汗ばむ日も多くなってきました。夏はもうすぐそこですが、この季節に気になるのは湿気。
部屋に除湿機を置いて部屋干しをする人もいると思いますが、リビングやベッドルームに置くなら家電といえどもオシャレなモノを置きたい、いや、家電だからこそ自分のライフスタイルに馴染むこだわり抜いたモノを置きたい、と思っている女性も多いのではないでしょうか。
そこで、注目されているのが「cado(カドー)」という日本発の家電メーカーの除湿機。オシャレなスーツケースのようなカタチが特徴のカート式で、女性でも楽に移動させることができます。
そのほかの空気清浄機や加湿器を見ても「外国製?」と思ってしまうようなオシャレでエッジの効いたデザインが並びます。
大人の女性の間で注目のブランド「cado(カドー)」。取締役の小澤拓さんに話を聞き、女性の心を惹きつけている理由を探りました。
なぜカート式なの?
——除湿機、すごくオシャレですね。最初スーツケースかと思いました。
小澤:よく言われます(笑)。実はカート型になっているのは「オシャレ!」だけではない理由があるんです。見ての通り、ハンドルとキャスターを搭載しているので持ち運びがしやすいんですが、なぜ持ち運びのよさにこだわっているのかわかりますか?
——リビングとかベッドルームに持って行きやすいから?
小澤:それもあるんですが、除湿機って吸った水を捨てる排水が必要ですよね。でも水って重いので排水だけでも大変だと思うんです。カドーの除湿機はハンドルを持ち上げて水を捨てるところまで簡単に持っていくことができるので楽なんです。
——確かにそうですね!女性にとっては嬉しいです。そういえば加湿器もユニークなカタチですね。長い筒が煙突みたいです。
小澤:加湿器も細長い筒の形がユニークだねとよく言われるんですが、あの筒にもちゃんと理由があるんです。
日本の家屋の天井は約2.3メートルなんですが、ミストの高さを2.1メートル程度にするために筒の長さをデザインして天井が濡れずに加湿ができるように計算しています。背が高い理由は、上からミストを拡散することで部屋全体に湿気を行き渡らせるためです。
——なるほど。ただ「カッコイイ」とか奇抜さを狙っているというわけではないんですね。
小澤:もちろんデザイン性が高いことも追求しているのですが、それだけではダメで使っていただく方がどんな生活をしているのか? どんなライフスタイルを送っているのかを具体的にイメージして製品に落とし込むようにしています。ユーザビリティーをとことん考えた上でのデザインを追求しています。
「女性向け」は意識していない
——デザインといえば、よくメーカー側が「女性向け」を意識して製品を開発するあまり、なぜか女性ユーザーのニーズと合わずにダサくなっちゃう現象ってあると思うんですが、カドーはそうならないように意識している部分はあるのでしょうか?
小澤:うーん、そうですね。その“現象”は正直よく分からないのですが、とりわけ「女性向けデザイン」というのは意識していないですね。
——性別は意識していないと。
小澤:はい。ただ、結果的に当社の製品を実際に使っていただいているのは女性が多いのかなという印象です。特に加湿器は冬以外にも乾燥する場所があったり、オフィスでも空調が当たる場所があったりするので、美容の観点から実際に購入しているのは女性が多いのかなと。
——女性向け、男性向けとカテゴリ化すること自体「ダサい」のかもしれませんんね。
小澤:いいモノが欲しい、価値があるモノが欲しいという部分に男女の区別はないと思っております。
国産メーカーが熱い理由
——カドーが日本のメーカーと聞いて驚いたのですが、最近、国産の新興メーカーが存在感を発揮しているなと思っています。他社の製品ですがトースターや炊飯器などを製造するメーカーも話題になりましたね。そちらも国産メーカーと聞いて驚きました。
小澤:かつて家電といえば、大手メーカーが作ったいわゆる“白物家電”が主流だったと思うんです。白いプラスッチックで作られた製品で、種類は少ないけれどたくさん生産されているという。
——確かに、大型の家電量販店にバーッと並んでいるイメージです。
小澤:これまではそういう「少品種大量生産」型が主流だったと思うんですが、今はユーザーの嗜好もバラバラになってきています。自分が納得するこだわりのモノが欲しい。「多品種少量生産」型になってきているのかなと思います。
——確かに雑誌やネットを見ていても値段は張っても自分のライフスタイルに合ったこだわりのモノが欲しいと考えている人は多いのかなという印象です。
女性も30代になれば一通りのモノを見て、経験して、「自分にはコレが合っている」とか「自分にはこの機能は必要ない」とか、自分のスタイルもちゃんと知っている。そういう感度の高い女性には尖った製品が好まれるのでしょうね。
小澤:そうですね。そんなふうにお客様のニーズが変わってきている中、どうしても大手メーカーだと自分たちの製品群を一気に変えることはできないという事情もあるのかなと。
しかし、我々のような新興メーカーは何かに特化することでお客様のニーズにはまる尖った商品が生み出せる。それが強みだと思っています。
空気清浄機で「尖った」理由
——カドーは初めての製品が「空気清浄機」ですね。そもそも空気清浄機で「尖ろう」と思ったきっかけは?
