顔の保湿をしているつもりなのに、朝の洗顔やメイクタイムに鏡を見ては、肌のガサガサ感にため息が出ます。そこで鍼灸師で太子橋鍼灸整骨院(大阪府守口市)の丸尾啓輔院長に、化粧ノリを改善するため、お手入れ時に押すとよいツボを教えてもらいました。
血・水が不足して肌が乾燥する
はじめに丸尾さんは、乾燥肌とツボケアについてこう話します。
「肌が乾燥すると、ガサガサとするだけでなく、しわやたるみにも影響します。東洋医学では、心身のエネルギーである『気(き)』、血液の『血(けつ)』、血液以外の水分や体液の『水(すい)』の3つがバランス良く全身を循環して、心身の健康を保つと考えます。
肌の乾燥の場合は、『血・水』が不足した状態です。化粧品に頼る前に、ツボケアで血と水の巡りを意識しましょう。朝と晩のお手入れ時の化粧水や美容液を使う際に、次のツボを押してみてください」
ツボ・地倉(ちそう)を刺激する
「地倉」の「地」は大地の恵みの食べ物、「倉」は食べ物を蓄える場所を意味します。つまり、「食べ物を蓄えるために取り込む口元に位置する」ツボを表すといわれます。
口の付近の「血」や「水」の巡りを促し、しわ、ほうれい線、むくみ、また、ニキビや吹き出物の改善に働きます。胃の不調による口内炎の緩和にも有用です。
<ツボ「地倉」の位置>

画像:ユンブル 転載禁止
唇の両脇のすぐ横。口角とほうれい線の延長を結んだところ。左右にあります。
<刺激法>
両方のツボを押しやすい指先で同時に刺激しましょう。小さい丸を描くイメージで、軽くもむようにひと押し5~10秒を3~5回くり返します。強く押さないようにしましょう。
ツボ・迎香(げいこう)を刺激する
「迎香」の「迎」は迎える、「香」は香りやにおいを表し、鼻水や鼻づまりなど鼻に関する症状を改善する特効ツボとして知られています。
口のまわりの「血」や「水」の巡りを促し、しわやほうれい線、また、ニキビや吹き出物などを改善します。鼻と肌のケアが合わせてできるので、花粉症のケアとしても覚えておきたいツボです。
<ツボ「迎香」の位置>

画像:ユンブル 転載禁止
小鼻の両脇のすぐ横のくぼみ。左右にあります。
<刺激法>
両方のツボを同時に、押しやすい手の指の腹で刺激しましょう。ゆっくりとひと押し5~10秒ほどを3~5回くり返します。強く押さないようにしましょう。
ツボ・瞳子膠 (どうしりょう)を刺激する
目の横のくぼみにあり、「瞳子」は文字の通り目や瞳を、「膠」は骨の角、すみを表します。目の付近の血や水を促し、潤いを与えて目元のたるみやしわ、くま、また、目の充血やかゆみを改善します。
<ツボ「瞳子膠」の位置>

画像:ユンブル 転載禁止
目じりのすぐ外側で、骨のくぼみより内側。左右にあります。
<刺激法>
両方のツボを同時に、押しやすい手の指で押しましょう。ゆっくりとひと押し5~10秒ほどを3~5回くり返します。強く押さないようにしましょう。
聞き手によるまとめ
手軽にできて覚えやすいツボ3つ、スキンケア時の習慣にしたい内側からのケア法です。2週間ほど朝と晩に実践してみると、化粧ノリが良くなったように感じ、以降も無理なく継続できています。試してみてはいかがでしょうか。
(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)