「人生 100 年時代の健康とフレイルに関する調査 2022」第3回

約9割が健康維持・向上のために行動。具体的な取り組みは?

約9割が健康維持・向上のために行動。具体的な取り組みは?

このたび、健康総合企業の株式会社タニタが、「人生 100 年時代の健康とフレイルに関する調査 2022」を実施し、全国の40歳以上の男女2,500人から回答を得ました。

医学・医療の進歩により、日本人の平均寿命は延びたものの、平均寿命と健康寿命には大きな開きがあることがわかっています。人生100年時代を「健康に」生きることは、現代人の課題ともいえるのです。

タニタの調査の結果、大多数の人が、いつまでも元気で健やかに過ごせるように、健康に資する何らかの取り組みや生活習慣を実践していることがわかりました。(この記事は、全3回の第3回です)

9割近くの人が健康維持・向上のために行動している

タニタはまず、調査対象となった男女に、「健康維持・向上のために取り組んでいることはあるか」と質問。その結果、「取り組んでいることがある」は89.1%、「取り組んでいることはない」は10.9%となりました。

年齢別にみると、「取り組んでいることがある」人の割合は、65~69歳が最も多く93.2%。70~74歳(92.4%)、75歳~79歳(95.2%)、80歳~84歳(95.0%)もそれぞれ9割を超えました。

続いて「取り組んでいることがある」と答えた人(2,228名)に、取り組みの具体的な内容について聞いたところ、「健康診断を定期的に受ける」が60.2%で1位。定期的に受診することで、自身の健康状態を確認したり、生活習慣病をはじめとしたさまざまな病気の予防や発見、治療に役立てたりしている人が多いことがうかがえます。

体重は肥満をチェックする指標のひとつ

また、健康や運動について「日頃から測定しているものはあるか」全回答者に聞いたところ、「測定しているものがある」は82.2%、「測定しているものはない」は17.8%となりました。

年齢別にみると、「測定しているものがある」人の割合は、40~44歳が72.0%で最も低く約7割にとどまりました。

「測定しているものがある」と答えた2,055人に、日頃から測定しているものを聞いたところ、「体重」が79.3%で突出。身長に対して体重が多過ぎると、生活習慣病につながる「肥満」である可能性が高いとされており、体重は肥満をチェックする指標のひとつとされています。

デバイスで「睡眠状態」や「筋肉量」などのデータ測定も

40代からは肥満が問題となる一方で、筋肉量に個人差が出てくる時期です。体重が軽すぎる「やせ」の範囲に入る場合は、生活に必要な筋肉が少なく、栄養や運動が足りず、加齢とともに筋肉が減少している恐れがあります。

体重・体脂肪の増加とともに、体重や筋肉量が減少していないかをチェックすることは人生100年時代の健康づくりに役立ちます。

次いで高かったのは、「血圧」(54.5%)、「歩数」(50.6%)、「体温」(41.9%)、「体脂肪率」(29.1%)でした。また、「歩行距離」や「歩行時間」といった日常の活動量のほか、「睡眠状態」「内臓脂肪レベル」「筋肉量」「基礎代謝量」といった自身の感覚ではつかみにくいデータを測定している人も少なくないようです。

生活習慣の見直しで「フレイルサイクル」を断ち切る

「フレイルにならないために行いたいと思うもの」という質問には、「栄養バランスの良い食事をとる」が65.2%と最も高くなりました。

次いで「1日3食とる」(62.2%)、「ウオーキング」(59.9%)、「たんぱく質をとる(肉・魚・鶏卵・豆類など)」(53.2%)、「カルシウムをとる(牛乳・小魚・大豆など)」(48.0%)という結果に。

食生活を見直したり、適度な運動を取り入れたりすることで、フレイルの悪循環を意味する「フレイルサイクル」を断ち切り、フレイルを予防したいと考える人が多いようです。

男女別に見ると、「たんぱく質をとる」「カルシウムを摂る」「人と会う・社会との接点を持つ」「ビタミンDを摂る」「ストレッチ」の5つの項目では、男性に比べて女性のほうが10ポイント以上高くなりました。

フレイルになっても健康に戻れる可能性はある

フレイルは、適切な対応を取ることで元の健康な状態に戻れる可能性があること(可逆性)が特徴。つまり、早めにその兆候に気づくことが、予防や改善につながります。

一方で、栄養や口腔機能、身体活動、社会参加のいずれかが低下することで、からだ全体の衰えが加速する「フレイル・ドミノ」が起こる恐れがあります。

人生100年時代をいきいき暮らすためには、意識的に身体を動かしたり、社会とのつながりをできるだけ多く持ったりすることが大切。そのベースとなる生活習慣を、早めに築いていきたいですね。

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