起床後、4時間後の自分の状態をチェック! “質のよい睡眠”をとる方法

起床後、4時間後の自分の状態をチェック! “質のよい睡眠”をとる方法

心療内科医で企業の産業医も務める田中奏多(たなか・かなた)先生による『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』(アチーブメント出版)が昨年10月に発売され、3万部(2021年3月現在)を突破しました。

田中先生は「忙しくても成果を出しつづける人は、正しい心身のリズムづくりと正しいリカバリー方法を知っている」として、「規則正しい生活」「栄養バランス」「適度な運動」といった当たり前の方法ではなく、忙しい毎日でも、つい暴飲暴食してしまっても、夜更かししてもパフォーマンスを落とさないリカバリー方法についてつづっています。

たくさん寝ているはずなのに体がスッキリしないのはなぜ? コロナ禍で在宅勤務になってオンとオフの切り替えがしにくくなった。仕事のパフォーマンスを上げる方法は?

質の良い睡眠や仕事のパフォーマンスを上げる方法について、田中先生に伺いました。前後編。

田中奏多先生

田中奏多先生

「私、良い睡眠をとれてる?」チェックする方法

——コロナ禍で家にいる時間が増えてたくさん寝ているはずなのに体がスッキリしないという話をよく聞きます。

田中奏多先生(以下、田中先生):不調を感じている患者さんの特徴として、睡眠時間が短くなってしまったときのリカバリー方法に「長く眠る」方法をとっている人が多くみられます。しかしながら、実は眠り過ぎも良くないということが、だんだん分かってきました。体内リズムが合っていないときは浅い睡眠になってしまい、長く眠ったとしてもなかなかリカバリーができないのです。

コロナ禍で通勤や外の用事が少なくなっていることもお寝坊になって長く眠りすぎる原因の一つだと思います。通勤や用事はおおよそ同じ時間に起きるリズムづくりに役立ちます。リズムのポイントがないと、生活がだれてしまい生活リズムが崩れてしまう。体内リズムは朝起きる時間にリセットされるため、実はいつもより睡眠時間が短くなってしまっても、普段と同じ時間に起きたほうがいいです。

——寝る時間が遅くなっても起きる時間は同じほうが良いのでしょうか?

田中先生:そうですね。起床時間が毎日バラバラになりやすい人は、ただ単に寝ればいいというわけではなく「いつ起きて、いつ光を浴びるか」を意識してほしいです。もちろん短時間すぎる睡眠時間は体調が悪くなってしまいますが、ある程度の睡眠時間が得られるのであれば、体内リズムをプラスで意識してほしいです。

というのも、人間には、脳で感じる“中枢の体内時計”と、腸で感じる“末梢の体内時計”という、2つの体内時計があります。“中枢の体内時計”は、朝の光でリセットされます。また、“末梢の体内時計”は、朝ご飯を食べることが重要になってきます。そのため、「長く眠ればいい」という考えは、この2つの体内時計の働きを忘れてしまっているのです。

——ダラダラ寝ていると、2つの体内時計が反応しないということですか?

田中先生:はい。もちろん、長く眠ることで快適に過ごせる人もいます。でも、ある程度の時間を寝ているのに朝起きて、4時間後くらいにダルさや眠気を感じるのであれば、“質の良い睡眠”がとれていないのかもしれません。睡眠が浅い状態で長く寝ても仕方がないですし、寝ている間は体も動かせないので、「長く眠ればいい」というわけではないんです。

朝食の10時間前に夕食を済ませる

——朝食をとるタイミングは、いつが良いのでしょうか?

田中先生:起床して1時間後くらいが目安です。ただ、それよりも意識したいのは、朝食の10時間前に夕食を済ませることです。10時間絶食をすることで体を休められるので、“質の良い睡眠”のためには、朝食に視点をおくよりも夕食の時間を視点においたほうがまずは良いかもしれません。

——体を動かすことも“質の良い睡眠”に関係があると伺ったのですが。

田中先生:人間の体温は朝と夕方に上昇します。朝と夕方のタイミングで、温かいものを食べたり、光を浴びたり、体を動かしたりすると、より体温を上げることができます。特に、夕方にしっかり体温を上げてあげると、夜に深部体温が下がり、“質の良い睡眠”につながります。1日の流れの中で、体内リズムに準じた体温の勾配を作ってあげることが、夜の睡眠を良くするポイントです。

——本で「お風呂の電気は消して入ったほうがいい」というお話もありましたが、それも体内リズムと関係があるのでしょうか?

田中先生:これには、睡眠や体内リズムを調整するメラトニンが関係しています。「夜寝る前に、パソコンやスマホを見ないようにしましょう」とよく言われますが、デジタル機器の強い光はメラトニンを低下させてしまいます。メラトニンの分泌にもリズムがあります。朝に光を浴びるとメラトニンは低下し、光を浴びた14~16時間後に再び上昇します。

そのため、朝にお風呂に入るときは電気をつけたほうがいいのですが、夜に入浴する場合は電気を消しましょう。お風呂だけでなく、お部屋の電気も、夜寝る前の1~2時間前から少し照明を落としてぼんやりとさせたり、オレンジ色の光でリラックスしたりするのもおすすめです。

「朝型/夜型」よりも自分の特性を知ること

——人によっては、「朝型」「夜型」というタイプがいると思います。「夜型」の人は生活習慣を改善したほうがいいのでしょうか? それとも本能に従ってそのままでも良いのでしょうか?

田中先生:自分の傾向や特性を知っているのであれば、それほど気にしなくてもいいのでは? と思います。なぜかと言うと、「朝型になりやすい」「夜型になりやすい」という傾向はあったとしても、「私は夜型だから、夜は絶対にずっと起きている」という人はあまりいないですよね。どんな人でも、子供の頃は、朝起きて学校に登校していたでしょうし。

そこで、私がアドバイスできることとしては、自分の特性を知ること。その上で、例えば「自分は夜型だな」と思ったら「夜更かしのしすぎに気を付ける」といったポイントを設定したほうがいいと思います。一定のリズムを刻んで生活していれば、それほど苦もなく朝スッキリ起きられるようになりますよ。

——そうなのですね!

田中先生:大事なことは、休日などに自分が持つ特性のリズムに戻してしまわないことです。例えば、「夜型」の人が日曜に夜更かしをしてしまうと、月曜の朝に倦怠感を感じてしまいます。もちろん本能も大切ですが、そのあとの影響を考えて休日は自分の特性に気を付けて過ごしてみてください。

※後編は3月10日(水)公開です。

(取材・文:ウートピ編集部・堀池沙知子)

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