伊藤健太郎さんインタビュー後編

伊藤健太郎ポジティブさの理由「つらいときこそ、逆にいい!!」

伊藤健太郎ポジティブさの理由「つらいときこそ、逆にいい!!」

9月4日(金)に公開された映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』(藤井道人監督)は、中学生のつばめ(清原果耶)が体験する、不思議なひと夏の物語。桃井かおりさん演じる“星ばあ”との出会いや、家族の変化を通じて、葛藤しながらも成長していく少女の姿が描かれています。

伊藤健太郎さんは、つばめが憧れる隣家の大学生・亨を好演。インタビュー後編となる今回は、自分が成長していくために必要なこと。すこやかな心身を保つために心掛けていることを伺いました。伊藤さんのポジティブマインドがあふれています!

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「やらないほうがいい」と言われても、自分で失敗してみないと学べない

——今作は、つばめや亨、星ばあたちがさまざまな出来事を通じて変化していく物語とも受け取れます。伊藤さんは、ご自身が変化したり成長したりしていくためには、どんな要素が必要だと思いますか?

伊藤健太郎さん(以下、伊藤):「失敗」ですかね……。僕、失敗して気づくことが多いんです。失敗する前に気づけたら一番いいのかもしれないけど、失敗してみないとわからない。周りからどれだけ「これはやらないほうがいいよ」って止められて、自分でも「やらないほうがいいんだな」と頭ではわかっていても、やってみて「やらなきゃよかった」って後悔しないと、本当の意味で理解できない気がするんです。

——体感しないと納得できないタイプなんですね。

伊藤:周りの大人たちは、よく「俺らはたくさん失敗してきたから、その失敗を避けて進んだほうがいい。わざわざ失敗する必要はないよ」って言ってくれるんですね。それでも腑に落ちなくて、「失敗しなきゃわかんないこともあるでしょ」って思っちゃうのが僕の性格。回り道するから時間はかかるけれど、いろんなことを少しずつ学んでいると思っています。

——最近は、どんな失敗をして、どんな成長をしましたか?

伊藤:そうですね……。瞬間的な失敗というより、時間が経って失敗に気づくことが多いんですよね。仕事が終わった瞬間には、自分がそのときにやれることはすべてやったつもりでいるし、後悔するようなことはありません。なのに、あとで作品を見返すと「ここはこうじゃないだろ!」「ひどいなこれ……」とかって反省することが出てくるんですよね。

——それは伊藤さんが、つねに成長している証でもありますね。

伊藤:だといいんですが(笑)。でも、自分が出ている作品を順番に並べたとして、「このときよりは良くなっている」「さらに次のほうがまた少し良くなっている」みたいなことの繰り返しな気がします。正解やゴールはたぶんないんだろうし、ゴールしたと思っちゃったら、きっと引退するタイミング。だから、失敗とか悔しい思いを重ねて、前に進みたいとは思っています。

劇中より

劇中より

「素でくつろげる場所」と「究極のポジティブワード」ですこやかに

——いろんな失敗や経験を積み重ねたうえで、人生をどういうものにしていきたいと思いますか?

伊藤:とにかく楽しくいきたいです。何においても、それが僕のモットーですね。仕事にしろ遊びにしろ、楽しくないと何も続かないんですよ。もちろん「しんどいけれど、そのぶん先が楽しみ」みたいな場合もある。楽しいことは楽しく、つらいことでも楽しく感じられる感覚を忘れずにやっていきたいと思います。

——どんなことでも楽しく感じるには、まず心身がすこやかじゃないと難しそうです。すこやかでいるために、人間関係で大切にしているポイントなどはありますか?

伊藤:僕を「俳優・伊藤健太郎」じゃなくて「ただの伊藤健太郎」として見てくれる場所は、とても大事にしていますね。よく一人で飲みに行くお店があるんですけど、そこには40代、50代のかっこいいおっちゃんたちがいっぱい来るんです。そういう方々は、最初に「普段は何してるの?」「役者やってます」なんて会話をしても、そのあとはまったくそういう話をしなくて。あとから聞いたら「ドラマ出てるの知ってたよ」なんて言われたりするんだけど、黙っていてくれるから、僕も素の自分でくつろげるんですよね。

——みなさん優しいです。それにしても、伊藤さんは飲み屋さんでお友達をつくっちゃうタイプなんですね。

伊藤:同じ空間で5分飲んだら、もうみんな友達だと思っちゃうところがあるんです(笑)。でも、人生のなかでは役者でいる時間のほうが長いから、本当の自分自身に戻れる時間は貴重。そのお店にいるときや地元の友達と過ごすときは、役者の自分を全部ゼロにできるから、うれしいんです。

——考え方の面ではいかがでしょう。なんでも楽しく感じられる心をつくるために、なにか心がけていることはありますか?

伊藤:すごくしんどいことがあったら、一回バカになる!(笑)。スイッチを切って“無”になると、いい意味ですべてがどうでもよくなるんです。現状をちょっと冷静にとらえられたり、そんなに悩まなくてもいいかなって思えたりするというか。

それから「逆にいい」という言葉を大切にしています。もう、胸に大きく入れ墨で彫りたいくらい(笑)。めちゃくちゃイヤなことがあったとしても、心の中で「逆にいいー!」と叫んだら、どうしていいかの理由を探しはじめられるんですよ。たとえば僕、こないだ財布を落としたんですね。でも、それも“逆にいい”。「これから起こる悪いことを財布が全部持っていってくれたのかも」「新しい財布を買うのは楽しいぞ」などと思えば、気持ちが楽になります。本当に、この言葉はおすすめです!

——確かに、すぐできて誰でも前向きになれそうです。ちなみに、お財布は見つかりました?

伊藤:見つかってません……。他の仕事の現場でも財布を落としたエピソードをいっぱい話したんですが、最後まで出てこなくて。でもその失敗を糧に、それからは自分の持ち物にすごく気をつけるようになりました! これも成長です!(笑)

■映画情報

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『宇宙でいちばんあかるい屋根』
©2020『宇宙でいちばんあかるい屋根』製作委員会
9月4月(金)より全国公開中
配給:KADOKAWA

(取材・文:菅原さくら、撮影:青木勇太、編集:安次富陽子)

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