安彦麻理絵×吉田潮 対談2

「50歳になるとラクになる」の真実とは? 安彦麻理絵×吉田潮対談

「50歳になるとラクになる」の真実とは? 安彦麻理絵×吉田潮対談

イカした「ババア」になるためのアレコレをつづったエッセイ『ババア★レッスン』(光文社)を上梓した安彦麻理絵さん(49歳)と、親友のライター・吉田潮さん(46歳)に、「ババア」についてお話をうかがいました。

おふたりがあえて「ババア」という言葉を使うのには、女を傷つけるための言葉をポジティブな文脈で使っていって、“呪い”を解きたいという思いが込められています。

「おばさん」より躍動感があって、人間的な面白みと自由さを感じる「ババア」について、さらに掘り下げていきたいと思います。

安彦さん(左)と吉田さん(右)

安彦さん(左)と吉田さん(右)

人間、あきらめたときのほうがきれい

——前回、「理想のババア」についてお聞きしましたが、逆に「こうはなりたくない」というのはありますか?

安彦麻理絵さん(以下、安彦):見た目に固執したり、年下の女と張り合おうとしたりするようなババアにはなりたくないかな。

潮ちゃん、『おとこの口紅』って、和装ゲイバーを舞台にした漫画読んだ? その中に、「人間 あきらめたときのほうがなにかに必死で集中してるときよりきれい」っていうセリフがあるんだけど、私、それ読んだときに「あああっ……!!」って、もう言葉を失ってしまって……!

吉田潮さん(以下、吉田):へええ~! 悟りだね。確かに、執着していたこだわりを捨てると、ほかのところに目が行くようになるし、プラスの側面は絶対あるよね。

安彦:そう、絶対ある! 

——見た目に固執すると聞くと、タイで国際出資法違反で捕まった山辺節子受刑者を思い出します。62歳なのに38歳と言い張っていて、その若作りのファッションも話題になりましたよね。

吉田:ああ、オフショルの節子! 節子が『週刊新潮』に寄せた手記読んだ? 自分の中の魔物が抜けた、みたいなこと書いてるんだけど、「いやいや、絶対抜けてないだろ!」って思ったわ(笑)。

安彦:その手記がさ、なんかやたらと格調高いタイトルなんだよね。「砂風(さふう)」だっけ?

吉田:絶対マリエちゃんに読ませなきゃって、家に持っていったもんね。

安彦:でも、表に出てないだけで、節子みたいな人いっぱいいるでしょ?

吉田:犯罪はしてないけど、節子マインドを持つババアはけっこういると思うのよ。

安彦:節子マインド(笑)。髪型とかファッションが、自分の中のいちばんいいときで止まってる人でしょ?

吉田:そうそう。そういう人が姑になったときに、息子の嫁と張り合ったりするのかもしれないよね。若さとかじゃなくて、「女っぷり」みたいなのを張り合うというか。

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マウンティング市場から降りるとラクになる

——ババアになっても、マウンティングからは逃れられないのでしょうか。

吉田:マウンティング市場って、そこに勝手にエントリーされる女性と、勝手に除外される女性に大きく二分できると思うのね。エントリーされるほうに属していると、すごい大変だと思うの。土俵から降りられず、永遠に「いつまでも若くて美しい私」がつきまとう。

安彦:「土俵を降りる」っていうのは、いいババアになるために絶対必要よね。

去年、伊藤比呂美さんが早稲田大学でやってたトークイベントに行ってきたんだけど、そこで伊藤さんが「50歳になると、ほんっとにラクになるから!」って言ってたの。で、こないだ友達の家に飲みに行ったときに、そこで会った50代の方が、おんなじことを言ってたんだよ。「ブスだの可愛いだので勝負しなくてよくなるし、土俵を降りる感じがほんとラク」って。

吉田:いいね、そういう言葉のシャワー浴びたい! 年取ると大変、とかそういうのじゃなくて、今まで内面化してしまっていた“呪い”を解いてくれる人たちの言葉を聞きたい。

安彦:私、来年50歳なんだけど、なんかドキドキするのよ。あと1歳で50歳なんだって思うと、得体のしれないドキドキがある。30歳になるときも40歳になるときも、そんなことなかったんだけど。潮ちゃんは、年齢は重ねれば重なるほど楽しいって感じ?

吉田:楽しくありたいと思ってるし、そう言ってくれる人たちといたいと思ってるよ。

”呪い“を解いてくれる人たちと過ごそう

——どんな人たちと過ごすかで、いいババアライフを送れるか否かも変わってきそうです。

安彦:それこそ、私にとっての潮ちゃんみたいな「ババア友達」は大切!

吉田:そうそう、いい「ババア友達」がいるかいないかで、全然違う。あと、“呪い”をかけてくる人たちと過ごさないことだよね。それより、「40? 楽しいよ! 50? ラクになるよ~!」って人たちと過ごしたほうがぜったいにいい。

更年期の話なんて最たるもので、あれも年上の人から「大変だよ~」とか聞かされまくった結果、“呪い”になってると思うんだよ。20代のとき、女性向けの健康雑誌で書いてたんだけど、更年期はつらいとか、そんな情報ばかりだったもん。

安彦:思い込みで勝手に怖くなっちゃうんだよね。前に、一歳違いのいとことご飯食べて、「どうなんだ、更年期?」って話になったんだけど、彼女は「なんとなく暑いかもな」くらいなの。そのいとこは、「マリエちゃんは本当に考え込みすぎる人だから、それやめな」って言ってくれる人で。

吉田:おお、“呪い”を解いてくれる人だ。

安彦:私も解く側に回れるとすれば、「趣味があると更年期がラクになる」っていうのは言っておきたい。実際、私は着物にハマったおかげで全然平気だから!

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(構成:須田奈津妃、聞き手:ウートピ編集部 安次富陽子、撮影:面川雄大)

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