあります。ビギナーさんの場合、仕上がりにムラができやすいということを覚えておきましょう。

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乳液タイプはクリームより軟らかく伸びやすいので、塗り残しやムラがクリームより少ないでしょう。ロングヘアに向きます。ただ、液だれがしやすいので、慣れた人やほかのタイプを使ってからの使用がいいでしょう。目に入らないように注意してください。

また、コームは使用せずに、シャンプーをするように髪に手でもみ込む泡タイプやジェル・ジャムタイプは、ブロッキングをせずに髪全体に薬剤を浸透させてから染めることができます。ジェル・ジャムタイプとは、とろりとして柔らかく伸ばしやすい液状という意味合いです。いずれもムラが少なく仕上がり、短時間でできるので、初心者向きと言えます。

ただし、薬剤に合成界面活性剤が多く含まれているため、毛髪にダメージを与え、ごわつきやすくなるというデメリットがあります」

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カラーは希望より1段階暗めを選ぶ

さらに、色を選ぶポイントについて三谷さんはこうアドバイスをします。

「パッケージに色の目安が明記されていますが、メーカーによって表記法はさまざまです。まずはメーカーのホームページや、ヘアカラーシミュレーションアプリなども参考にするといいでしょう。ただし、実際には自分の髪の色や質、染める時間、洗いかた、気温などで仕上がりはずいぶんと変わってきます。

一般に、イエロー、オレンジ系の混ざったブラウンはパッケージの表示よりも明るく仕上がることが多いので。好みの色めから1段階暗めを選ぶと無難に仕上がることが多いでしょう。

一方、レッド、ピンク系の混ざったブラウンの色味は深い仕上がりになり、暗めに見えることがあります。ですので、見ため通りか1段階明るめを選ぶとよいでしょう」

聞き手によるまとめ

セルフカラーでは、まずはカラー剤の種類とそれぞれの特性を理解したうえで自分にとって使いやすいタイプを選び、次に色はパッケージやアプリを確認しながら明るさに注意して好みを選び取ろうということです。自宅でも使いやすく、自分で似合う髪色を見つけることができると楽しい「おうちヘアカラー」ができそうです。

次回・第3回は、セルフカラーをする際の具体的なテクニックについて伝授してもらいます。

(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)

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