人と会うとき、時間や場所、何を着るかは気にするけれど、「どんな眉」にするか意識したことはありますか?
「似合うことはもちろん、自分を演出する眉の描き方がある」と話す、美眉アドバイザーの玉村麻衣子(たまむら・まいこ)さん。
前編では、「眉頭を制するものが眉を制す」と眉を整えるときのポイントについて教えていただきました。後編では自分を魅力的に見せるための眉の描き方を聞きます。
眉メイクは時間と場所で使い分ける
——眉メイクに苦手意識を持ち続けたまま大人になってしまいました。そもそも直線型やアーチ型など、どんな眉が自分に似合うのかわかりません。
玉村麻衣子さん(以下、玉村):眉のデザインは、自分に似合うかどうかも重要ですが、“どんな雰囲気を演出したいか”。例えば、意志が強く凛とした印象にしたいなら、直線眉。親しみやすく女性らしい雰囲気を目指すならアーチ眉の方がおすすめです。
さらに、時間帯によって眉の濃さや描き方を変えられたら上級者。明るい日中は、自然光の下で映えるような清潔感のある明るめのメイクに合わせて眉も描きすぎずナチュラルに。夜に白熱灯などのムーディーなダウンライトの下で食事をするときなどは、薄すぎると眉が光でとんでしまい、表情がぼやっと見えてしまいます。そこで眉の輪郭をしっかりめに描いて存在感を出すのがオススメです。
——形だけじゃなくて濃さも大事なんですね。
キレイを作る道具選びのポイント
玉村:それでは実際に描いていきましょう。道具は、最低でもペンシルとパウダーを使い分けるようにした方がいいですね。それぞれの選びかたも簡単に紹介させていただきます。
眉ペンシルは、芯がやわらかく、先が細めのもの。そして、スクリューブラシがついていると便利です。アイブロウパウダーは、眉尻や眉中に使える濃い色と眉頭やノーズシャドウとして使える明るい色の2色以上入っているもの。また、付属のブラシが柔らかいものとコシがあるもの、2種類付いていると描き方のバリエーションも広がります。
ペンシルもパウダーも髪に近い色を選ぶとバランスが取れ、自然に仕上がりますよ。
もう一つ足すなら、眉尻をキュッと描ける細めで持ち手が長いアイブロウブラシを一つ持っておくと便利です。パウダーについている付属のブラシでももちろんいいのですが、持ち手が長くなるだけで驚くほど描きやすくなり、仕上がりも変わります。ではまず、いつもの感じでペンシルのみで描いてみてください。
——はい。……できました!
玉村:では反対側は私が描きますね。ペンシルで描いて、その後にパウダーを使います。眉尻はペンシルでキュッと細めに描くのがポイント。眉尻が細いと横顔がきれいに見え、清潔感もUPします。眉中や眉頭はパウダーを使用すると自然に仕上がるのでオススメ。眉頭はパウダーをのせたあとにスクリューブラシで鼻側に数回ぼかすと自然に仕上がります。
うっかりしがちな下のラインを丁寧に
——わぁ!さっと描いただけなのに、全然違う。
玉村:眉尻をキュッと細くすると洗練された印象になりますよね。眉尻がボサっとしていると野暮ったい感じになります。また、うっかりしがちなのが眉下のアウトライン。ここの線がガタガタしていると、だらしなく垢抜けない雰囲気になってしまいます。
——なかなかうまく描けないんですよね。
玉村:そんな時は綿棒の出番。太くなったりガタガタになったりしたら、不要な部分を綿棒で取り去ります。鉛筆を持つように綿棒を持ち、サッと一度で取り去ります。綿棒を使うと気に入るまで何度も描いたり消したりをくり返さなくても簡単に美眉に近づきますよ。
心の持ちようまで変わる
——眉を変えると気持ちも変わる?
玉村:変わります。眉だけではないのですが、脳と表情筋には密接な関係があると言われています。例えば、嫌なことを考えている時に、笑っている人はいませんよね。眉間にしわを寄せている人は難しいことを考えていることが多いです。逆に、楽しいことを考えている人は顔がちょっとにやけている人が多いかと思います。脳と表情筋がつながっているので、考えていることはそのまま表情に表れる傾向にあります。
——自信のない眉を描いていたら、自信が持てなくなってしまう?
玉村:それもあると思います。でも逆に言えば、なりたい自分に近い眉を描くことで、脳がそういう自分を認識して考え方も変わる。強めの眉毛を好んで描いていたら、積極的になれたり、自信を持てたりする。そこで私は、スポーツ選手に「闘争心に火をつける眉」や「高いモチベーションを続ける眉」などのアドバイスをすることもあります。
自分に自信がつけば、表情や振る舞いも変わります。心の持ちようが変われば素敵な出会いや仕事のチャンスにもつながるのではないでしょうか。ぜひ今こそ眉メイクを見直してほしいと思います。
【1】眉メイクの道具選びのポイントを覚えておく
【2】眉尻はキュッと細めに描くと横顔美人に
【3】理想の自分がどのような眉をしているかイメトレする
(ウートピ編集部・安次富陽子)