ご自愛ヨックモックと素直じゃなかった私【小沢あや】

ご自愛ヨックモックと素直じゃなかった私【小沢あや】

ヨックモック好きを公言する、コンテンツプランナーの小沢あやさん。けれど、かつては「ヨックモック反抗期」があったと言います。

「ヨックモック反抗期」とは何だったのか、思いを振り返っていただきました。

ヨックモックとともに歩んできた社会人生活

ヨックモックのシガールが大好きなんです。あの、葉巻みたいにくるくるっと丸まってるクッキー。

こうやって「大好き」と宣言する機会も、わざわざ説明することも、あんまりないと思います。だって嫌いな人いないし、みんな知ってるでしょ? っていう。

ヨックモックのクッキー詰め合わせって、差し入れの定番ですよね。退職挨拶やお取引先の方の手土産などで「いただくもの」。自分が「食べたい」と思うより先に、突然目の前に現れるものだったんです。

社会人になってからは、だいたい1カ月に1モックくらいのペースで食べていました。いただいたクッキー缶を手に「◯◯さまより、ヨックモックいただきました〜」とみんなの席まで配り歩くことも。

いつもはちょっと怖い先輩も、シガールを前に顔が緩んでいたり。「後で食べよう」と大切にデスク横に保管しておいて、仕事がしんどい時にコーヒー片手にかじって、どうにか耐えたり。思えば、10年以上の社会人生活の隅々には、ヨックモックのシガールが存在していたんです。

初めての「ご自愛ヨックモック」

ところがどっこい。ここ数年は外出自粛で人にも会わないし、当然出社もしないし、NOモックの日々だったんですよ。在宅勤務があたりまえになったし、さらに私は自営業。会社員時代のようにオフィスでなんとなくラッキーヨックモックにあやかることも、すっかりなくなってしまいました。

深刻なシガール不足に見舞われ、思わずAmazonでシガール48本入りを購入。自分の、自分による、自分のための、ご自愛ヨックモック。そういえば、ずっと好きだったはずなのに、人にいただいてばっかりで、自分で買ったことってなかったんです。いつもは1本しか食べられないシガールを独り占め。なんという贅沢。

手土産へのプレッシャー、そしてヨックモック反抗期

シガールを強く強く、そして真っ直ぐに愛している私ですが、ヨックモックへの複雑な気持ちを抱えていた時期もありました。

会社員時代、そして独立して編集者となってからも、私はずっと「手土産」へのプレッシャーがあったんです。お取引先や撮影現場にちょっとしたお菓子を持っていく機会が多いのですが、「センスが良い人と思われたい」という欲もあったし、知る人ぞ知る手土産や入手困難なアイテムを嫌味なくスッと出せる人に対して、とてつもない憧れもあったというか。

「ヨックモック……置きにいったな?」「いや、みんな好きだけど……」みたいな。自分自身はヨックモック大好きだし、きっとみんなもそうなのに。なんでだろう。銘菓のド定番に対して、ちょっと斜めに見ていたのです。これを私は「ヨックモック反抗期」と呼んでいます。

やっぱり、定番ロングセラーには選ばれる理由がある

もちろん、私も相手の顔を思い浮かべながら手土産を選ぶ時間は好きなんです。ライフスタイル誌の特集が手土産やスイーツの号は買うし、午前中に売り切れてしまうような和菓子や、クッキー缶も遠くまで買いに行きます。でも、どこでも買えるヨックモック=手抜きではない! ということを、声を大にして伝えたいです。

映画『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』では、ライフスタイル系編集者がアパレルブランド社長に謝罪する際、手土産に悩むシーンがあります。同僚から「あえてヨックモックとかどうすか?」と言われるんですね。で、その通りに持っていくと、とってもよろこばれるんですよ。

冷静に考えたら、おしゃれな人はおしゃれなものをたくさん知っていて、いろんなものに触れてる。だからこそ、実は定番品がうれしいのかもしれません。結局、真っ直ぐに自分が好きなもの、もらってうれしいものを選べばいいんですよね。

このご時世、「個装」が重宝されるし。生菓子は早くその場で食べなければならないし、ケーキも美味しいけれど、お皿の手配などなど、誰かに負荷がかかる。お気持ち、裏目! みたいな事態にもなる可能性があるんですよ。

それに、甘いものが苦手な人もいるかもしれない。そんなとき、ヨックモックなら、無問題。受け取った後で気分じゃなければ誰かにあげちゃうこともできる。賞味期限も長いし、安心なんですよね。こう振り返ってみると、ヨックモックがいかに定番ロングセラーとして不動の地位なのかが改めてわかります。すごいぞ、ヨックモック!

専用皿に鎮座するシガールへ愛を込めて

そんなこんなで、ヨックモック反抗期終了からのご自愛ヨックモックで改めて良さを感じ、さらにシガールへの愛を深めている私。環境の変化でヨックモックに対する眼差しまで変わるとは……。

愛が高まり、青山のヨックモック本店に併設されているカフェ「ブルー・ブリック・ラウンジ」にも行くようになりました。ブルー・ブリック・ラウンジでは、ドリンクを注文すると、細長い専用皿に鎮座したシガールがおまけでついてくるんです。初めて訪れたときは、そんなシステムはもちろん知るわけもなく。

店員さんが「よろしければ、どうぞ……」の一言とともにシガールを出してくれた際、「シガールがよろしくないわけがないでしょう!ありがたくいただきますよ!」って心の中で叫びながら、ぼりぼり食べました。

うん、やっぱり私、ヨックモックが大好き。

(小沢あや)

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