休業中にもらったいろんな“励まし”で、プレッシャーが和らいだ
——すこし前線を離れたことで、仕事の見え方は変わりましたか。
よしこ:休業まではありがたいことに忙しくて、結果を出さなきゃっていう焦りもあったけれど、すこし休んで心に余裕ができました。たぶん、自信をなくしていた部分があったんですよね。お仕事が増えるにつれて、スベることもたくさんあるし……そんなの慣れていたはずなんだけど。やっぱり「このままで大丈夫なのかな」って感じる場面が増えていた。それが、現場を離れて客観的にテレビを見てみたら「まずは楽しくやればいいんだ」って思えました。
——打席が増えて、結果も求められるようになりはじめたからこそ、プレッシャーが強まっていたんですね。でも、お休みしたことですこし肩の力が抜けた。
よしこ:そうですね。周りの言葉にもすごく励まされました。ゆりやん(レトリィバァ)が電話で「“過信”はあかんけど“自信”はええねんでー」って言ってくれたんです。ものすごく努力しているゆりやんが言うからこそ、説得力があるんですよね。
先輩方からも、たくさん心配のご連絡をいただきました。とろサーモンの久保田さんなんて、私の連絡先を知らないはずなのに、わざわざ別の人から聞いて連絡をくれたんです。「大丈夫か? 人ごととは思えへんくてな」って……ちょっと強面ですけど、めちゃくちゃいい人なんですよ。心優しいモンスターみたいな(笑)。そういう、周りの人が心からかけてくれる言葉が、少しずつ私の自信のなさや不安を和らげていってくれました。
——映画でもお笑いでも、よしこさんの周りはとても温かいですね。それは、どうしてなんでしょう。なにか、ご自身が心がけていることはありますか?
よしこ:私、もともとはすごく恥ずかしがり屋なんです。でも、芸人ってみんなすごく素直なんですよ。イヤなことは「イヤ」、わからないことは「わからない」ってストレートに言う。そのなかにいると、私も素直に自分を出せばいいんだなと思えるようになって……いまは、わからないことがあったらなんでも聞くし、仲良くなりたい人にはうざいくらい話しかけるんです。そうやって、周りと人間関係ができていったのかもしれません。でも……。
——でも?
よしこ:結局は、周りのおかげ。私は人に恵まれているんです。そして、そう思って生きていると不思議なことに、もっと人に恵まれていく……そんなことを今とても実感しています。
全国ロードショー中
よしこさんヘアメイク:内藤森(DEXI) 、スタイリスト:石井玲子(DEXI)
(取材・文:菅原さくら、撮影:青木勇太、編集:ウートピ編集部 安次富陽子)