春が訪れ、新生活をスタートさせる方も多いのでは。「若いうちに◯◯すべき」なんて言うつもりはないけれど、年齢を重ねて、人それぞれ辿り着いた思考や、もっと早く知りたかったことはあるはず。
今回は「昔の自分に教えてあげたいこと」をテーマに、働く女性4名にお話を伺いました。
希望のライフスタイルに合わない職場は辞めていい(30代 エンジニア)
もともとビジュアル系バンドが好きだったんですが、就職してややブラックな環境で労働しているうちに、本命バンドを追いかける余裕がなくなりました。そこからしばらく趣味の時間が確保できなくなっていましたが、「ライフスタイルより職場を変えたほうがいいのでは?」と気づくまで、少し時間がかかってしまいました。
就活で苦労して入った会社だったし、「新卒入社したら、とりあえず5年は頑張らなきゃ」と思っていたからです。「いや、無理にしがみつかなくていいのでは?」と気づいてから、これまで2回転職をし、今は会議などがなければスキマ時間でも推し活をできるまでに復活。私の場合は、しっかり働きながらも時間をみっちり拘束はされない裁量労働制の職場がぴったりだと気が付きました。
若いうちは中長期キャリアを描かなくてもいい(30代 メディア)
ちょうど先日「そういえば、若い頃の私はどんな気持ちで仕事に取り組んでいたんだっけ?」と、就活中に書いたエントリーシートをひっぱり出して、読み返していました。結構大層なこと書いてて驚きです。
まだまだ会社内では若手扱いですが、後輩と接する機会も多くなってきた30代。自分がずっと悩んでいたのは、「ロールモデルがいない!」ということ。まず、私が働いている業界は働き方のバリエーションが少ないんです。役職に上り詰めた女性たちもみんな極端で、世帯年収2000万円とか、ベビーシッターに月30万円もかかりましたとか言っているんですよ。いや、そんなの無理!
「じゃあ外に目を向けてみようか」と思っても、女性の働き方もライフスタイルも細分化してるから良いメディアがない。……でもまあ、私は今ここでなんとかやってるんですよね。体調を崩して数年休職した期間もあったけれど、今は楽しく働いています。
「最初からそんなにキャリアについて考え込まなくても、なるようになるよ」「でも、急に働けなくなることもあるから、できれば最低限の貯金はしておきなさい」って伝えたいです。
容姿コンプレックスを抱え込み過ぎないで(20代 医療系)
10代〜新卒数年目まではずっと「ブスだから」「太っているから」「毛深いから」という思い込みでしんどかったです。でも、今はそこまでブスだと思ってません。
最近、TikTokやInstagramでぽっちゃりした女の子が堂々とミニスカートを履いたり、「◯cm◯kg」と豊満な体型を公開したうえで着こなしを披露している動画もあります。どの子もおしゃれで、表情も明るくて本当に可愛い。結局、自信なんだなって思います。すっぴんからのメイク動画も「可愛いってマジで作れるんだな……!」と感動するレベルです。
そもそも、美の基準なんて曖昧だし、明るく笑って清潔感があればいいと私個人としては思うんです。昔の自分には「容姿コンプレックスを抱え込み過ぎないで欲しい!」って伝えたいです。大人がそう言っても、綺麗事だって思うかもしれないけれど。
でも、実際にコスメ系も美容医療もどんどん進化してるし、どうしても気になるなら改善する方法も増えました。「うじうじ悩むよりも、工夫と努力をしていこう」「勉強して初任給ブチ上げてお金で解決しよう」。あと「意外と自分が思ってるよりはちゃんと可愛いから」とも言いたいです。
もっと図々しくなっていい(40代 WEB系)
10年以上、フリーランスとしてWEB系の仕事をしています。いつも謙虚、丁寧に、と心がけて取引先と接していますが、無茶振りなどに対して、ふと「私なんぞが……と恐縮しすぎじゃない?」「はっきり言えば、意外となんとかなるんじゃない?」なんて思うことも。
ここ数年は意図的に「堂々と、図々しくなろう」と考えるようになりました。納期やギャラもはっきり言えば、意外と調整してもらえることもあります。厳しい部分があったら、こちらで抱え込んでしんどくなるよりも、相手にしっかり相談・交渉することが大事だなと感じるようになりました。
今は私もベテランになりつつあり、若手フリーランス仲間に相談される機会も多いですが、みんな遠慮し過ぎだなと感じます。かつての自分にも「もっと図々しくなっていいよ!」と言ってあげたいです。
リサーチ:小沢あや(ピース株式会社)