おかゆやうどんにトッピング! 管理栄養士が教える、体を温める栄養素

おかゆやうどんにトッピング!  管理栄養士が教える、体を温める栄養素

体の冷えがつらい、また風邪やインフルエンザを予防するために、「まずは日々の食事で栄養を適切にとっておくことが重要です」と話すのは、管理栄養士として食事指導を行う西山和子さん。

そこで、それらのために摂取するべき栄養素と、働き女子がさっと作って食べられるよう、うどんやおかゆのプラスアレンジメニューを教えてもらいました。

体の冷えは免疫力の低下をまねく

まず、体を温めて風邪やインフルエンザを予防、またかかっても悪化させないための食生活について、西山さんは次のように説明をします。

「体が冷えるのは、寒くて体温が低下すること、運動不足などで血流が悪くなること、またダイエットで筋肉量が減っている、やせすぎで体脂肪が極端に少ない、ストレスや疲労で自律神経のバランスが乱れているなど複数の原因が考えられます。体温が低くなると免疫力が低下し、ウイルスや風邪の菌に対抗する力が弱まります。

免疫力をアップするには、普段から食事による栄養バランスを整えることです。そして、外気温が低い秋や冬は、体を温めることを意識した食生活を送りましょう」

ひとり暮らしで食事の用意が面倒なときや風邪をひいてしんどいとき、おかゆやうどんのメニューは手軽ですが、免疫力アップには有用でしょうか。

「はい、体温アップ、免疫力アップにお勧めできます。理由は、料理そのものが温かいので、食べたときに体の中から温めることができること、また、胃腸での消化吸収が良くて、胃もたれがしない、下痢をしにくいこと、それに、普通の食事より多めに水分を補うことができるのもメリットが大きいと言えます。自宅のキッチンに、保存食としておかゆや冷凍うどんを用意しておくと、いざというときに役に立つでしょう」

さっそく用意をしておきましょう。

体を温める栄養素と食材とは

ではここで、体を温めて風邪予防になる「栄養素」と「それが含まれる食材」を具体的に西山さんに教えてもらいましょう。

・タンパク質……免疫細胞を構成する栄養素。肉類、魚貝類、卵、大豆製品、乳製品など

・ビタミンA……のどや鼻、目、胃腸などの粘膜の細胞をつくる。卵、牛乳、ウナギ、レバー、カロテンを多く含む緑黄色野菜のニンジン、ピーマン、ホウレンソウ、コマツナ、カボチャ、ノリなど。

・ビタミンB群……ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸(ようさん)、パントテン酸、ビオチンの8種の総称。食べたものをエネルギーに利用して熱を産生する代謝に欠かせず、また、のどや鼻などの粘膜の細胞を作るのに必要です。レバー、豚肉、かつお、まぐろ、いわし、バナナ、大豆製品など。

・ビタミンC……皮ふや骨、腱などの組織の主要な成分であるコラーゲンというタンパク質をつくるときに必要で、不足すると毛細血管が弱くなります。ミカン、グレープフルーツなどのかんきつ類やイチゴ、ダイコンやブロッコリーなどの野菜、ジャガイモ、ノリなど。

・ビタミンE……体内の脂質の酸化を防いで細胞を健康に保ち、血流促進に働きます。アーモンドなどのナッツ類ゴマ、植物油、ハマチ、タラコ、ウナギ、カボチャ、アボカドなど

さっと簡単、おかゆとうどんのアレンジメニュー

栄養素と食材がわかったところで、それらを参考に「超簡単自炊」ができる、「おかゆやうどんなどのトッピング、またはプラスアレンジのメニュー」を挙げてもらいました。「調理をしなくてもいい便利な素材として、冷凍野菜などを利用しましょう」と西山さん。

<おかゆ>
・味噌や牛乳を好みで少し加えて、味をアレンジしましょう。トッピングには、温泉卵、溶き卵、青ネギ、ゴマ、きざみのり。レンジで温めたカットニンジン、冷凍ホウレンソウ、冷凍カボチャなど。

・炊くときのダシ汁にインスタントのコンソメを使って洋風にします。トッピングに豆類の水煮パックやチーズを加えてさっと煮ると、リゾット風になって免疫力アップのための栄養素が豊富にとれるでしょう。上で紹介したトッピング素材もすべて合います。

<うどん>
・うどん鍋をつくりましょう。カットニンジン、冷凍ホウレンソウ・冷凍小松菜などを電子レンジで先に温めておきます。鍋にダシを入れ、うどんと一緒にそれらを煮ます。このとき、豚肉の薄切りを4切れほど加えて煮ると、栄養バランスがぐっとよくなります。また、温泉卵、青ネギ。ゴマ、ノリをトッピングするとさらに栄養アップになるでしょう。

・素うどんが食べたいときは、チューブのおろしショウガや、唐辛子をお好みで少々加えると、体を温める効果が期待できます。

最後に西山さんは、「これらは、食べすぎた翌日に胃と腸にやさしい、カロリー控えめなメニューとしても覚えておくと便利です」とアドバイスを加えます。

冷えと風邪やインフルエンザ、胃腸の不調時、さらにダイエット向きにと、応用がきくこれらのちょっとしたアレンジメニュー、多彩なシーンで使えて重宝しそうです。

(取材・文 海野愛子/ユンブル)

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