自己流の美容習慣を見直す「30歳からの美常識」。第9回目のテーマはハンドケアについてです。用賀ヒルサイドクリニック院長の鈴木稚子(すずき・わかこ)先生にハンドケアについて聞きました。
「実年齢より見た目年齢が若い人に共通した特徴があります。それは手が老いていないこと。首から先は、顔の一部だととらえれば、ハンドケアに対する気持ちが変わるかもしれません。自己流でも十分なので取り入れやすいケアを始めましょう」(鈴木先生)
ネイルの付けっぱなしはダメ?
今回も、ついやってしまいがちな習慣をピックアップしました。
□ハンドクリームはべたつくのでつけない
□日焼け止めをつけない
□ジェルネイルをしているがキューティクルオイルをつけない
□通年でジェルネイルをつけている
・ハンドクリームはべたつくのでつけない→△
習慣づいていない人に、毎日ハンドクリームをつけましょうと言っても、おそらく続きしませんよね。自分なりのタイミングで、続けられる方法でこまめに塗布するのをおすすめします。
タイミングは、特に気にせず、いつでも塗りたいときに塗布すればOKです。就寝前・手を洗ったら・食器洗いをしたらなど、自分が塗りたいときに使うようにしてみましょう。
・日焼け止めをつけない→△
手は常に紫外線にさらされていますから、できれば日焼け止めを使ってほしいというのが皮膚科医としての見解です。しかし、手が濡れるたびに日焼け止めをつけるのは、手間がかかりすぎて現実味がありません。
・ジェルネイルをしているがキューティクルオイルをつけない→×
爪も乾燥することを知ってください。体調が優れないときに伸びた爪は、縦じわや横じわが入って、がたがたしてしまいますよね。キューティクルオイルは浸透性があるので、皮膚の下にある、これから生えてくる爪・皮母(そうぼ)からケアすることができます。ジェルネイルをしていない人でも、ぜひ毎日オイルをつけてあげてください。きっと指先の若返りを感じることでしょう。
・通年でジェルネイルをつけている→×
できれば、最低1ヵ月は間をとって、爪を休ませてあげたいですね。サロンでの施術内容にもよりますが、爪が弱くなってしまい、二枚爪・ささくれが日常化してしまう可能性が高くなります。指先がキレイになっていると、女性は嬉しいものですが、本来の爪の美しさに着目してあげてもよいかもしれません。
年齢は手にあらわれる、って本当ですか?
ずばりお答えします。本当です。シミができてしまった手の甲は、美容の施術でシミをとるなど、外科的な要素が高くなってきます。加齢とともに低下するコラーゲンの量や、無理なダイエットにトライした結果、体重の増減が手の美しさに影響することもあります。
やってはいけないハンドケア
爪の根元部分に、半月のような白い部分が見えるのが健康的な爪だと思い込んでいる人がいます。実はほとんどの人は、半月がみえていなくても健康な爪を保っているのです。半月が見えるところまで甘皮を剥いてしまったりすることで、健康な爪が育つのを阻害してしまうことがあるので、気をつけましょう。
また、男性に多く見られるのですが、深爪はよくありません。爪が短い方が清潔感があるように思えてしまうようですが、爪本来の目的・指先をケガから守るという目的が阻害される可能性があるからです。
毎日できるハンドケア、まずはここから
水仕事の多い女性なら、必ずゴム手袋を! ここで注意したいのが、自分でも気付かないうちにラテックスアレルギー(ゴムアレルギー)になっている女性がいるということです。医療用でも、アレルギーフリーの手袋が存在するので、そういったものを取り入れるのもひとつの手です。自分が手袋を使い忘れないように、数ヵ所に常備しておくのもいいかもしれません。
油分も水分も必要なのが爪です。これから冬にかけては乾燥シーズンの到来で、ハンドケアに力を入れたい時期になります。やりやすい方法で、ケアを取り入れてみてくださいね。
(パツワルド敬子)