素敵にラクに歳を重ねていきたいから…「グレイヘア」誕生の裏側

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素敵にラクに歳を重ねていきたいから…「グレイヘア」誕生の裏側

鏡を見て頭にキラリと光る一本の髪。30代に入るとそろそろ白髪が出てくるのかな? 覚悟はしていても、どんどんはえてきたら、精神的に受け止められるだろうか? そんな心配をしている人もいるはず。

今まではオシャレのために美容院でカラーリングをしていたけれど、そのうち白髪染めに変わるのかな、一生白髪染めを続けるのかな、なんてぼんやりと思ったり……。

加齢にともない、みんな白髪になっていくはずなのに、実際に街を歩いてみると、白髪の女性はあまり見かけません。それくらい当たり前となっている白髪染めですが、金銭的・時間的・精神的な負担も大きいようです。

そんな中、白髪染めをやめた女性たちをピックアップした『グレイヘアという選択』(主婦の友社)が注目を集めています。4月に発売した同書は5ヶ月で4万5000部を突破。好評を受けて、10月18日には第二弾『グレイヘアの美しい人 ― 輝いているのはなぜ? ―』が発売されました。

編集を担当し、自身もグレイヘアを楽しんでいるという依田邦代さん。同シリーズを企画したきっかけや背景、グレイヘアが生活・メンタルに与えたポジティブな影響など、3回にわたって聞きました。

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きっかけは「OVER60」のオシャレな女性の写真集

——もうすぐはえてくるであろう白髪に、戦々恐々としています。老いを自然に受け入れて、楽しんでいる先輩のお話を聞きたかったんです。「グレイヘアという選択」の企画が、生まれたきっかけや経緯を教えてください。

実は、4年ほど前に出した『OVER 60 Street Snap』という60歳以上のオシャレな女性のスナップ集を作ったことがきっかけでした。

『OVER 60 Street Snap』

『OVER 60 Street Snap』

『OVER 60 Street Snap』は、『Advanced Style』に衝撃を受けて「私もこんな本を作りたい!」と思ったんです。NYの60〜100歳のオシャレな女性をあつめたストリートスナップなんですけれど、日本の女性だって負けていない。集合体になったら、社会現象みたいに認識してもらえるのではないかと思ったんです。

——『OVER 60 Street Snap』は、わたしも大好きな本です。こんなにオシャレに年を重ねられるんだと衝撃的でした。一般の方にフォーカスしたのも新鮮でした。

まずは、いくつになってもオシャレを楽しんでいる方々の様子を、ビジュアルで見せることが大切だなと思いました。心理的に与える影響が多いですからね。

一般の女性のスナップにこだわったのは、60歳以上の有名人を集めれば、簡単に本にできちゃうけれど、それじゃ意味がないと思って。市井の人にも、それぞれに生き方・オシャレの方法がある。みんな前向きに生きているよ、と伝えたかったんです。

依田邦代さん

依田邦代さん

——あそこまでオシャレな人を集めるのは大変だっただろうなと思うのですが、どうやってスナップしてたんですか?

著者のMASA&MARIという当時20代の若者2人が、銀座や表参道で「こんなふうに年をとりたい」と憧れるシニアの方にはじから声をかけました。「ファッションだけでなく、人としてリスペクトできるオーラがある人を撮りたい」と話していて……。60年以上の年月を重ねてきている人たちは皆、それぞれの人生が外見ににじみ出ているんです。大変なことも、キャリアも。素直に、年をとることって素敵だなって思える女性ばかりです。

——反響はいかがでしたか?

30代から90代まで、幅広い方から感想をいただきました。若い方からは「こういうふうに年をとっていきたい」とか「将来に希望が持てました」と。同世代からは「こんな年だけれど、オシャレしてもいいんですね!」と言ってもらえました。

——そこからグレイヘアにつながったのは?

スナップをしているうちに、オシャレな女性は白髪率が高いことに気が付いたんです。そこで、次の本を企画しました。

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「白髪」に代わる「グレイヘア」という言葉を広めたかった

——白髪ではなく「グレイヘア」としたのはなぜですか?

編集者は言葉を使う仕事だから、気持ちが前向きになる語を使いたかったんです。「白髪」は、「老い」のイメージがどうしても強くなる。「ロマンスグレー」という言葉もありますが、男性を指すことが多いでしょう? 「素敵な白髪の女性」を指す言葉を作りたかったんです。英語にしただけですが、印象が変わりますよね。

——『グレイヘアという選択』は大きな話題となりましたね。街でも最近、グレイヘアの女性が増えているのでしょうか?

あえて選択して、素敵にグレイヘアを楽しんでいる人が増えていますね。「これからグレイヘアにしたい」という声もたくさんあります。『グレイヘアという選択』愛読者はがきの反響は、現在200通以上で毎日届いています。

——具体的にどんな声が届きましたか?

「年齢を重ねることに対して悲観的だったけど、明るいイメージになりました」「白髪染めをやめたいと思っていたけれど、なんとなく染め続けていました。この本をみて背中を押されました」「無理をしなくても、年相応のオシャレがあるんだとわかりました」など、幅広い年齢の方からご感想をいただきました。ありがたいですよね。

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「染めなきゃいけない」と思い込んでない?

——白髪染めをやめたいという人もいらっしゃるのですね?

まずは美容院に行く時間や、お金の問題があります。私自身、以前は3週間に1回のペースで美容院に行っていたのですが、結構、負担でした。編集者として常に締め切りに追われている中で貴重な時間を使わなければならない。しかも、ヘナで染めていた頃は、1回3時間もかかりました。お金も時間も、もっとポジティブに、例えば旅行に使ったほうが楽しいでしょう? 全女性が直面する問題なので、本にしたいと思ったんです。

——そんなに頻繁に通う必要があるのですね。マツエクやネイルより時間がかかるし、結構な負担ですね。ほかに意識したことは?

タイトルにもいれた「選択」というキーワードです。押し付けるのではなく、こういう選択肢もあるよ、ということを伝えたかったんです。みんな、誰にも言われてないのに「白髪を染めなきゃいけない」という思い込みがありますよね。

——ありますね。みだしなみの一部、と思い込んでいたかもしれません。

きっと世間の目が気になるんですよね。でも、世間って誰なの? って考えたんです。知らないうちに、自分で自分を縛っていると思うんです。ストレスから解放されて、少しでも楽に、のびやかに人生を歩めたらいいなと思いました。

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次回は、フランスで出会ったグレイヘアマダムや、依田さん自身がグレイヘアになって気づいたことを伺います。

【第2回】年齢に縛られないオシャレの楽しみ方

(取材・文:小沢あや、写真:宇高尚弘/HEADS)

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