綺麗なウソをつけるのが大人のよいところ
——ちなみにヨシタケさんは、嫌な人がいたらどうしますか?
ヨシタケ:困りますけどね。とにかくその場から離れます。
——なるべく距離をとるのがいいですよね。
ヨシタケ:「お前は間違ってる」って言うと、こっちが疲れるし、面倒くさいじゃないですか。嫌いな人であればあるほど、ニコニコしちゃうじゃないですか。丁寧に接するじゃないですか。早く帰りたいから。それって正しい対処法じゃないですか。
——でもでも、愛想をよくした自分に対しても「自分って何て調子がいいんだ!」って責めちゃうんです。
ヨシタケ:だから、そういうときに綺麗なウソをつけるのが、大人の良いところじゃないですか。場を荒立てずに、適当なことを言って、自分の出血を減らすっていう。
——綺麗なウソをついてもいいんですね!
ヨシタケ:思ってもないことを言ってどうにかできるっていうのは大人になって一番よかったことの一つなんです。適当な社交辞令を本当かのような顔をして言えるって。社会人のスキルってそういうことじゃないですか。
——それはズルいのかなって思ってたんですけど。
ヨシタケ:そうしないとしょうがないじゃないですか。陰で前におっしゃっていた「センスのある悪口」を言えばいいんですよ。それでどうにかこうにか、お互いに上手くやればいいわけですよ。そういう人っていないくならないから。
【第1回】「できないよね」ってちゃんと傷を舐め合いたい “思わず考えちゃう”貴女へ
【第2回】「向いてないこと」から自分の道を決めてもいい
【第3回】気の合う人と悪口言っている時間も楽しい
【第4回】自分に向いていることを探すヒント
(聞き手:ウートピ編集部:堀池沙知子、撮影:宇高尚弘)