30代も後半に差しかかり、部下や後輩もできました。最近、「やっぱりこの手の仕事は向いてないよなあ」と思う種類の仕事があり、思い切って手放して他の人にお願いしたところ、とても楽になりました。今までは「できない」自分を認めたくないのと、「この山を越えれば成長できるかも?」と無理やりやっていたのですが、ストレスがたまって体調を崩してしまいました。とはいえいまだに「これでよかったのか?」と思うこともあります。手が回らなくて諦めたり、できないと見切りをつけたりすることって仕事に限らずあると思うのですが、未練がないと言えば嘘(うそ)になります。「できない」自分の認め方というか、受け入れる方法を知りたいです。
「できない」というより「苦手」
「できない」ということはないと思うんですよね。
ただ、人より習得に時間がかかる分野であって「苦手」と表現するのが正しいかと思います。
地道に努力を重ねていけば、いずれはできるようになるのではないでしょうか。
しかし、例えばその分野の天才が一年で習得できるものを、努力と根性で10年かけて習得したとして、天才くんが同じ根性で努力を重ねていたとしたら、10年後には100年分の能力の差がついてしまっているんですよ。
加齢からくる体力などの衰えを考慮に入れると、この差が埋まることはもうないんですよね。これが「才能」というものだと思います。
人って自分の欠点に劣等感を抱きがちで、ついつい欠点を埋め合わせる努力をしてしまうものですが、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスから見ても、苦手な分野より自分の得意な分野に労力を割くほうがハイリターンで見返りが大きいんですよ。
それこそ10年間自分の得意な分野に労力をささげれば凡人の10倍の恩恵が受けられますからね。
まさに前人未到な領域に行くことだって夢ではないんです。
それを思うと劣等感に執着して時間を消費してしまうのはもったいないという印象を受けます。
能力のパラメーターを平均的に上げたいという気持ちもわかるんですけどね。
ひとつのパラメーターに注力して突出させたほうが他者評価も高くなるし、そこでの成果を最大化することによって劣等感も自浄できるはずです。
もちろん自己成長や多様な分野に興味を持つことも大切ですが、自分の得意な分野にフォーカスすることでより大きな成果を生み出すことができるでしょう。
自分の真ん中には「得意」を置いておく
自分の得意を自分の真ん中に置いておくこと。
そして苦手なことは隅っこにでも置いておき、暇なときにいじる程度でいいと思いますよ。
人生において努力が身になる期間ってわりと短いんです。
ある程度高齢になったらそれまでに身につけた能力で生きていかなければなりません。
有限で貴重な時間を無駄遣いしないように。
努力のベクトルは自分の「得意」に向けてください。