ぽっこり、タプタプ……。アラサー以降ますます深刻化する女性の腹まわり、通称“OVER30腹(オバサー腹)”問題。単なる食べ過ぎや運動不足、加齢によるたるみのせいと片づけがちですが、じつは、おなかの“膨張”にもあるのだそう。
「おなかの膨張には、呼吸が深く関わっています」と話すのは、呼吸整体師として約20年治療に携わり、これまで4万人以上の体を改善してきた森田愛子(もりた・あいこ)先生。
今回は森田先生に“オバサー腹”と呼吸の関係について聞きました。
そのおなかの膨らみ、脂肪じゃないのかも!
風船のような下っ腹に、タプタプの段々腹……。おなかまわりは30代以降の女性にとって特に気になるパーツ。
「おなかまわりの膨らみを気にするとき、大半の人は皮下脂肪が原因だと考えます。でも、呼吸のクセによって膨張していることもあるのです。私の元に足を運ぶ“不調持ち”の人たちは、ほぼ例外なくおなかが膨張していますね。
患者さんたちが40分ほどの治療を終えて治療室の全身鏡を見ると『おなかがひとまわりコンパクトになった』『体が軽い!』と口をそろえます。
呼吸整体を通じて、患者さんの不調を改善するのが私の仕事。おなかまわりの体脂肪を瞬間的に消すワザは持ち合わせていませんが、副産物として『腹ペタ』がついてくるという事実は、ずいぶん昔から私の患者さんの間では認知されていました」
カチカチ&ボテボテ腹の原因は、「呼吸」にあった
慢性的な不調やおなか太りに悩む人の共通点として挙げられるのが、本人も気づかぬうちに浅く止まりやすい呼吸をくりかえしていること。
「呼吸は“吸って吐く”ことが非常に大事です。でも、たいていの人は、吐くほうが苦手。『吸ってばかりで吐ききれていない』状態が続くとどうなるか? 例えれば、自転車の空気入れポンプを押し続けるように、おなかに膨張圧がかかりっぱなしになります。つまり体の内側からかかり続ける『圧』でおなかが常にカチカチ、ボテボテ状態になってしまうのです」
呼吸力の低下からくるポッコリ下腹
浅く止まりやすい呼吸は、体の内側にも悪影響を及ぼします。呼吸力の低下によって直接的に影響を受けるのが、肺のちょうど下にある横隔膜。
「横隔膜は“吸って吐く”ことで上下に動きます。日常的に浅く止まりやすい呼吸をくりかえしていると、横隔膜の動きが悪くなり、その周辺の胃や腸の動きも低下します。
内蔵も運動させなければ、その働きはどんどん落ちていくんです。動きの悪くなった内蔵は、次第に体の前下方にダラ~ンと下垂。これが巷(ちまた)でよくいわれる“内蔵下垂”であり、多くの女性が気にしているポッコリ下腹の原因の一つにもなっています」
ツラい運動いらず。3日で腹ペタを叶える
これまで気にも留めなかった“ふだんの呼吸”が、おなかの膨張の原因だった――この事実に着目したのが、ペタンコ腹を叶えるための8つのワーク。
「これらは私の治療院やワークショップで紹介しているもので、3歳の幼児から80歳過ぎのおばあちゃんまで、誰もがムリなく続けられます。1日目で変化を感じられなくても、2日目には手ごたえを感じ、3日には見た目の変化も感じられるはずです」
森田先生が考案した「8つのワーク」の詳細は、先生の最新著書『奇跡の3日腹ペタ – 不調が消える! 体がコンパクトに! 』(ワニブックス)に掲載されています。
(江川知里)