国際ガールズ・デー2020 レポート最終回

スプツニ子!「プログラミングは楽しい」と女の子たちに伝えたい【国際ガールズ・デー2020】

スプツニ子!「プログラミングは楽しい」と女の子たちに伝えたい【国際ガールズ・デー2020】

10月7日、国際NGOプラン・インターナショナル主催による無観客トークイベント、「THINK FOR GIRLS/コロナ禍の女の子たちのために私たちができること」がTwitterとInstagramでライブ配信されました。

本イベントにゲストで登壇したのは、スプツニ子!さん(アーティスト・東京藝術大学デザイン科准教授)と大崎麻子さん(国際協力・ジェンダー専門家)です。

新型コロナ感染症という世界共通の課題に直面し、国や地域の枠を超えて大きなターニングポイントとなった2020年の国際ガールズ・デーを目前に、コロナ禍における女性の現状やアフターコロナの時代における女性の可能性、私たちができるアクションについてトークが展開されました。

【第1回】コロナ禍の女の子たちのために私たちができること
【第2回】困、予期せぬ妊娠…負の影響を受ける女の子たち

浮き彫りになった男女格差

大崎:いま、すべての国でコロナ後の世界をどう再構築するかというのが重要な課題になっています。私の専門領域のジェンダーの側面から見ると、女性や女の子に負の影響が大きく集中しているというのは、やはり女性の多くが低賃金であることに由来している

多くの女性が非正規雇用で低賃金だというのは、日本だけではなく世界中の現状としてあります。低賃金だと貯金ができないので、今回のような危機的状況になったときに生き延びるのが非常に厳しくなってしまう。

日本ではシングルマザーの問題がよく取り上げられますね。これは日本ではあまり注目されていないですが、国際的によく議論になるのは単身の高齢の女性です。低賃金で非正規的なポジションで働いてきた女性って年金額が少ないんですよ。なので働かざるを得ない人が多いのですが、コロナで仕事がなくなってしまい、困窮している。

スプツニ子!:なるほど。

大崎:これって、平常時の経済構造や雇用のあり方、男女間の賃金格差などの不平等が集約された形で、いま現れているんですよね。なので、これを機に世界を再構築していく上で、いかに構造化されてきた経済的な不平等や格差を是正していくか、制度や政策を変革していくか、というのが世界的に議論されていることです。

もうひとつは、デジタルトランスフォーメーション。コロナによって、働き方や国際会議や学会のやり方などがオンラインにシフトするなど変化している。そこでデジタルをいかに活用し社会をデザインしていくかが重要なのですが、スプツニ子!さんが指摘するように、その領域に女性が非常に少ないという課題があります。

人工知能が格差を広げる可能性もある

スプツニ子!:たしかにまだまだ少ないですし、もっと増えるべきだと思っています。これからって人工知能が大事になってくる時代だと思うんですね。でも、人工知能って開発の仕方を間違えるとかなりバイアスをもった存在になってしまう。いまの格差を広げてしまう可能性をもっている。どういうことかというと、人工知能って現在と過去のデータをもとにベストな判断をしていくんです。それってつまり、現在と過去のデータに潜んでる男女格差や人種格差をベストな形だという認識で学んでしまうということです。

大崎:格差のある状態をベストだと思ってしまう。

スプツニ子!:たとえば、アマゾンが採用のために人工知能を開発したことがありました。アマゾンは過去に女性をあまり採用してこなかったんですね。そうすると過去のデータを学んで、人工知能は履歴書に女性と書いてあると自動的に減点するように成長してしまったんです。アマゾンはそれに気づいて開発を止め、ジェンダーを取り除こうとしたのですが、人工知能はブラックボックス化していてどうやっても女性に紐づけて減点するように成長してしまった。そこでアマゾンは開発をやめました。

やめたのは幸いで、そういう意識が低いところでどんどん成長していくリスクというのはあるんですよね。だからこそ、こういうバイアスが起きないようにアンテナを張ってチェックする人がたくさん関わるべきだなと思っています。

女性にプログラミングが向いていないという固定観念

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スプツニ子!:あと、この領域に女性がもっと参入してもらうためにも言いたいのは、プログラミングってすごく楽しいってことですね。

大崎:大学で数学を専攻していないとできない印象です。

スプツニ子!:そんなことないと思いますよ。美大や芸大卒とかで数学をやっていなくてもコードを書ける人はたくさんいます。ただ、わりと女性の友人には食わず嫌いの人が多い。

大崎:女性はプログラミングが苦手みたいなイメージはありますよね。

スプツニ子!:それって社会的な刷り込みな気がします。私はデパートのおもちゃ売り場で男の子用と女の子用で色分けされているのがすごく嫌なんですよ。女の子用のところにはおままごとセットやファッションのおもちゃがあって、男の子用には私が大好きなロボットなどが置いてある。

幸い私は両親がジェンダーロールに縛られずに私が好きなものを買ってくれる人だったけど、やっぱり最初からああいった形で分けられて、親が買い与えていたら子どもたちも「私は女の子だからピンクなんだ」って思っちゃうし、ロボットやエンジニアリングから離れてしまうよな、って。

大崎:たしかにそうですね。

スプツニ子!:それに、プログラミングって世界共通なんですよ。ベトナムとかインドのプログラマーが人工知能を作って、それをアメリカや日本向けに出したりすることができる。インドに暮らしながらアメリカから仕事を受注する、みたいなことができる。そういう点でもコードを学ぶのって教育としてはとてもいいですし、経済的に自立する力としてもとても効果をもった領域だと思っています。

(構成:園田もなか、編集:安次富陽子)

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