「男はずるい」子宮頸がんのウイルスはセックス時にこうやって感染する

「男はずるい」子宮頸がんのウイルスはセックス時にこうやって感染する

乳がん、子宮頸がん、卵巣腫瘍……こうした女性特有の病気が近年、20代、30代の女性の間で増えているそうです。

本日17時から再放送のAbemaTV「Wの悲喜劇〜日本一過激なオンナのニュース〜」では、「乳がん 子宮頸がん 卵巣腫瘍 女の病気と闘う!」をテーマにMCのSHELLYさんが、当事者のみなさんとリアルなトークを展開します。

ゲストには、元AV女優でタレントの麻美ゆまさん(境界性悪性卵巣腫瘍)、ブログ「おっぱいサバイバー」を運営するウェブデザイナーのChiraさん(乳がん)、漫画『元気になるシカ!』の著者・藤河るりさん(卵巣がん)らが登場。働き盛り、女盛りの20代、30代で病気を宣告されたことから始まった、“予想外の人生”を語り合いました。

この番組にコメンテーターとして出演しているウートピ編集長の鈴木円香が、専門家としてスタジオ出演された、新宿ミネルバクリニック院長・仲田洋美(なかた・ひろみ)先生に聞きました。

特に近年20代、30代の女性の間で急増している「子宮頸がん」。よく耳にする病気ですが、みなさん、この病気のこと、ちゃんと理解していますか?

原因のウイルスはペニス表面にもいる

——番組では、前回取り上げた乳がんの他にも、卵巣腫瘍、卵巣がん、子宮頸がんの経験者が登場しました。特に印象的だったのが、子宮頸がん(正確には、その一歩手前の異形成)の経験者の松永友里香さんが、担当医から言われたという「女の人に病気をうつしといて、男はずるいよね」という言葉でした。そもそも子宮頸がんはどういうメカニズムで発症するんですか?

仲田洋美先生(以下、仲田):子宮頸がんは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスが原因で発症します。HPVは性交渉によって男性からうつされて発症するんです。主治医の方が「男はずるいよね」と言ったのはその意味ですね。男性はウイルスを持っていても何も体に害がないんです。ごく稀にがんを発症することはありますが。

女性も、性体験のある人のうち約8割がHPVに感染していると言われていますが、ほとんどの場合、免疫機能がウイルスを排除してくれるので、がんになることはありません。ただ、何らかの原因で排除されずに長期にわたり感染すると、子宮頸がんになってしまうケースがあります。

——実は、私はHPVが性交渉によってどのように感染するのか、番組内で先生とお話するまで知りませんでした。コンドームでは感染を防止できないんですよね?

仲田:最近報告された海外の研究では、男性の約60%がHPVに感染していて、調査したサンプルのうち10%の精液にHPVが含まれていました。また、HPVはペニスの皮膚表面にもいて、そこから女性の体内に入るためコンドームでは感染を防止できないんです。

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自覚症状があってからでは遅い

——子宮頸がんの予防に関しては、数年前からワクチン接種に関して賛否両論がありました。実際のところはどうなのでしょう。

仲田:子宮頸がんワクチンは、性交渉を経験する前の小学校6年生から高校1年生の女の子が接種するものですが、副作用をめぐって訴訟問題が起きたこともあり、厚生労働省が「接種の勧奨」を中止し、接種率が大幅に下がっています。

しかし、どのワクチンでも副作用は必ずあります。私は医師として、子宮頸がんワクチンは受けるべきだと考えています。自分の子どもたちにも受けさせましたし。最終的には、個人がきちんと情報提供をされたうえで自己決定すべき問題ではありますが。

——今回番組で取り上げた“女の病気”の中では、特に子宮頸がんの患者さんが増えているそうですね。

仲田:はい。実は子宮頸がんは子宮体がんと共に「子宮がん」の一つなのですが、子宮体がんが40代以降の閉経前後に多く見られるのに対して、子宮頸がんは20代、30代での発症が急増しています。

——経験者の松永さんも、下着についた「ほんの小さな点みたいな血痕」を見つけて受診、「もし、あの時、あのシミに気づかなかったら……」とおっしゃっていました。初期症状はどんなものがあるのでしょうか?

仲田:子宮頸がんには初期症状がほとんどないので、気づきにくいんです。不正出血やおりものの異常、下腹部の痛みなどが感じられるようになる時には、病状が進行しています。

——自覚症状が出てからでは遅いんですね。子宮頸がんの検査は、各自自治体も無料のものを提供していたり、会社の健康診断にもオプションで受けられるようになっていたりするので、20代、30代こそ受けた方がいいですね。

名前だけはよく聞くけど、実際どんな病気かよく知らない「子宮頸がん」。「自分は大丈夫」と思っていても、意外に身近な“女の病気”は他にもいろいろあります。本日再放送の「Wの悲喜劇」で展開される悲喜こもごもの女子トークをぜひご覧ください。

(ウートピ編集長・鈴木円香)

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■番組情報
『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』
男子は見なくて結構! 男子禁制・日本一過激なオンナのニュース番組がこの「Wの悲喜劇」。さまざまな体験をしたオンナたちを都内某所の「とある部屋」に呼び、MC・SHELLYとさまざまなゲストたちが毎回毎回「その時どうしたのか?オンナたちのリアルな行動とその本音」を徹底的に聴きだします。「そんなことテレビで言っちゃっていいの?」…いいんですAbemaTVですからタブーに挑戦します。
放送日時:2017年5月28日(日)17:00 〜 18:00
放送チャンネル:AbemaNews
視聴予約

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