ずんずんの女のカイダン 第14回

他人から与えられる優越感は甘い罠…「仕事も愛も手にしたい女」の悲鳴

SHARE Facebook Twitter はてなブックマーク lineで送る
他人から与えられる優越感は甘い罠…「仕事も愛も手にしたい女」の悲鳴

「女のカイダン」
の連載一覧を見る >>

きゃー!!! 今夜も女性の悲鳴が聞こえてきました。「私がいないとダメだって言ったじゃない!」。ケンカでしょうか。女性が男性に向かって叫んでいます。なになに。「娘が産まれたからもう関係を解消したい」と。これはどうやら不倫です。ずんずんさん、彼女はどうしてこんなに別れに怯えているのでしょうか。

周りが見えぬは当事者ばかり

こんばんは! ずんずんです。

不倫……。

それはわかっちゃいるけどやめられない、女と男の深い業……。

不倫って、他人からすれば「あんた、何やってるの」と突っ込みどころ満載ですが、不倫当事者になると、周りが見えなくなるんですよね。しかも男性が既婚で、お金もあって地位もあったら……。そんな人にアプローチされたら、独身の女の子は舞い上がっちゃうかもしれません。

今日は、そんなぷかぷか舞い上がってしまったFさんのお話です。Fさんは3年ほど勤めた広告代理店を辞め、転職して、あるベンチャー企業に就職しました。

私は彼のビジネスパートナー?

その会社は、ノリにノッてるイケイケベンチャー。社長は40代で、年齢の割には若く、ちょっとイケメン風の羽振りのいい、既婚者です。

つまりは、地位も権力も金も妻子もある男性でした。

私はそういう男、嫌いじゃないけど……。おっと、ずんずんのオンナの本音が漏れたようです。失礼しました。

とはいえ、Fさんの方は社長と不倫することなんて全く考えていなかったのですが、この社長の方に下心があったんですね。

社長はFさんを飲み会やパーティーに連れまわしては、周囲にFさんのことを「彼女は妻より気が利く」だとか「僕の仕事で欠かせない人だ」と言いはじめ……。しまいには腰に手を添えて「彼女は僕の(ビジネス)パートナーだ」と言うのです。

普通の人なら「何言ってるんだ、こいつ」と引いてしまうかもしれません。ボディタッチなんて完全にアウトです。

しかしFさんはちょっと違っていました。

若かったFさんは、仕事がデキて、自分の知らない世界を見せてくれる社長にそんなことを言われて、段々とその気になって、自分は社長のパートナーだと思い込むようになってきたのです。

ば、ばかー! その男の言うパートナーって“ビジネス”なのよ!!!

と突っ込みたいところですが、自分は社長にとって欠かせない存在と思い込んだFさんは誘われるまま社長と一線を越えてしまったのです……。

Fさんを支えているプライド

思い出してください、みなさん。社長は既婚者、しかもお子さんまでいます。休日は家族サービスでFさんには会えません。そんな時、Fさんはなんと考えていたかというと……。

家のことは奥さんが支えればいい。私は、家庭より彼の大切なものを支えてる。

いやいやいや、ユーは奥さんからみれば泥棒猫やで?と突っ込みたいところですが、Fさんはそう考えることで自分を保っていたのかもしれません……。

その後も秘書兼愛人として社長につきっきりだったFさんは、バリバリと仕事をこなしていきました。社長のコネで自分一人では絶対会えないような人脈や、できないであろう仕事を任されたFさんは得意の絶頂にいました。

しかし、破局はあっさりと訪れます。

社長に2人目のお子さんが生まれたんですね。しかも女の子。すると、社長はころっと態度が変わり、家庭重視のマジメなお父さんに華麗に変身したのです。そして、最後の夜、高級ホテルの一室で社長はFさんに対してこういったのです。

「君とは、もう関係は続けられないが、パートナーとしてこれからもそばにいてほしい。あ、ビジネスね」

な、なんじゃそりゃー!!

と、Fさんはブチ切れ、もやもやとしながらしばらくは仕事に専念していたそうですが、不満が溜まりに溜まり……結局、社長とは別れ、仕事も辞めたそうです。つまりFさんは、男も失い、仕事も失ったわけです……。なんともしょっぱい幕引きでした……。

優越感のトラップから逃げだす方法

Fさんはある意味「ひいき」されることによって仕事を得ていたわけですよね。それも実力のうちと言ってしまえばそれまでですが、そのことにFさんは優越感を覚えていました。

優越感を覚えている時、私たちは幸せです。なんだか満たされたような気になって、強くなったような気すらします。でも、こういう時って横柄になりがちで、周りの人も離れていきます。すると不思議なもので、人は「私ってすごいのよ!」ということを示すために、ますます優越感を与えてくれるものに固執するようになるのです。

社長と別れ、仕事も失ったFさんは、もう優越感を抱くことはできず、焦りしか残りませんでした。こんなふうに、他人から与えられる優越感っていうのはあっさり消えてしまうものなんですね。

他人から与えられる優越感は甘い罠です。はまるとなかなか抜けられません。こんなトラップから抜け出すには、他人から与えられた優越感は成長につながらないんだって知ることなんです。

お金持ちでキャリアのある男性と一緒にいたって、自分がその男性と同じようになれるわけではありません。自分でひとつひとつ築きあげていかなければ、自分はいつまでたっても空っぽのまんまなんです。

さてはて、空っぽのまま調子に乗っていたFさんは……社長と別れた後、心を入れ替え……るのに失敗。男性から与えられる優越感の味が忘れられず、今度はベンチャー社長ホッパーになってしまったそうです……。港区あたりをさまよい、お金持ちの社長を狙っているそうです。くわばらくわばら……。

この連載をもっと見る

女のカイダン

仕事、お金、人間関係、恋愛、結婚……。「きゃーっ!」未来を憂いて今日も聞こえてくる女性の悲鳴。元外資系OLで、コラムニストのずんずんさんに、女性の前に立ちはだかる”恐怖”や”不安”の本質を解き明かしていただきます。

この記事を読んだ人におすすめ

この記事を気に入ったらいいね!しよう

他人から与えられる優越感は甘い罠…「仕事も愛も手にしたい女」の悲鳴

関連する記事

編集部オススメ

仕事と恋愛、キャリアとプライベート、有能さと可愛げ……女性が日々求められる、あるいは自分に求めてしまうさまざまな両立。その両立って本当に必要?改めて問い直すキャンペーンが始まります。

後悔のない30代を過ごしたい。ありとあらゆる分野のプロフェッショナルに、40歳から自分史上最高の10年を送るために「30代でやっておくべきこと」を聞いていきます。

記事ランキング