「疲れ」は体が発するアラーム! 漢方で改善する方法【専門医に聞く】

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「疲れ」は体が発するアラーム! 漢方で改善する方法【専門医に聞く】

どこかに痛みがあるとき、あるいは発熱があるときは「病気」と判断し、病院に行く、休息するなどの対応をとります。しかし、どろんと疲れていても、「疲労」を体に起きている異変だとはなかなか自覚しにくいのではないでしょうか。

ところが、漢方専門医であり臨床内科専門医、消化器内視鏡専門医である吉田裕彦医師は、「『疲れ』は『痛み』、『発熱』と並ぶ、体からの3大アラームです」と警告します。

放置しがちな「疲れ」にどう対処すればいいか、詳しいお話を聞いてみました。

疲れの原因は睡眠状態とストレス

 
まず、「疲れには休めば回復する一時的なものと、休んでも回復しない慢性的なものがあります」と吉田医師は指摘し、次のように続けます。

「肉体的な疲れも精神的な疲れも、日常的に良質な睡眠をとっていると回復します。ただ、睡眠時間が短い、深夜や早朝に目が覚めて眠れないなどで睡眠の質が悪いと、疲れは回復しません。つまり、『疲れがとれない』と思うとき、大きな原因として、睡眠不足が挙げられます。

そしてその原因となるのがストレスです。肉体的でも精神的であっても、ストレスが強いと睡眠に悪影響が及び、そうすると疲れが蓄積して回復が難しく、悪循環となります

自律神経のバランスが乱れると睡眠に悪影響が及ぶ

睡眠不足とストレスは、働く女性にとって避けられない日常と言えます。吉田医師は、こう指摘をします。

「働く女性は、平日は朝早くから夜遅くまで活動しているため、自律神経のバランスが乱れやすいと言えます。夜まで興奮や緊張状態のときに働く交感神経が優位だと寝つきが悪くなり、深夜に目覚めることもあります。

休日でも、『せっかくの休みだから』と外出する、たまった家事を一気に片づけるなどで心身を休める時間がない場合が多いでしょう。しかし、どこかで安静にしないと疲れは回復しません」

疲れを解消するには食事・睡眠・運動

普段の生活が「疲れ」をまねいているのなら、日常の習慣の改善が必要です。そこで吉田医師は、次の提案をします。

「いつも疲れている人に欠かせないのは、『食生活の改善』、『睡眠の量と質の充実』、『軽い運動』を取り入れることです。

『休日にスポーツをしている』という習慣は気分転換にはよいのですが、疲れているときに激しい運動をすると、さらに疲れがたまることになります。ウォーキングなど、軽く汗ばむくらいで気持ちよさを感じる軽い運動がよいでしょう。

また、たとえ短時間でも熟睡して、スッキリ目覚めるといった良質な睡眠をとることも欠かせません。眠る前にスマホやパソコンを操作しない、シャワーではなくゆっくりと湯ぶねにつかるなど、できることからすぐに始めましょう」

疲れて複数の症状があるときに漢方薬を試してみる

次に、「疲れが溜まっていて胃腸の調子が悪い、食欲がない、イライラや憂うつ感があるなど複数の症状がある、またほかの病気など原因がはっきりしないときには、漢方薬を試してみるという選択肢があります」と話す吉田医師に、市販もされているという漢方薬を挙げてもらいました。

●補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力がない、疲れやすい、胃腸の働きが弱い、寝汗をかくことがある、虚弱体質、風邪をひきやすい人に向く。

体を動かす原動力であるエネルギー、東洋医学で言う「気」が不足して疲れている、体を動かすのがおっくうという場合に、胃腸の働きを高めて全身の活力をアップするときなどに。

●十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
体力がない、全身が弱っている、病後・術後で体力が低下しているといった、強い疲労感がある人に向く。

「気」と、全身の組織に栄養を与える「血(けつ)」の不足を補う。けんたい感、食欲不振、寝汗、貧血、手足の冷えなどがあるときなどに。

●加味逍遙散(かみしょうようさん)
体力があまりない、疲れやすい、睡眠の質が悪い、寝つきが悪い、精神不安があるなどの人に向く。

プレ更年期や更年期の不調がある女性に「気」や「血(けつ)」を補う。のぼせ感がある、肩こりや腰痛がある、イライラやウツウツするときなどに。

●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力がない、虚弱体質、疲れやすい、冷え性、貧血ぎみの人に向く。

月経トラブルや更年期の不調がある女性に「血(けつ)」を補う。むくみ、めまい、肩こり、動悸(どうき)があるときなどに。

●人参養栄湯(にんじんようえいとう)
体力がない、フラフラする、貧血ぎみ、病後・術後で体力が低下している人に向く。

「気」と「血(けつ)」を補い、消化器の働きを高め、栄養を行きわたらせる。昔より元気がないなど衰えを感じるとき、不安や不眠があるときなどに。

「漢方薬を選ぶ際に、自分の体質がわからない、パッケージの説明を読んでもよくわからないときは、薬局の薬剤師に相談するか、漢方薬を処方する医療機関をウエブサイト等で調べて受診してください」と吉田医師。

「疲れているからといって仕事を休めない」と考える人は多いと思いますが、放っておくと蓄積されて胃腸の不調や頭痛、貧血などの症状が、また加齢とともに高血圧や糖尿病などの生活習慣病が多様に現れるとのことです。毎日の習慣を整えて休息しながら、漢方薬を試すなどして、本気で疲労回復を目指してみませんか。

(取材・文 堀田康子・藤井 空 / ユンブル)

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