階段を上ると息切れしたり、皮膚にしわが目立つようになったりと、自分の肉体の“老化”を感じている人も多いのではないでしょうか。
そんなときはついストレスのせいにしてしまいがちですが、実は、根本の原因は人間の体を構成している「細胞」の問題。疲労を感じやすくなったり、鏡を見て思わず老化を感じたりする陰には、「細胞の機能低下」が影響しています。
そこで現在、ポストアンチエイジングの潮流として注目を集めているのが「細胞再活性化」というキーワード。今回は、「細胞再活性化」とはどのようなものなのか、具体的にはどのようなことをすべきなのか、前後編にわたってご紹介します。
「老化」ってどんな現象? 細胞との関係は?
人間の体は、37兆個の細胞が集まって構成されています。そしてその細胞自体にゴミが溜まったり傷が付いたりすると、機能が低下し、身体的な不調を感じやすくなります。これがいわゆる「老化」です。
細胞の機能を低下させる外部刺激は、紫外線、汚染物質、ストレス、食生活の乱れ、新型コロナウイルスのような毒性ウイルスなど、さまざま。細胞は、こうした傷や遺伝子の変異、細胞内の部品が古くなる……など、毎日イレギュラーな事態にさらされているのですが、もともと備わっている“回復力”で元気を保っているのです。ここで言う“回復力”とは、具体的には「細胞内の新陳代謝」と「傷を修復する力」のこと。ただ、この2つの力は年齢とともに下がってしまうもので、そのために「細胞の機能低下」が起こる……というわけです。
細胞が全身に及ぼす影響とは?
では、細胞の機能が低下することで、具体的にはどのような影響が出るのでしょうか?
分かりやすいところでは、疲れやすさや運動量の減少、睡眠の質の悪化、無気力、記憶力の低下……などが挙げられます。また、細胞の機能低下により、代謝が落ち、内臓の機能も低下してしまうリスクも。さらにこうした状態が進行することで、糖尿病やアルツハイマー型認知症などの深刻な病気を引き起こしてしまう可能性もあり、細胞が肉体の健康に大きく関わっていることが分かります。
また、細胞の機能低下は、肌の老化にも影響しています。皮膚は当然、細胞でできているため、皮膚の細胞の機能が低下することでターンオーバーがうまくいかなくなり、しわやシミ、くすみなどが現れてしまう……というのがその理由。また、髪の毛も、毛根にある毛母細胞で作られているので、細胞の機能低下は「薄毛」や「白髪」などの形で影響してきます。
ポストアンチエイジングは“細胞再活性化”がキーワード
こうした悩みを解決するための手段の一つが「アンチエイジング法」ですが、従来のアンチエイジング法は、外部刺激や悩みの一つひとつに個別に対応するやり方が主流で、機能が低下した細胞については、課題として残されたままでした。
そこで、現在ポストアンチエイジングの潮流として注目を集めているのが「細胞再活性化」。刺激ごと、部位ごとに対処するのではなく、「細胞そのものに働きかけて回復力を高める」という方法で、根本から健康になるために、機能が低下した細胞を「再活性化」して元気な細胞に戻します。そのための方法が「細胞内の新陳代謝を上げる」ことと「傷の修復力を高める」ことで、この2つの“回復力”をアップさせることが「細胞再活性化」というわけです。
具体的には何をすればいいの? というわけで、後編では「細胞再活性化」を促すための具体的な方法をご紹介します。