気づけば私たちも、お年玉をもらう側から、あげる側へ……。小さい頃、ぽち袋に入ったお年玉を、何度数え直したことか。子どもが一年で一番の大金を手にするお正月。中身だけじゃなくて、それを入れるぽち袋にも、ちょっと気張って、「お、このおばちゃん、やるな」と思わせてみたい!(みたくない?) 姪っ子や甥っ子の喜ぶ顔を見るのが何よりも楽しみな方へ、こんなぽち袋、いかがですか?
「コレッポチ」だけど……の美徳
ぽち袋の「ぽち」は漢字で「点」と書き、小さい点を表わす言葉で“ほんの少し”という意味。中身が「これっぽちだけど。ごめんね」というふうに、アメリカなどのチップ文化にもどうしても馴染めない、遠慮がちな日本人の心が表された言葉ですね。
なんとぽち袋専門のブランド「コレッポチ」は、約240年の歴史を持つ愛媛の伊予和紙と、和紙への印刷ならお手の物という「船木印刷」の活版印刷技術が出会って生まれました。ひとめ見て思わずニヤリとしてしまう変カワイイ絵柄で、子どもたちのハートをキャッチ!
ぽち袋に、犬のポチ。そこはかとなくファンシーな、ちょっと疲れた「和製フランダースの犬」。
小学校に入学していれば、一度はこんな視力検査をやっている。愛しい姪っ子甥っ子には、家系の近視が遺伝しないことを願いつつ……。
いまや世界共通語?「オ・モ・テ・ナ・シ」。そして、もはや、ちょっと古い……?
「あなたのおじいちゃん、おばあちゃんは、6畳一間、風呂なしアパートからスタートしたんだよ」。自分も苦労、してないくせに。
「大きくなったら、お医者さんになりたい!」って言われるとなんだか嬉しい、おば心。
礼儀正しく、三つ指揃えて。水引きを、慎しみ深い三つ指で表現。
「中川政七商店」創業記念に紙の老舗とコラボ
中川政七商店は奈良で1716年に創業し、手績み手織りの麻織物を作り続けてきた老舗です。飾らない上質な工芸品をベースにした雑貨を取り揃えた直営店を全国に展開。丸の内のKITTEや表参道にあるお店に立ち寄ると、ついつい長居してしまいます。こだわりの工芸品が揃う店内は、まるで工芸の博覧会で、こんな品物に囲まれて暮らせたら……と夢が広がる空間。
そんな中川政七商店は、2016年になんと300周年を迎えたのだとか。人々の暮らしに欠かせない工芸品。妥協しないけど、暮らしに寄り添う、そんなブランドが記念の年に発売したアイテムの一つが、“ぽち袋”でした。
300周年の記念にコラボしたのは、1899年創業の紙の老舗「竹尾」。竹尾は、創業以来、色や風合い、豊かな素材感をもつ高級特殊印刷用紙「ファインペーパー」の開発を通じ、紙の発展に寄与し続ける「紙の専門商社」です。
カラーラインナップは、奈良時代に詠まれた万葉集の歌から季節をイメージする色を選び、グラデーションの美しい二種類の組み合わせで展開。秋色の「黄葉(もみぢ)」と「撫子(なでしこ)」。
万葉集も中川政七商店も、奈良生まれなので、奈良のシンボルである鹿の箔押しのシールがついています。発色の美しさと、しっかりとした上質な紙の質感、姪っ子甥っ子にも、本物・よいものに触れて育ってほしい、という願いを込めて。
センスある叔母としては、お年玉袋もこだわりたいですね。