『老いる自分をゆるしてあげる。』上大岡トメさんインタビュー 第2回

ネガティブ思考全開になったら、カラダを動かす

ネガティブ思考全開になったら、カラダを動かす

『キッパリ!』などの著書を持つ、上大岡トメさんの新刊『老いる自分をゆるしてあげる。』(幻冬舎)のインタビュー。

第2回は著者である上大岡トメさんの、身体と心のバランスの保ち方、ネガティブ思考からの脱出方法をお聞きしました。

画像提供:幻冬舎

画像提供:幻冬舎

ネガティブ思考全開のときは、思い切り身体を動かす

——前回は身体の変化についてお聞きしましたが、心身は切り離せないもの。体調を崩すとやはり精神面にも影響しますよね。

上大岡トメさん(以下、トメ):それは間違いなくありますね。40歳で長期の風邪を経験して何を学んだかというと「心は身体に左右される」ということでした。体調不良だと本当にやる気がなくなります。

心が沈んでいても『キッパリ!』のポーズをするとやる気が出てくることはすでに身体でわかっていましたが、身体を整えておけば自然と心は引っ張られていくということを改めて実感しました。

——私は仕事のことを考えると眠れなくなってしまうことがあって、それをどうにかしたいのですが、精神的な健康を保つための具体的な方法を教えてください。

トメ:わかります。私も眠れないことありますよ。最近ちょっとうつっぽくて。まあ、自分でうつという人はうつじゃないと言いますけどね(笑)。

昨年末から著書の執筆が2冊同時に進行していたことで身体が疲れていたのか、まだ描き終わってもいないのに売れなかったらどうしようと、しょうもないことを考えてしまって……。寝つきは悪くないのですが、朝早くに目が覚めてしまう。そういうときはネガティブなことしか思い浮かばないんですよね。

——取らぬ狸の皮算用というか、自分でコントロールできないことに不安になってしまうことって多いですよね。そういうとき、トメさんはどうしますか?

トメ:運動してなるべく身体を疲れさせます。私は昔からクヨクヨ考えてしまうほうなので、「思考を止める」手段をできるだけ持とうと意識してきました。今はバレエですね。バレエの動きは本当に難しくて、踊っている間は他のことは考えられません。以前は柔道もそのひとつでした。乱取り(編集部註:柔道の練習方法。試合のように相手と取り組む)しているときは他のことは考えられない。

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人間の脳のデフォルトはネガティブ思考

——ネガティブなことを考える隙を作らないということですね。

トメ:そうそう。思考の大半は考えようと思って考えるのではなく、自然に考えてしまうもの。思考を止めよう、考えないようにしよう、と思ったところで止められるものではありません。こうして話している間も、「この後どうしようかな」とか「夜は何を食べようかな」とか、常にいろんなことがわーっと頭の中に流れてきます。それを止めるには違うことをするしかない。

——日々、思考を止めたいと思うことが多々あります。とくにネガティブなことほど考え出すと止まりません。

トメ:それは正常な思考だと思いますよ。本来、人間の思考はネガティブが基本だと言われています。なぜなら、生きるため。あそこに敵がいるとか覚えておかないと死んでしまう。自分に対して危険なことは覚えている。それは脳の仕組みとして人間に備わっているもので、それによって人類は生き延びてきた歴史があります。

——なるほど。ネガティブ思考が人間のデフォルトなんですね! それを知っているだけでもちょっと安心します。

トメ:この世に誕生したときから脳に組み込まれているのだから、ネガティブな自分に落ち込む必要はないと思えば、ちょっとラクになりますよね。

とはいえ、前向きになるためには、ネガティブ思考を止める手段を身につけておくことは大切だと思います。経験上、身体を動かすことが手っ取り早い気がします。

私の場合はバレエやヨガですが、その手段をなるべく多く持つことをおすすめします。思考を止めて頭が一旦白くなると、すごくすっきりするんです。すると、なんであんな細かいことで悩んでいたんだろうという前向きな気持ちになれる。

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いったん手放すってどういうこと?

——考えないことって難しいですよね。ヨガのレッスンでは最初に必ずインストラクターが「頭の中で考えていることをいったん全部手放しましょう」というけど、気がつくと何か考えてしまっています。

トメ:実は私はヨガのインストラクターでもありますが、同じように生徒さんに言っていますよ(笑)。でもそれが難しいことはわかっています。瞑想もそうですが、何もしていない状態で思考を止めるのは難しい。だから、ヨガでは難しいポーズをとるんです。

——そういえば、動きだしたらヨガ以外のことを考えなくなりますね。

トメ:そうでしょう? 難しいボーズを入れると、みなさんものすごい集中力でわーっと汗をかいて一旦思考が止まる。できるとかできないとかではなく、そこがポイント。難しいことをやって集中力を極限に持っていくことで、ネガティブ思考はいったん止まります。

(取材、文:塚本佳子、撮影:大澤妹、編集:安次富陽子)

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