『だめなら逃げてみる 自分を休める225の言葉』インタビュー

「カッコいいおばさんは、若いときからカッコいい」小池一夫さんから一生懸命な貴女へ

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「カッコいいおばさんは、若いときからカッコいい」小池一夫さんから一生懸命な貴女へ

「悪意を向けてくる人は無視していい」「『逃げること』は、悪いことではありません」「人間関係を難しく考えすぎないこと」——。

マンガ原作者の小池一夫さんの珠玉の言葉が詰まった新刊『だめなら逃げてみる 自分を休める225の言葉』(ポプラ社)が10月10日に発売されました。

同書は、Twitterのフォロワー数が約84万5000人超を誇る小池さんのつぶやきから厳選した225のメッセージを収録。新刊の発売を記念して、働くウートピ世代の女性向けにメッセージをいただきました。

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人間関係、人付き合いで悩んでいる貴女へ

——今回の本のテーマ「逃げる」について、改めて小池さんのお考えを伺いたいです。

小池:「逃げる」というよりも、「脱出」です。原因が自分にあろうと他人にあろうと、そこにいては身も心も危ないと判断したら、なるべく傷が浅いうちに脱出するのです。ダメージが大きくなってからでは、逃げるための気力も体力も無くなってしまいます。今は逃げ出しても長い目で見れば、態勢を立て直し生き抜くための一時的な戦略的撤退なのです。

——本に「『一緒にいるべきではない人』は、人生に確実にいる」とありましたが、仕事でそういう人と一緒に何かをやったり、協力したりしなければいけない場合もあります。そんなときはどんな心持ちで仕事をすればよいでしょうか? 会社の人間関係を乗りこなすコツがあれば教えてください。

小池:職場で実際に一緒にいる距離は近くても、心の距離は置いて接することです。職場は、仕事をこなして成果を上げお金を稼ぐ場所です。職場の人間関係の悩みは尽きませんが、自分のやるべき仕事に集中するのです。仕事よりも、嫌いな人に集中してはいけません。嫌いな人は嫌いでいいから、それ以上考えないようにするのです。確かに嫌いな職場の人は生活の一部ですが、人生のすべてではありません。

そして、「一緒にいるべきではない人」と仕事をするときの最大の防御は、「礼儀礼節をもって接する」ことです。自分の内側の大事な部分を、礼儀礼節の鎧(よろい)を纏(まと)い、余計な干渉を受けないように心を守るのです。

——人間関係でつまずくと、「もう人とは関わりたくない」と自分の殻に閉じこもりがちになることも。それでも、誰かとつながりたい、よき仲間、よき友人を作りたいと思うのですが、人付き合いや人間関係のルールがあれば教えてください。
 
小池:「あなたに敬意を払わない人に、あなたが敬意を払う必要はない。

あなたのことが嫌いな人を、あなたが好きになる必要はない。

あなたを大切にしない人を、あなたが大切にする必要はない。

しかし、そういう人たちのことを心の片隅にちょっと置いておく。自分と対立する人たちにも、その人たちの大切な人生があるのだ。

自分と同じように」

年をとることが怖い貴女へ

——「年を取ること」に対して不安や恐れを抱いている人が多いなあと思います。世間を見渡すと「若さこそが価値」「女性は若くなければ価値がない」という価値観もいまだ根強く、私たちをじわじわと地味にせめてきます。小池さんは「年を取ること」をどんなふうに捉えていますか?

小池:年を重ねることを恐れるということは、その人がどれだけ視野が狭いか、生きている世界が狭いか、ということの表れです。年を重ねた女性のやさしさや、美しさや、エレガントさを想像できないということですから。

僕は男なので、女性が年を重ねていくことの葛藤は想像でしか答えられませんが、いつか確実に失われていく若さにしがみつくことは、男女に関係なく愚かなことだと断言できます。

もし、あなたが「おばさん」というような年齢のことで人から愚弄されたら、「あなたも、いずれね。順番だから」と答えればいいのです。

あなたに、おばさんと言葉を発した若者は、決してカッコいい、おばさんにもおじさんにもなれません。カッコいいおばさんは、若いときからカッコいいのです。

孤独や老後が不安な貴女へ

——孤独死や「老後に寂しく暮らすことが不安」だから何がなんでも結婚したいという女性もいます。

小池:「寂しさを解消してくれる人」と「愛する人」を、寂しさの不安のあまり、すり替えていませんか? それは、まったく違う人です。

独りぼっちは寂しいからという理由で、この人と結婚したという女性が、心の底から幸せな生活を送れるとは思いません。打算で結ばれた相手とは、打算で別れてしまいます。愛が土台ではないので相手に敬意が持てず、ちょっとしたことが許せないのです。

結婚は、幸せになるための目的ではありません。幸せになるための、あくまでも一つの手段なのです。

「出会った最初の頃の情熱は次第に冷めていく。その代りに、きっといつまでも一緒にいて飽きないだろうなあ、嫌いじゃないなあ、くらいの暖かな気持ちに変わる。そして、この人を失いたくないという感情に昇華する。情熱は一時のこと、残りの結婚生活は、相手に抱いた敬意で持続する」。

それが、僕にとっての結婚でした。

いつも一生懸命な貴女へ

——最後に、働く女性に向けてのメッセージをお願いします。

小池:一生懸命働く貴女の姿は、必ず誰かが見ています。

時には、女性であるというがために、妥協も不条理も悔しさも受け入れなければならないでしょう。

しかし、自分が受け入れなければならない理不尽に立ち向かえば、次の世代にそのようなことを受け継がせてはいけないという、女性の立場の向上につながるのです。自分の前の世代が頑張ってくれたからこそ、今の自分の状況が昔より良くなっていることと、同じようにです。

僕は、人間のとても大切な資質は「素直さ」だと思います。

素直に上の世代から教えを乞い、素直に下の世代へ教えを伝えてください。

それが働く女性の最大の発展なのです。

(文:ウートピ編集部・堀池沙知子)

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