ファン垂ぜんの豪華作品が列挙!これは日本ドラマ界の夜明けなのかもしれない
9月25日に行われた動画配信サービス『Netflix』のグローバルファンイベント『TUDUM(トゥドゥム)』。二日間をかけて、YouTube公式チャンネルを通して5カ国をつなぎ、2022年秋以降に配信される作品を一挙に紹介していくイベントです。さすが、世界のNetflix……作品のクオリティーだけではなく、その前哨戦まで大スケールではありませんか。
そんなイベントにドラマオタクを代表して小林久乃が潜入をしてきました。決して、無許可入場ではありません。れっきとした取材でございます。
会場には『今際の国のアリス: シーズン2』の山﨑賢人&土屋太鳳、『First Love 初恋』の満島ひかり&佐藤健。そして『舞妓さんちのまかないさん』の森七菜&出口夏希の、合わせて6名がステージに登壇するという、事前情報が。なかなか間近ではお目にかかれない人気者たちを、待ちわびる多数の観客。すみません、ちゃっかり私もその一人でした。

イベント場内にはNetflixの歴史、作品ポスターなどが飾られてロビーでもファンたちを喜ばせていた
フレッシュ美女の登壇で場内が明るく、楽しく、華やかに
森七菜さん、出口夏希さんのふたりが『舞妓さんちのまかないさん』の代表として、姿を見せるとマスク越しではありますが、会場からため息が。おそらく私と同じく
「かわいい……」
とつぶやいていたのだと思います。真っ赤なアシンメトリーデザインのドレスをまとい、シンプルな一つ結びで現れた森さん。ダークカラーでウエストがちらっと見えるデザインのドレスで少し緊張した面持ちの出口さん。二人がそろうと、会場にガーベラが咲いたようです。重々しくない存在感は若さが醸し出しているのでしょうか。

登壇中、ずーっとケタケタと笑っていた森七菜さん
二人が京都で数カ月間、撮影をしたという『舞妓さんちのまかないさん』。舞妓に憧れて田舎から上京をしたキヨ(森)と、すみれ(出口)。ただキヨだけは舞妓に向いていないと、田舎に帰ることを京都で言われてしまうのです。どうしても夢をあきらめきれないキヨは、舞妓さんたちのまかないを作る仕事をするように。その傍らで逸材と呼ばれ、舞妓としてどんどん成長していくすみれ……というのがあらすじ。
何やら役名だけで匂わせるものがありますが、総合演出、監督、脚本を手掛けたのは、あの是枝裕和監督。企画は先頃、サンセバスチャン国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した川村元気監督と、ふたりの名前を聞いただけで、ハイ、もう名作決定。
個人的に注目しているのはフードスタイリスト・飯島奈美さんによる、まかない料理。飯島さんといえば数々の映画やドラマなどの作品で、料理を提供してきた日本を代表する一人です。彼女が作った! と言うだけでおいしさが5倍増しに見えるから、あら不思議。代表作としては朝ドラ『ごちそうさん』(N H K総合・2013年)での料理でしょうか。主人公の父親が経営する洋食店で出されていた、ツヤッツヤのオムライスは、今でも鮮明に覚えています。

フードスタイリスト・飯島奈美さんの作る親子丼に惚れ込んで、撮休日もまかないを食べに行ったという出口さん
本作でも主演の森さんが「本当においしくて、美しかった」という塩むすびをはじめ、キヨの得意料理の親子丼など数々が作品に花を添えます。今まで数々のドラマや映画で見せられた彼女の料理で、どれだけの視聴者が唾を飲み込んだでしょうか。総量何トン……とかその域かもしれません。
かわいらしさ、おいしさ、そして背景には古都。映像を想像するだけでも笑顔になりそうな『舞妓さんちのまかないさん』は2023年1月12日(木)配信です。

累計発行部数は200万部を超えるベストセラー漫画が、いよいよ実写化とあって注目度が高い『舞妓さんちのまかないさん』
Netflixが贈る上質なエンターテインメントは世界平和の証
今回『TUDUM』で、多くのラインナップ、ティザー動画、インタビュー、出演者たちを目の当たりにして感じたのは「日本の夜明け」。Netflixで制作されるということは世界に向けて、多くの言語によって、日本の作品が発信されるのです。つまりは列島に閉じこもっていた、作品の魅力が世界にも伝わるということ。
演者にとってもメリットだらけではないかと思うのです。今まで国内では地上波、映画、舞台と表現できる場面が限定。溢れ出そうなパッションを表現するのなら、夢のハリウッドへ飛ぶより他なかった。それが国内での制作によって、可能になる時代が来たのだと感じると、ちょっと興奮しますよね。
世界では戦争、自然災害、ウイルス感染といつも人間の神経を逆撫でするような状況が続いています。そんなときに心揺さぶる作品が作られていくことで、世界が平和になるような気がしてなりません。上質なエンターテイメントは平和の象徴ではないでしょうか。そんな思いにかられました。格好いいことを言いましたが、早く配信日が来て仲間たちと居酒屋政談のごとく、作品の感想を語り合いたいとジリジリしています。
(C)小山愛子・小学館/ STORY inc.