このたび、株式会社ハルメクホールディングスのハルメク生きかた上手研究所が「シニア女性のファッション・美容に対する意識実態調査」をWebアンケートにて実施。40〜89歳の女性1,000人から回答を得ました。
調査の結果、おしゃれへの意欲は70代が最も高いと判明。また、40〜70代女性の約9割が、おしゃれに関する悩みを持っていることが明らかになりました。
40〜80代の女性の約半数がおしゃれに意欲的
シニアのインサイトについてさまざまな切り口から調査・分析を行っている、ハルメク生きかた上手研究所。「人生100年時代」ともいわれる中「おしゃれなシニア女性」がメディアやSNSなどで取り上げられることも増えてきました。
女性のファッション・美容にかけるお金や、おしゃれにおいて大切にしていることは、年代によってどのように異なるのでしょうか? また、コロナ禍や物価高による影響は見られるのでしょうか?
ハルメク生きかた上手研究所が、40〜89歳の女性1,000人を対象に実施した「シニア女性のファッション・美容に対する意識実態調査」によると、「おしゃれ意欲がある」人の割合は49.8%で、全体の約半数を占めました。
年代別のグラフを見ると、「おしゃれ意欲あり」と回答した人は、70代で60.5%、80代で54.5%を占め、40〜60代と比較しておしゃれへの意欲が高いことがわかります。
続いて、おしゃれ用品(洋服、スキンケア用コスメ、メイクアップ用コスメ、シャンプー、白髪染めの5品目)に使っている金額を尋ねたところ、全体の平均額は月9,407円でした。
おしゃれ用品に使う月の平均額を年代で比較した結果、最も高かったのは70代で10,742 円、80代で10,092円。一方、最も低かったのは50代で7,996円でした。
おしゃれで大切なこと1位は「清潔に見えること」
「おしゃれをする上で大切にしていること」を尋ねたところ、1位は「清潔に見えること」で56.7%。続いて、「きちんとして見えること(56.3%)」「似合っていること(51.8%)」が上位を占めました。
回答を年代別に見ると、40代、50代は「自分の気持ちが上がること」、60〜80代では「清潔に見えること」「似合っていること」を重要視しているとわかります。
次に「あなたにとっておしゃれとは何か?」を自由記述で聞いたところ、「おしゃれ意欲あり」と答えた人からは、「人生の楽しみ」「自己プロデュースの手段」「心身の健康につながるもの」などの回答が得られました。
一方、「おしゃれ意欲なし」と答えた人からは「お金がかかるもの」「もう卒業したもの」といった声が挙がっています。
約8割が「おしゃれに関して悩みがある」と回答
最後に、「おしゃれに関する悩みがあるか」を尋ねたところ、全体の約9割が、おしゃれに関して悩みを持っている実態が明らかになりました。
この項目では、「ファッション」「スキンケア・肌の状態」「メイク」「髪」の4項目いずれかについて、1つでも悩みがあるかどうか質問。結果を年代別に見ると、「おしゃれに関して悩みがある」と答えた人が最も多かったのは50代で89.0%でした。
次いで、40代の88.5%、70代の88.0%となり、最も少ない80代でも、「おしゃれに関して悩みがある」と答えた人の割合は75.5%を占めました。
おしゃれに関する悩みのうち、ファッションに関する悩みについて具体的に尋ねたところ、TOP3は「マンネリ化している(28.2%)」「欲しい服の金額が高い(15.8%)」「自分に合うものがわからない(15.2%)」という結果に。
また、メイクに関する悩みのTOP3は、「メイクをするのが面倒(23.8%)」「うまくメイクできない(18.7%)」「マンネリ化している(18.5%)」でした。
気持ちを「上げる」より「奮い立たせる」

ハルメク生きかた上手研究所所長の梅津氏
今回の調査結果を受け、ハルメク生きかた上手研究所所長の梅津順江(うめづ・ゆきえ)氏は、「おしゃれ市場は70代以上女性にこそ商機あり」と総評。次のようにコメントしています。
「おしゃれ欲は40〜50代女性より70〜80代女性が強い、という意外な調査結果でした。40〜50代よりも70〜80代の方が「おしゃれ」と認識しています。
おしゃれにお金をかけるのも70〜80代で、月平均1万円以上をおしゃれに費やしていました。おしゃれで大切にしていることの選択肢数も全体平均 5.4件のところ、70〜80代は6件以上と多く、おしゃれ欲求が多岐にわたります。
「マンネリ」「似合わない」「着こなせない」「しっくりこない」など悩みが深いから欲求も多くなるのかと思ったら、そうでもないようです。80代女性に関しては他と比べて「悩みは特にない」と答えています。またもや意外な結果。どういうことなのでしょうか。
「おしゃれとは?」という自由記述に、その解が見いだせそうです。40〜50代は「気持ちを上げるための手段」、60代は「元気になれる」、70代は「自分の気持ちを奮い立たせるもの」、80代は「気持ちに張りを持たせてくれるもの」でした。おしゃれで自分の気持ちが上がることは、どの年代にも共通しています。
しかし、歳を重ねるほどに、おしゃれに頼る度合いが強くなっていました。「上げる」レベルではなく「奮い立たせる」「張りを持たせてくれる」までをおしゃれに求めます。70〜80代のおしゃれは気持ちを何ランクも高く持ち上げる役割があったというわけです。
70代以上の女性に向けたアパレルやコスメブランドは多くありません。おしゃれ欲の高い70〜80代女性のニーズに合ったおしゃれ領域に可能性を感じます」