花王研究員に聞く「肌との付き合い方」第1回

花粉と“ゆらぎ肌”の関係は? 気をつけたい春の肌ストレス

花粉と“ゆらぎ肌”の関係は? 気をつけたい春の肌ストレス

季節の変わり目で肌の調子がイマイチ、暖かくなってきたのは嬉しいけれど化粧崩れが気になってきた、そろそろ紫外線も気になる……と肌にまつわる悩みは尽きないもの。

「20代の頃と比べて皮脂が減ってきたな」など、自分の肌の変化を感じている人も少なくないのではないでしょうか?

そこで、花王スキンケア研究所で上席主任研究員を務める次田哲也さんに「肌との付き合い方」について3回にわたってお話を聞きます。

1回目のテーマは、「ゆらぎ肌との付き合い方」です。

花王スキンケア研究所・上席主任研究員の次田哲也さん

花王スキンケア研究所・上席主任研究員の次田哲也さん

「ゆらぎ肌」ってどんな肌?

——冬から春になる季節の変わり目になると「ゆらぎ肌」という言葉をよく聞きます。そもそもゆらぎ肌ってどんな状態のことを言うのでしょうか?

次田哲也さん(以下、次田):「三寒四温」という言葉があるように、今の季節は気温の差が激しいですよね。私たち人間も動物なので、寒いときから暖かくなるときに、冬眠から覚めるように肌も代謝が低かったのが高くなっていくんです。

そういう内面の変化と、外からのストレスの影響で肌がついていかなくなり、ニキビができたり乾燥したりという肌のトラブルが出てくる。そういう、肌が敏感になっている状態のことを「ゆらぎ肌」と言います。

——外からのストレスというのは具体的にどんなことなんでしょうか?

次田:まずは、紫外線ですね。この季節は紫外線がグーッと上がってくる。あとは、花粉や黄砂、PM2.5ですかね。入学や入社、人間関係の変化というのもストレスの原因にはなってきますね。

——ストレスは肌の状態にも影響するんですね。

次田:関係ないように見えても、皮膚の表面(表皮)の下には真皮と呼ばれる層があるんですが、そこに「毛細血管」という細い血管が張りめぐさられています。

表皮の基底細胞や真皮の線維芽細胞などに栄養や酸素や水分を届け、老廃物や二酸化炭素を運び去る働きをしているんですが、ストレスのせいでちゃんと栄養を渡しきれない状態や運びさる働きが弱くなると肌に影響が出てくるんです。一番悪いのは寝不足、睡眠ですね。

肌の大敵は「睡眠不足」

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——私は平日もたくさん寝ているんですが、たくさん寝ている分には大丈夫ですか?

次田:睡眠時間も大事ですが、質も大事ですね。例えば、7時間寝た場合と3時間寝た場合の評価もしているんですが、3時間しか寝ていないと鼻のあたりが冷たかったり、頬が冷たかったりして、うっ血した赤みも出ちゃうんです。

——なるほど。睡眠不足はそんなふうに肌に影響を与えるんですね。

次田:まずは内側のケアも大事だよということを伝えたいですね。

——肌の調子を整えるには、睡眠をちゃんととることとストレスの発散が大事ということですね。

次田:そうですね。内側と外側のアプローチが大事だなと思っています。外側のアプローチとしては、この季節でも寒い日はストールを巻いて肌が冷たくならないようにする、とか化粧品でケアをするというところですね。

化粧品を見直すタイミングは?

——化粧品を見直すタイミングは肌がゆらいでいるときと考えてよいのでしょうか?

次田:スキンケアに関しては、次回で詳しくお話しようと思うのですが、「水を逃さないために脂をどうコントロールするか」ということに尽きると思うんです。

そういう意味で言ったら、秋から冬にかけて皮脂が下がって、春から夏にかけては皮脂が上がってくるので、春先と秋口に季節の変わり目にスキンケアを見直したほうがいいと思います。

——次回はスキンケアについて教えてください。

※次回は3月27日(火)更新です。

(取材・文:ウートピ編集部・堀池沙知子、写真:宇高尚弘/HEADS)

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