小澤:弊社の始まりはエンジニアの古賀(宣行代表取締役社長)が中国で起業したことにさかのぼるんですが、中国は大気汚染がひどくて社会問題になっていました。そこに「空気をキレイにしたい」という明確なニーズがあって、それを解決するために空気清浄機の開発がスタートしました。
——なるほど。でも日本は中国ほど大気汚染がひどくありません。日本で展開するにあたり不安というかリスクは感じなかったのでしょうか?
小澤:日本も西日本は黄砂がニュースになっていましたし、春は花粉症に悩ませられている方が多いですよね?
——そう言えば私も花粉症です。春先は特に悩まされます。
小澤:そうですよね(笑)。そのほか冬はインフルエンザもあって、空気や空間にこだわる一定層のニーズはあるなと思っていたのでハードルはあまり感じませんでしたね。
——ただ、空気清浄機はすでに他の大手メーカーも開発していますよね。そこにどう食い込んでいったのでしょうか。
小澤:空気清浄機といえば思い浮かぶ大手メーカーがいくつかありますが、彼らと戦うためには圧倒的なものを武器にしないと埋没してしまうという懸念はありました。そこで、空気清浄能力で世界最高を目指そうと、アメリカの最も権威のある認証機関で最高数値を取ることを目指しました。
正確に言うと、初代「カドー空気清浄機 AP-C700」が米国家電製品協会(AHAM)の定める「CADR(クリーンエア供給率)」で、世界最高値を日本のメーカーで初めて獲得したんです。「ナンバー1」と言い切れるのは強みだし、勢いもつきました。
——おおー! すごくカッコイイお話ですね。
小澤:ありがとうございます。
大切にしたいのは「ていねい」なモノ作り
——最初のお話に戻るのですが、カドーが外国のブランドかなと思ったのには理由があって、フランス語で「cadeau」という「贈り物」を表す単語があると思うのですが、そこからきているのかなと思ったんです。
小澤:鋭いですね。実は当たっています。日本の「華道」とも通じるところから「カドー」としました。スペルは「cado」に変更したんですが……。
——日本の心も大事にされているんですね。
小澤:そうなんです。ブランドポリシーとして「(技術+デザイン)×心=cado」を掲げているんですが、何かというと技術とデザインだけがあっても無機質な感じで物質的な豊かさ止まりになってしまうと思うんです。
その部分を越えていくために何が必要かというと、日本のモノづくりがあると思います。日本人は昔からていねいにモノづくりをしてきたというアイデンティティーがあると思うんですが、日本発のメーカーとしてその部分を大事にしていきたいと思っています。
ウートピ読者2名様にプレゼント!
今回お話を伺ったカドーさんから、ウートピ読者のみなさんへ、うれしいプレゼントをいただきました!
人気商品「カドー除湿器DH-C7000」と「カドー加湿器MH-C11U」&「フォレストウォーター」をそれぞれ1名様(合計2名様)にプレゼントします。
除湿器はカート型のフォルムがオシャレなだけではなく、排水も楽にできます。加湿器は、バッグに入れて持ち歩きたいポータブルタイプで、九州・大分の森から生まれたアロマブランド「六月八日(ろくがつようか)」とカドーが共同開発したオリジナルブレンドのアロマウォーターがセットです。
こちらのメールアドレス(wotopi_edit@ml.zappallas.com)に、①氏名、②住所、③欲しい商品を明記の上、記事やカドー製品への感想やメッセージを添えてお送りください。発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。※受付締切:2017年6月12日(月)まで
(取材・文:堀池沙知子、撮影:矢野智美)