戸田久実さんに聞く、オンナのヨユウ 第2回

注意してもらえないことを不安に思う貴女へ 中堅世代の悩みはどう克服する?

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注意してもらえないことを不安に思う貴女へ 中堅世代の悩みはどう克服する?

年を重ねるごとに、経験を生かしてどんどん軽やかになる女性がいる一方で、「聞く耳を持たない先輩」や「頭の固い先輩」になってしまう女性も……。

30代は、後輩や部下も増え、仕事の責任も増していく世代です。一本芯の通った女性として、頑固になりすぎずに上手くコミュニケーションをとるには、どんなことに気をつけたら良いのでしょうか。

『働く女の品格 30歳から伸びる50のルール』(毎日新聞社)の著者で、アドット・コミュニケーション代表取締役の戸田久実さんに、働く女性が知っておきたい心構えについてうかがいました。

第2回は「注意してもらえない不安」への対処法を聞きました。

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【第1回】あいさつをしない後輩にも背景がある

注意してもらえない不安を克服するには?

——前回は、「面倒な先輩」と思われないためには、相手の価値観を受けとめる姿勢が大事だというお話をうかがいました。でも、やっぱりまだ不安が拭えません。

30代になり職場でも中堅に足を踏み入れていくにつれて、自分の振る舞いについては周りから注意される機会が減っていくように感じます。「あなたのこういうところが良くないよ」とか「もう少しこうしてみたら?」とかアドバイスをくれる人がいなくなっていく。そんな中で、自分の間違いに気付くにはどうしたらいいでしょうか?

戸田久実さん(以下、戸田):30代はまだ良い方で、40代、50代になると、もっと注意してもらえなくなりますよ(笑)。周りにいる先輩や同僚を思い浮かべてみてください。「この人は、多少耳の痛いであろうことも聞いてくれそうだ」と思うのは、どんな人ですか。

——うーん。対話ができる人や、注意やアドバイスに対して感情的に返さない人でしょうか。

戸田:つまり、意見に耳を傾け受け止めてくれる人ですよね。周りが「この人は、耳の痛いであろうこともちゃんと聞いてくれる」と思っていれば、いくつになっても指摘やアドバイスをもらえるようになると思います。

周りからの指摘は人格否定ではない

——指摘やアドバイスを受けたとき、つい反論しそうになってしまうことがあります。素直に受け止めたいとは思っているのですが……。

戸田:反発心が出てきてしまうんですね。でも、反論されると「言わなきゃよかった」「もうこの人には言わないでおこう」と、コミュニケーションを避けられてしまうと思いませんか。指摘やアドバイスを受けたときには「そうか、自分以外の人からはそういう風に見えていたんだね」「そういう意見もあるんだね」と、まず耳を傾けることが第一です。

——「あなたのこういうところは直した方が良いよ」と言われると、自分の価値観や人格まで否定されたような気持ちになってしまいます。

戸田:「あなたの人間性が良くない!」というのは言ってはいけない人格否定ですね。でも、たとえば「遅刻はしない方が良いよ。5分でも遅れると、進行が止まって、待っていたみんなが迷惑するんだよ」とか、「こういうときは、こんな言い方をすると相手も受け止めやすいと思うよ」とかだったら、指摘されているのは言い方や行動なわけで、そこに関して言われることについては、自分のことを全否定されたわけではないですよね。だから、そういう風に受け止めればいいんですよ。

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不完全な自分の長所と短所を受け入れること

——先ほどのお話は、指摘についても落ち着いて考えるゆとりを持ったほうが良いということだと思うのですが……。でも、どうしても指摘され弱いというか「否定された!」ということに神経が集中してしまう人もいますよね。私も「30代にもなって、まだこんなことを指摘されている自分って……」と落ち込むことがあります。

戸田:私は、指摘されやすい人のほうが得だと思っています。だって、陰で「あの人ってやっかいだよね」と言われてしまうよりずっと良いじゃないですか。人間、何歳になっても完璧ではありません。私はいま51歳ですが、30代、40代、50代と、その年代には年代なりの不完全さがあるんです。私も「私は40代にもなってこんな仕事も満足にできないのか」と悩んだことがありましたよ。

30代なんて、完璧ではない自分と向き合わなければいけない瞬間が多々ある世代です。ただし、私がいつも言っていることですが、不完全な自分を認めるということは「私はダメ人間だ」とレッテルを貼ることではありません。不完全な部分はもちろんありますが、その分、できていることもたくさんあるはずなんですよ。

——確かに、近頃は仕事でも「向いている分野」「得意なプロジェクト」を任せてもらうことが増えてきました。

戸田:数字を読むのが好きな人もいれば、何を表す数字なのかさっぱり読み取れない人もいる。私のように人前で話すことが得意な人もいれば、一人で黙々と作業をすることが向いている人もいる。

どっちがいい悪いじゃなくて、人間は誰しも、できることや能力的に優れていること、いままで生きてきた中ですごく頑張って身につけてきたものがあります。もちろん、どう頑張ってもできないこともわかってくる年代ですよね。持って生まれた、引き受けなければいけない短所。それらを全部ひっくるめて、ありのままの自分を受け入れることは、とても大事なことです。

——自分のダメな部分と向き合うのって、しんどいことだと思います。どういう気持ちで向き合えばいいんだろう……。

戸田:「ダメなところがあってもいい」と思っていいんです。そして、「そのぶん、視点を変えれば良いところがある」って気づけたらいいのではないでしょうか。

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(取材・文:むらたえりか、写真:青木勇太)

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