仕事おわりに時々ご飯に行く同僚がいるのですが、自虐癖があって時々もやっとします。この前、いつものように同僚と会社の近くで飲んでいたら、同僚の知人らしき人に偶然会いました。久しぶりに会う彼に対して、ここ数年で太ったことを自虐した同僚が開口一番「今この子(私)と比べたでしょ!」「目線がそうだったよ!」と言って相手を笑わせようとしていて……。私はその彼と初対面なので、どんなふうに反応していいか分からず、彼も若干戸惑っていました。
くだんの同僚は仕事中の雑談でも自虐することがあるのですが、上司とか後輩とか第三者が絡むと決まって私を巻き込んできます。自虐は彼女なりのコミュニケーション方法なのかもしれないですが、やるなら他人を巻き込まないで一人で勝手に自虐してくれよと思ってしまいます。「他人を自虐のダシに使うな」と。本人にやんわり伝えるにはどうすればよいでしょうか?
自虐をする人=気軽にいじってはいけない人
自虐癖のある人は、自虐するくらいだから自尊心は低めだと思われがちなのですが、実はプライドが高い傾向にあるんですよね。
例えば、自分の体形を自虐して笑いに変えている人がいたとして、自虐しているくらいだから「いじってもOK」と思いがちじゃないですか。
そこでうっかりその人の体形をいじってしまうと、その人の逆鱗(げきりん)に触れてしまうケースが多いのです。
きっちりと怒りを表現して分かりやすい反撃をしてくる人ならまだ扱いやすいのですが、めんどくさいケースになると顔では笑って心で泣いて、陰で恨みを募らせ隠密に反撃のチャンスを窺(うかが)うアサシンタイプもいますからね。
自虐キャラからいじられキャラになって密(ひそ)かにプライドを傷つけられている人が多いイメージです。
自虐というのは一種の自己防衛でして「笑われる前に笑わせてしまえ」という心理作用が働いているもの、笑われたくないから笑わせる側に回って自虐しているのであって、つまりプライドが高い傾向にある人ほど自虐で自己防衛するということですね。
決して「いじってもOK」というサインではなく、むしろ気軽にいじってはいけない人だと思っていただければ幸いです。
自虐癖のある人が恐れていることは…
自虐って、べつに面白くなくてもなんとなく笑ってしまうんですよね。
自虐を否定するのもなんだか空気を乱す気がして苦笑いでお茶を濁している感じ。
「笑わなければいけない」という空気をつくることに長けているのも自虐する人の特徴ですから、その笑いの約8割はただの愛想笑いであり、ウケているというわけでもないんです。
自虐癖のある人が最も恐れているのは、自虐を否定されてしまうこと。
「そんなことないよ! 自信を持って!」と言われることを最も恐れています。
自虐を否定してしまえば、いわばそれは肯定ですから怒ることもできないし、自己防衛のためのバリアも張ることができないので一気に丸腰になります。
自虐が鬱陶(うっとう)しく感じる人に対しては、自虐を否定して肯定してしまうこと。
たとえその人が万人が認める太っている人であっても、太っていることを自虐したら「あなたは太ってなんかいないよ!」と言い切って(食い気味で)笑わなければいけない空気をつぶして差し上げましょう。
笑えない自虐なんて恥をかくだけですからね。
プライドが高い傾向にある人なら必ず恥は避けるようになるはずです。
「褒める」という技術って、こういう場面で使うものなのですよ。