DJあおいさんと「仕事がデキること」について考えていく連載「私は仕事ができない。」10回目のボヤきは「呪いの言葉を吐いてしまいそうになる」です。
【今週のボヤき】
新人の頃、先輩や上司から「自分の頭で考えて」「まずは調べて」「1回で覚えて」などと怒られながら仕事を覚えてきました。わりと理不尽なことも多く、「この先輩は私の若さに妬んでるのだ」ということにして女子会(という言葉は当時はなかった気がしますが…)のネタにしてモヤモヤを解消していました。と、同時に「自分はそんな理不尽な上司にならないぞ」と思っていました。
いざ、自分が仕事を教える立場になると、後輩に昔、自分が言われて嫌だったことを言ってしまいそうになります。今ならわかるのです。あの時の先輩や上司の気持ちが。ただ、わかるものの、言ってもどうせあの時の自分のように恨みが募るだけかなと思い、躊躇してしまいます。自分がされて嫌だった言葉を後輩にも言ってしまうのは違うのでは? と思ってしまい、必要なことも言えなくなってしまっている自分がいます。
後輩は先輩の真似をして育つもの
後輩というのは先輩の言うことを聞いて育っていくわけではなく、先輩の真似をして育っていく傾向の方が強いんですよね。
「自分の頭で考えろ」と言って育てても、自分の頭で考える後輩に育つわけではなく、「自分の頭で考えろ」と後輩に強要してしまう人材を育ててしまうだけなんですよ。
人は自分の置かれている立場を肯定しようとする心理が働くようにできています。それがどんなに劣悪な立場でも自分を不憫だとは思いたくないわけです。
上司や先輩から理不尽なことを言われたらストレスが生じます、そのままではストレスに潰されてしまうますので、なんとかそのストレスを解消しようとします。その手段が「期待されているからキツく言っているのだ」とか「自分のためを思って言ってくれているのだ」とか、上司や先輩の理不尽な八つ当たりを自分の都合のいいように解釈して自分の立場を肯定するようになるんです。
それは同時に、上司や先輩のただの八つ当たりも肯定してしまうことになりますので、自分が上司や先輩の立場になったときに八つ当たりできる言い訳になってしまうわけです。
そうやって悪しき社風は下へ下へと受け継がれていってしまうわけですね。
まずは自分がお手本になる
先に申し上げた通り、後輩というのは先輩の物真似で育っていくものです。
自分の頭で考えることができる後輩に育って欲しければ、自分の頭で考えて行動することができる自分を見せること。一回で覚えられる後輩に育って欲しければ、一回で覚えられる自分を見せていくこと。
自分にできないことは決して後輩に強要しないように。
「使う」のは先輩や上司!
後輩を自分の都合のいいように使おうなんて思わないでください。
使うのは先輩や上司です、自分にできることは自分でやり、自分にできないことは先輩や上司を上手に使うこと。そして後輩のできないことは自分が上手に使われてあげることです。
仕事ができる人というのは例外なく先輩や上司の使い方が抜群にうまいんですよね。
後輩を自分の都合のいいように使おうと理不尽にキレたりすることは「私は仕事ができません」と自己紹介しているようなものなんですよ。