川原好恵のランジェリーコラムVol.136

2011年から売り上げ6倍に…「誰にとっても心地よい下着」が求められている理由

2011年から売り上げ6倍に…「誰にとっても心地よい下着」が求められている理由

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2011年3月11日に発生した東日本大震災から今日で11年がたちます。

私は3月11日には「Fleep(フリープ)」の下着やパジャマを着るようにしています。なぜなら、「フリープ」は主に岩手県陸前高田市の工場で製造されているから。この工場には震災後に伺ったこともあるため、製品に袖を通すと、そこで働く人々や陸前高田の街を思い出せるからです。

従業員の声をきっかけに、震災発生からわずか1カ月で再稼働

陸前高田と聞くと、「奇跡の一本松」が記憶にある人も多いのではないでしょうか。

「フリープ」は2007年に誕生したブランド。東日本大震災が発生した時、同工場は高台にあるため津波の被害は免れ、従業員の皆さんは全員無事だったものの、天井が落ちたり壁の至る所に亀裂が入ったり、エアコンや照明はぶら下がるなど、甚大な被害を受けました。電気や水道も止まる中、同工場は従業員やその家族の避難所に。秩父の本社などから支援物資が届き、駐車場はその配布場所となり、地域の助け合いの場になりました。

陸前高田の「奇跡の一本松」

陸前高田の「奇跡の一本松」

そして、1カ月後の4月11日から同工場は再稼働します。もちろん、震災前の日常生活からはかけ離れた日々でしたが「何かやっていたほうがいい」「前を向いて歩こう」という従業員の自発的な言葉で再稼働したそうです。

中には避難所から通勤する人も。その時のことを、従業員のひとりは「4月11日に再稼働できたことは良かったと思います。被災直後は必死で何かに突き動かされておりましたが、日がたつにつれ悲しみや喪失感が強まりました。そのまま無気力に心が支配されてしまった後では、日常の復帰は難しかった」と振り返ります。

「フリープ」が縫製されている陸前高田の工場。熟練の職人によって1枚1枚丁寧に作られています

「フリープ」が縫製されている陸前高田の工場。熟練の職人によって1枚1枚丁寧に作られています

悩みを抱える人もそうでない人も、同じ場所で購入し、同じように愛用できる下着

それから11年、2011年当時に比べ売り上げは約6倍へと大きく成長した「フリープ」は今、インクルージョン(包括性)な下着として注目されています。「誰にでも心地良く着られる下着」を追求していった結果、乳がんの手術後の人、皮膚の悩みがある人などにも信頼されるように。「この下着は●●用」と用途を制限するのではなく、悩みを抱える人もそうでない人も、同じ場所で購入し、同じように愛用できる下着が完成したのです。

「フリープ」に使用されているのは、スマイルコットン社の天然コットン素材。一般的なコットンに比べて、ふんわり軽く感じる素材で、糸の「より」をほぐして「わた」に近い状態にしてあります。そのため、繊維の間に空気を含み、軽く感じるのです。

縫製においては、縫い目は表に出して、肌に当たる部分を極力フラットに仕上げたり、タグ類は外側に付けて肌に直接当たらないようにしたりなど、肌触りの良さを細部に至るまでこだわっています。

日本アトピー協会推薦品、乳がん手術後の人からも支持

そんなこだわりから「フリープ」のほとんどの商品が、日本アトピー協会推薦品です。アトピーでなくても、肌が乾燥していたり、体調によって肌が敏感になっていたりするときは、縫い代やタグがチクチク感じることも。「いつどんなときも安心して着られる下着」それが支持される大きな理由です。

ファッションカップ付タンクトップ4,510円、ファッション深ばきショーツ2,420円〜/フリープ

ファッションカップ付タンクトップ4,510円、ファッション深ばきショーツ2,420円〜/フリープ

ファッションソフトブラ 4,620円、ファッションスタンダードショーツ2,200円/フリープ

ファッションソフトブラ 4,620円、ファッションスタンダードショーツ2,200円/フリープ

以前、こちらの記事(https://wotopi.jp/archives/114580)でも紹介したように、「フリープ」は、そのやさしい作りから、乳がんの手術後の人にも支持されています。同記事内の編集部Hさんのコメントに「何よりうれしかったのは、これまでと同じ場所で買い物ができること」とあるように、病気を抱えていても、これまでと同じように百貨店やランジェリーショップで購入できるのは、想像以上に心の支えとなるようです。

シンプル前開きブラ 3,410円〜、シンプル深ばきショーツ2.530円〜/フリープ

シンプル前開きブラ 3,410円〜、シンプル深ばきショーツ2.530円〜/フリープ

ストレスフリーなパジャマも人気上昇

「フリープ」ではさまざまな下着のほかに、ユニセックスのパジャマも展開しています。まだまだ行動が制限されたり、オンとオフの境が曖昧になったりしたことで、睡眠のリズムが狂ってしまった……そんな声も聞かれるコロナ禍の今。ストレスフリーな着心地のパジャマは、質の良い睡眠の一助になることが期待されます。

リラックスウェア(ユニセックス)16,500円/フリープ

リラックスウェア(ユニセックス)16,500円/フリープ

キッズパジャマ(110〜130)6,380円、(140〜160)6,930円/フリープ

キッズパジャマ(110〜130)6,380円、(140〜160)6,930円/フリープ

東日本大震災の発生当時、現地で被災された同社相談役が私に言われた「忘れないでいてくれれば、それでいいのよ」という言葉。11年が過ぎ、当時の記憶が薄れつつある中、その言葉の意味をあらためて心に刻みたいと思います。

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下着は、ボディラインを整えるだけではなく、女性に自信を持たせ、内面から輝かせてくれるもの。自分が素敵だと思う下着を選んで身につけることで心と体を自由にしてくれるアイテムです。ランジェリーライター・エディターの川原好恵さんに大人の女性にこそ着けてほしいランジェリーをテーマごとに紹介していただきます。

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