タレントの丸山礼さんがドラマ初主演を務めるNHKの夜ドラ『ワタシってサバサバしてるから』(総合、月~木曜午後10時45分)が1月9日からスタートしました。丸山さん演じる “自称サバサバ女”の網浜奈美が、いたって常識的な周囲とあつれきを起こしながらも、あきれるほどの自己評価の高さとポジティブ思考で、困難を乗り切っていく姿を描いています。
お笑いトリオ「ロバート」の秋山竜次さん、女優の土屋太鳳さんなどのものまねで知られ、YouTubeの「丸山礼チャンネル」は125万人の登録者数を誇る丸山さん。前編に引き続き、後編では仕事をテーマにお話を伺いました。
網浜奈美を演じるときに意識していること
——『ワタサバ』はお仕事ドラマでもありますが、丸山さんの仕事ルールはありますか?
丸山礼さん(以下、丸山):ルールを決めると、ルールを守れなかったときに落ち込むんですよね。目標とか決めると、それが達成できなかったときに、また落ち込む。だから、目標を決めないで、とにかく求められたものをやろうというふうに考えています。
——網浜奈美を演じる上で意識されていることはありますか?
丸山:ポカン顔とか、“ネチネチ”から“サバサバ”になる瞬間がこのドラマの見どころの一つなので、表情を意識しています。だから、めっちゃ顔の筋トレしてますね。あと、セリフが多いので、発声練習もよくしますし、怒鳴るシーンも多いので声が結構枯れちゃって口腔関係が大荒れですね。なので、口腔ケアは徹底しています。
ただ、パッと網浜さんにはなれないので、メイクをしてもらっているときやセリフを入れてしゃべってるときに、顔の練習をしています。メイクさんにも「こういう顔がいいかな?」とか聞いて「いいと思う!」みたいな、そんな会話をしながら作ってますね。
勝ち負けの世界が苦手
——楽しそうな現場ですね! 仕事をしていると「評価されること」は避けられません。特に芸能界のお仕事は常に評価がつきまとう仕事だと思うのですが、評価されることに対してはどんなふうに考えていますか?
丸山:勝ち負けの世界がすごく苦手なんです。元々、賞レースにも出ていたのですが、「なぜ勝ち負けなんだろう?」と思ったんです。そうではない舞台で輝きたいと思い、自分のYouTubeチャンネルを開設しました。だからと言って、評価されなくていいということではなくて、もっと高みを目指さなきゃとは思っていました。評価されることは苦手だけれど、評価されるならちゃんと評価されたい。だから、ちゃんと仕事にも取り組んでいます。
——その上で特に意識していることはありますか?
丸山:評価されている人の仕事を見て、自分もこうやろうといろいろ取り入れるようにしています。人のまねをするのはものまねタレントという職業柄というのもありますが、普段から意識しています。人から吸収するというのはいつもやっていることですね。
「他人の良いところを詰め込んでできている」
——前編で人間関係のお話を伺った際にも「人の良いところを見つける」というお話がありましたね。
丸山:そうです。他人の良いところをいっぱい詰め込んでできています、私。女性芸人さんにも憧れていて、みなさん良いところがあるんですよね。この人は演技が上手、この人はお話が上手、この人は顔が面白い、この人はファッションが最高とか。でも席が埋まっていたから、新しい椅子を自分で持ってこようという感覚があったんです。それは今もあるかもしれない。規格外でいたいというか、「はみ出していたい」っていう感じです。
——自分で椅子を用意したんですね。
丸山:19歳で芸人で女の子で、男の人のモノマネをする人っていなかったので。誰もお手本がなかった分、めっちゃ迷いはあったんですけど、じゃあ誰もいないから、自分の一人勝ちを貫こうみたいな気持ちはありました。
——競争じゃなくて、いろんな人の良いところを取り入れて独自の道を作っていくというのはいいですね。
丸山:怒られることもありますけれどね。理不尽なことも言われることもあります。
——そういうときはどうしているんですか?
丸山:びっくりして「え? びっくりしたんですけど〜」って言います。「その言い方、すごく怖いんです」とちゃんと言います。もちろん自分が間違っていたら認めるけれど、自分の意見は言います。
——ちゃんと言うんですね。
丸山:言わないと、ずっと傷ついたままになっちゃうから。傷ついたままの自分にしないように、嫌なことがあったらなるべくポジティブにポップに伝えます。そうじゃないとやっていけないから。
「言いたいことを言えない」そんな人に見てほしい
——網浜奈美が自分らしく突っ走って周りを巻き込んでいくストーリーはまさに2023年の幕開けにふさわしいと思います。このドラマを見る人にメッセージをお願いします。
丸山:まずは、私を応援してくれているみんなに見てほしいですね(笑)。あとは若い子にも「NHKのドラマって面白いんだね」って思ってほしいし、「ちょっと見てみようかな」という感覚で見てもらえたらうれしいです。
内容も現代社会を反映しているというか、言いづらくて言えないという思いをしている人も多いと思うので、そんなふうに自分の中にたまっている何かを発散してもらえればうれしいです。私の地元もそうですが、コミュニティーが狭ければ狭いほど生きづらかったりもするから……。そんなふうに感じている人にも見てほしいです。
夜ドラ『ワタシってサバサバしてるから』はNHK総合で毎週月~木、夜10時45分。全20回。
【第2週(5〜8回)あらすじ】
数々の失態が原因で、編集部からリストラ部屋と噂される人材開発室に異動となった網浜。部員は、内気な木内(鞘師里保)や米沢(本多力)、得体の知れない千堂(笹野高史)の3人だけ。おまけに暗い地下部屋とあって、陰気な雰囲気が漂う。「自分がこの部署に来たのは他のメンバーを明るく改造するため」と超ポジティブに捉えた網浜だが、安藤(若月佑美)から、副編集長となった本田(トリンドル玲奈)と山城(犬飼貴丈)の関係が順調だと聞き、網浜のいらだちは募る一方。早く編集部に戻るため結果を出そうと張り切る。しかし、またもや大きな問題を起こしてしまう。
(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子)
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