「発達障害BAR The BRATs」ゴーレムさん(前編)

誰もが仕事帰りに立ち寄れる場所に 週3日オープンの「発達障害BAR」

誰もが仕事帰りに立ち寄れる場所に 週3日オープンの「発達障害BAR」

近年、その存在がクロースアップされることが増えた「大人の発達障害」。ADHD(注意欠如多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム)、AS(アスペルガー症候群)、LD(学習障害)など、いくつかの特徴から成りますが、先入観が広がり正しく理解されていない場面も多々あります。

本日21日23:00より放送のAbemaTV「Wの悲喜劇 〜日本一過激なオンナのニュース〜」では、「オトナ女子の発達障害」と題して、女性の視点から「大人の発達障害」について考えていきます。

自身もADHDの診断を受け当事者として番組出演した「発達障害BAR The BRATs」スタッフのゴーレムさん。インタビュー前編では、ゴーレムさんがスタッフとして働く「発達障害BAR The BRATs」について聞きました。

「Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース〜」のスタジオ収録の様子

「Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース〜」のスタジオ収録の様子

すべての働く大人のための「避難所」

——「発達障害BAR The BRATs」とは、どんな場所なのでしょうか?

ゴーレムさん(以下、ゴーレム):「発達障害」とついていますが、本当はすべての働く大人のための「避難所」です。ふだん社会で生活しているうえで感じている生きにくさや、発達障害的な特徴がネックになっている部分などを気軽に吐ける場所。他のお客さんと同じ悩みを共有したり、バーテンに愚痴を吐き出したり、それですっきりして、ちょっとお酒を飲んで楽しくなれたら、明日もがんばろうと思えるじゃないですか。

——当初は期間限定のイベントとして始められたそうですね。

ゴーレム:はい、今年の2月中旬頃にイベントとしてスタートしましたが、反響が大きかったので、継続して常設BARとして営業することになりました。

——これまでにはなかった発想だと思いますが、そもそもどういった経緯で「発達障害BAR」は誕生したのですか?

ゴーレム:オーナーの個人的な失敗がベースになっています。彼もADHDなのですが、どうすれば同じ失敗を繰り返さずに済むのか、答えを求めて発達障害者の自助グループを回ったらしいのですが、残念ながら解決策は得られなかった。それなら「生きにくさを感じている人が生存戦略をシェアできる場」を自分で作ってしまえと。オーナーのように前向きに考えるのは就労している人たちであり、そういう人たちが仕事帰りにふらりと寄れる場所、集まりやすい場所が「BAR」という形態でした。

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「重い話ばかりじゃない。フツーのバーです」

——どういう方がお客さんとして来店しますか?

ゴーレム:やはり、当事者や発達障害に関心のある方が多いですね。年齢層はバラバラです。ただ、働いている人がほとんどなので、25歳以上が多い印象です。一人でご来店するお客さんが多く、なかには人とコミュニケーションをとったり、話をするのが苦手な方もいますけど、そういう人はゆっくり本を読んだりと自由に過ごしています。

——みなさん、どんな悩みを抱えているのでしょうか?

ゴーレム:悩みは千差万別ですが、例えば「会社でこんなミスをしてしまった」「なかなか仕事が続かない」「仕事をしたいけどどうすればいいのかわからない」などは多い気がします。みなさん、仕事を含め、発達障害の特性や個人的な事情と戦いながら、生きていく道を模索している感じです。

——発達障害の方は、タスク管理やコミュニケーションが苦手という話を聞きます。

ゴーレム:たしかに苦手な人は多いかもしれませんが、得手不得手は本当に人それぞれ。私自身、ここで働きはじめて「こんな辛さもあるんだ」とか、「こういうふうに受け取る人もいるんだ」とか、発達障害について勉強することがたくさんあります。

——「発達障害BAR The BRATs」は情報交換の場でもあるんですね。

ゴーレム:自分とは異なる発達障害の人と話をすることで、視野が広がり、生き方とか、どんな仕事が向いているとか、社会でどう振る舞えばうまくやっていけるのかなど、それぞれの経験から知ることができます。とはいえ、そこまで深く悩んでいない人もいるし、いつもそんな重い話ばかりしているわけではないですよ(笑)。

発達障害と定型発達がゆるやかに繋がる場

——発達障害でない人も来ていいのでしょうか?

ゴーレム:もちろんです。家族に発達障害がいるけど、実際にどういうものかわからないので第三者の意見を聞きたいとお店に来る方もいます。そういう方にとってもここは貴重な情報を得られる場だと思います。

発達障害BARと名前をつけているけれど、福祉的な施設にするつもりはありません。発達障害でない人も、ふつうに来られるBARにしたいというのがオーナーの考えです。発達障害者にかぎらず、現代社会に生きにくさを感じている人は少なくないと思います。発達障害だからと特別扱いせず、そうでない定型発達の人たちの考え方もあっていい。それがゆるやかに接続できるような空間を目指しています。

「自分は発達障害かも?」と悩んでいる人は多いと思いますが、そういう方はぜひ「発達障害BAR The BRATs」に来てほしい。もちろん、発達障害について知りたい、発達障害の人と交流してみたいなど、少しでも興味がある人は誰でもウェルカムです!

(塚本佳子)

<後編>苦手なことは「克服」より「回避」で乗り切る 発達障害に学ぶ生き方

■番組情報
男子は見なくて結構!男子禁制・日本一過激なオンナのニュース番組がこの「Wの悲喜劇」。さまざまな体験をしたオンナたちを都内某所の「とある部屋」に呼び、MC・SHELLYとさまざまなゲストたちが毎回毎回「その時どうしたのか?オンナたちのリアルな行動とその本音」を徹底的に聴きだします。
「#49オトナ女子の発達障害」
視聴はこちらから

■店舗情報
「発達障害BAR The BRATs」
営業日時
木:19:30〜24:00
金・土:(1部)19:00〜21:30、(2部)21:45〜24:00
住所
東京都渋谷区渋谷2-9-10 青山台ビル地下1階(青山通り沿い)
渋谷駅徒歩7分/表参道駅徒歩7分(B1出口)

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