女社長の乳がん日記~おっぱい作り直しの巻④

女社長、人生初の“巨乳期”に大喜びする【女社長の乳がん日記】

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女社長、人生初の「巨乳期」を満喫する(2度目)

2018年11月19日

手術から一カ月が過ぎた。

この一カ月は、コルセット着用キャンペーン中であったが、我が人生初の「巨乳期」でもあった。

かつて人生で二度ほど、娘たちを妊娠中に巨乳経験はしていたのだが、当時は胸もあるけどウエストもある。太ももや二の腕も肥えており、「巨乳」というよりは「太っていた」という記憶しかない。

しかし、今の私は推定Fカップ以上あり、おまけにコルセットで全身締めているため、まるでバービー人形のようなフォルムになっている。46歳の経産婦がバービーになってどうするんだという議論はさておき、

「脂肪幹細胞すげえな」

と、思わざるを得ない。

先日、一カ月後検診があったのだが、先生も、

「あら、ちょっと大きくしすぎちゃったかしら?」

と、私の両胸をもみながらおっしゃっていた。が、

「でも、まだブラは買わないでください。これからまた小さくなっていくので」

と、冷静なアドバイスをくださった。

私が手術前、「ほどほどに大きく」という曖昧なリクエストをしたので、小さくなることを計算しながら、先生は綿密におっぱいを作り替えてくれたのだった。先生、神かよ……。

ところが昨日、次女とお風呂に入っていた時、私は「あれ」を再び見つけてしまった。

乳がんが発覚した2年前と同じ「触っても動かないしこり」を今度は左胸に。あの時と同様、痛みもなければ熱もない。ただただコロンとした、でも圧倒的な存在感のしこり。

「これはまずい」

乳がんを経験したことによる教訓は、「早期発見」と「ジャッジを長引かせない」の二つだ。「もしがんだと言われたらどうしよう」と、怖がったり、「忙しいから」と面倒くさがったり、逃げたりしてる間に成長してしまうがんが多いことを、先生やがん友達から嫌というほど教わったように思う。

私は、乳腺外科ではなく、今回お世話になった辻先生のほうに連絡を取ってみた。すると先生は、

「すぐ診てみましょう」

と、次の日に予約を入れてくれたのだった。

女社長、脂肪認定に大喜びする

2018年11月20日

私の左胸をエコーで診ている先生を見ながら、否応なしに2年前のがん発覚時を思い出す。あの時、乳腺外来の先生の横顔で

「ああ、私はがんなんだろうな、十中八九」

と思ったものだったが果たしてそうだったわけである。

辻先生の表情からも何かを読み取れるだろうか? と思っていた直後、

「これはがんではありません」

と、先生は美しい横顔でそう言った。

「これは、脂肪の塊です」

と。

「セーーーーフ!!!」

私は心の中で、野球の審判が放つ渾身のセーフを決めた。

女社長の頭の中のイメージ図

女社長の頭の中のイメージ図

ちなみに、
「これは脂肪です」
と、辻先生に言われて喜んだのは2度目(おっぱい作り直しの巻①参照)である。

脂肪認定を受けて大喜びする日が来ようとは。人生はなかなかにトリッキーで時に洒落が効いている。

そして、聞けば、形成手術後に脂肪の塊ができることもあるのだとか。

久しぶりに肝を冷やしたが、がんの再発や転移ではなくて本当に良かった。

私は先生にお礼を言い、昨日と打って変わった羽のように軽くなった心を携え、体には再び甲子園養成ギプス(コルセット)を装着し、病院を後にするのだった。

再びの命拾い感覚から、安心して浮かれている女社長と何も知らない次女

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女社長の乳がん日記

「がん宣告」を受けた女社長・川崎貴子(44)が、「乳がんプロジェクト」と自ら命名して己を奮い立たせ、がん宣告から手術・治療までの日々をリアルタイムにつづっていた日記を初公開します。

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