空がどんより厚い雲で覆われると、頭もズーンと重たくなる。
季節の変わり目はやる気が起こらず戦意喪失、仕事がまったくはかどらない。
ただでさえ生理の日はツラいのに、雨が降ると吐き気まで……。
と思い当たったあなたは、天気によって体調や気分が左右される、低気圧女子かもしれません! 気象予報士で、『低気圧女子の処方せん』(セブン&アイ出版)を上梓したばかりの小越久美(おこし・くみ)さんに、女子の正しい天気との付き合い方をレクチャーしていただきます。
第3回は、季節の変わり目と体調不良の関係について聞きました。
季節の変わり目は自律神経が弱りやすい
天気の変化による体調悪化は一年中あるけれど、最も気をつけるべきは、冬から春へ、夏から秋へなど、季節が切り替わるとき。
「低気圧女子は、気圧の変化に弱いとご説明してきましたが、実は、気温の変化も体調を崩す要因のひとつです。
というのも、気圧と気温の変化には自律神経が深く関わっていて、自律神経がうまく機能していないと、不調が起こりやすいのです。
私たちの体は、外の気温が30度でも8度でも、体温は常に36〜37度の間くらいで一定していますよね。これは自律神経の働きによるものです。気圧の変化に合わせて、体の内側から押し返す力を調整しているのも自律神経です。
気圧と気温の変化が激しいときは自律神経の働きが追いつかず、体調を崩しやすくなるのですが、最も気圧と気温の変化が大きくなるのが、季節の変わり目なのです」
季節はある日突然切り替わる
冬から春へ、春から夏へ、季節は徐々に切り替わると思っていたら、それは大間違い。
「まだまだ寒さ厳しい2月中旬。この頃には春の訪れを告げる春一番が吹き、気温が急激に上がります。しかし、翌日や翌々日には冬の寒さに逆戻り。その気温差が20度近くなることも珍しくありません。
春一番が吹いた後は、三寒四温と言って、寒い日が3日、暖かい日が4日続くことを周期的に繰り返し、ようやく春が訪れます。
季節は暑い日と寒い日を行ったり来たりしながら、徐々に移り変わるのです」
次の季節へ体をなじませる期間が要注意
冬は交感神経の働きによって基礎代謝を高くして寒さから身を守り、夏は副交感神経の働きによって基礎代謝を低くして暑さで熱がこもらないようにするシステムが、体には備わっています。
「寒い冬に突然春のような陽気が訪れると、冬仕様の体は大慌てで暑さに対応しようとします。ところが、数日のうちにまた寒くなると調整機能の要である自律神経の働きが追いつかず、体調を崩すのです。
つまり、気圧と気温の変化が周期的にやってきて、次の季節へと体をなじませる必要のある期間は、不調が起こりやすいということ。
特に、気温の変化が大きい冬から春へ、夏から秋へと季節が変わるときは、低気圧女子のみなさんは体調不良に悩まされるはずです」
季節の変わり目には梅雨がある
季節が移り変わる期間、そこには大なり小なり梅雨があるといいます。
「一番有名なのは、春から夏へと移り変わる間、ひと月以上に渡って続く梅雨ですが、そのほかにも、冬と春の間には菜種梅雨、夏と秋の間には秋霖、秋と冬の間には山茶花梅雨というように、期間の長短、雨量の多少はありますが、季節の変わり目には、必ず梅雨のように雨の日が続く期間があります。
雨が降るということは、つまり、低気圧がやって来ているということ。低気圧女子のみなさんが苦手とする気象条件です。
梅雨の低気圧は、短い周期で繰り返しやってくるため、自律神経の落ち着く暇がありません。季節の変わり目は、気温差に加えて、梅雨の低気圧の影響も受けてしまうので、自分のウィークポイントに不調が出やすい条件が整っているといえます。
季節の変わり目には無理をせず、ストレスを溜め込まないような生活を心がけることが必要です」
(構成:今富夕起)