「花粉症と風邪を併発したらどうする?」後編

花粉症と風邪を併発したら…治療、セルフケア、市販薬を専門医に聞く

花粉症と風邪を併発したら…治療、セルフケア、市販薬を専門医に聞く

花粉症と風邪を併発したらどうすればいいのか、という疑問を解消したく、耳鼻咽喉科専門医でとおやま耳鼻咽喉科(大阪市都島区)の遠山祐司院長に前後編の2回に分けてお尋ねしています。前編の「花粉症の人は風邪をひきやすい?」では、花粉症と風邪の違い、また、花粉症と風邪は併発しやすいこととその理由、併発するとほかの病気にも発展しやすいことなどを紹介しました。

今回は、併発した場合はどう治療するのか、花粉症と風邪のどちらを先に治すのか、セルフケアや予防にはどうすればいいのかなどを聞いてみました。

花粉症と風邪はどちらを先に治療する?

前編で、花粉症(アレルギー性鼻炎)と風邪を併発すると、花粉症の三大症状である「鼻水・鼻づまり・くしゃみ」がとてもひどくなることを伝えました。その場合、治療はどうするのでしょうか。どちらかを先に治療するのか、鼻やのどなど症状のケアに集中するなど優先があるのでしょうか。遠山医師はこう説明をします。

「併発した場合は同時に治療をしていきます。その時期にもよりますが、花粉症の治療のほうが飛散時期によって長くかかるでしょう。

まず、花粉症などのアレルギー性鼻炎では抗原、スギ花粉症の場合はスギ花粉ですが、それを回避することが第一の対処法です。自分の行動範囲の花粉スポット、また衣服や部屋に花粉を近づけない、持ち込まないことを徹底してください。すると、鼻の症状はいくぶんでも軽くなります」

花粉の回避のポイントについては、次の記事を参考にしてください。
自分まわりの花粉スポット、ここに絶対注意!【耳鼻咽喉科専門医に聞く】

花粉症を抑える薬と、咳や発熱に対処する薬を処方

次に遠山医師は、薬の処方について説明を続けます。

「花粉症の時期や状態によって抗ヒスタミン薬、点鼻薬などを選び、また、風邪の症状と合わせて問診や必要なら検査をして対処する薬を同時に処方します。

たとえば、スギ花粉がこの先も2~4週間、あるいはもっと飛散すると予想されるなら、その期間は花粉症の薬は必要です。さらに、風邪でのどが痛い、咳(せき)が出る、たんがからむ、悪寒、発熱などあれば、それらに対応した薬をまずは3~5日間分、処方します。

風邪をこじらせていて咳がひどい、熱が高いなどの場合、必要に応じて抗生剤も処方することがあります」

200317_花粉症と風邪_後編

自分でケアする方法はありますか。

「これも前編でお話ししたように、花粉症と風邪の症状があるときはかなり体力も免疫力も低下しています。風邪がこじれると、副鼻腔炎(ふくびくうえん)や気管支炎、肺炎になる可能性もあります。

体調が回復傾向に向かうまでの数日は安静にして、睡眠時間をたっぷりとり、また、栄養のバランスがよくて消化に良い食事をしてください。食欲がないときは、1・2日なら無理に食べなくても大丈夫でしょうが、必ず水分補給は十分に行い、おかゆやフルーツ、ヨーグルトなどで栄養を補いましょう。ただし、しんどさがつらい場合は早めに医師に相談してください」と遠山医師。

花粉症の薬と風邪薬を併用はしてもいい?

花粉症の薬も風邪薬もたくさん市販されています。両方を併発したなと思った場合、市販薬で対処することはできそうでしょうか。遠山医師はこう答えます。

「花粉症と風邪の薬にはともに、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、かゆみなどのアレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬や、鼻水や鼻づまりを抑える血管収縮剤など、同じ成分、あるいは同類の成分が含まれている場合があります。それらを両方とも飲むと、血中の成分の濃度が高くなりすぎて、胃腸や腎臓に負担がかかり、副作用が現れる確率が高くなります。

花粉症用の薬には、『風邪による鼻の症状には使用しないでください』と注意が表示されていることがあります。そういった注意事項をよく読んで、それにしたがってください。

『すぐ効く!』などと、効能を大きく記した宣伝文句だけを読んで、併用することは避けてください。受診する時間がないなどでどうしても市販薬で対応するしかないときは、必ず、薬剤師に相談して選んでください。

しかしこれまでにも伝えているように、花粉症と風邪を併発したときは、肺炎など危険な状態に進むことがあります。軽く考えないで、花粉症と風邪の両方の診断と治療が可能な耳鼻咽喉科を受診してください」

花粉症と風邪を併発したら、治療は同時進行で花粉の時期を考えながらどちらも改善する薬を処方されること、セルフケアではまずは花粉を避けること、そして安静と睡眠、栄養をとり、風邪がこじれないように注意しようということです。なにより、重篤な病気にならないように早めに受診したいものです。

(構成・取材・文 品川 緑 藤原 椋/ユンブル)

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