きゃー!!! 毎日一生懸命生きてるだけなのに、人生の階段を上手に登れずいつの間にか八方ふさがりのこわーい状態に……そんな“オンナのカイダン”を取り上げる本連載。本年もたくさんの頑張りやさんを見てきた元外資系OLずんずんに考察していただきます。
今回取り上げるのは転職したいのに踏み切れない女性です。
転職したいけど行動できない
こんにちは! ずんずんです。ハッピーニューイヤー!
新年、今年こそは転職したい!
そう思っている方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、
「本当に転職すべきなのか?」
「今の仕事を続けるべきなのか?」
と考えれば考えるほど、気持ちが揺れ動いて、行動に踏み切るのはなかなか難しいですよね。
しかし、時々、職場環境や待遇がどーーーーーーー見たって悪いのに、その職場で働き続けてる人っていますよね。給料や福利厚生、人間関係がいいわけではなく、労働時間も比較的長いのに、そんなブラック職場で働き続けているお友達がいたとしたら、その人は「置かれた場所で咲きたガール」かもしれません……。
「置かれた場所で咲きたガール」とは、自分がいる場所で頑張ってしまう人のことです。頑張ることは全く問題ないのですが、このガールの置かれている「場所」は、誰が見ても「うーん……」と言いたくなるところがほとんどです。
どんな場所かといいますと……。「置かれた場所で咲きたガール」の1人、Kさんの職場を見てみましょう。
お局さまのいびりに耐え抜くも…
Kさんは大学を卒業して、都心の金融系会社に一般職として就職しました。
就職先はみんなが知っている大きな会社ではありましたが、お給料はそんなに高いとは言えません。まあそれは新卒だから仕方ないとして、問題は人間関係の方でした……。
Kさんの職場はいじめが横行していたのです。
特にお局さまの新人いびりはひどいものでした。しかし、Kさんの上司は、彼女が怖いのか新人いびりを見てみないふり……。そのせいで毎年何人もの新人が辞めていく始末でした。
Kさんもお局さまのターゲットになり、細かいミスをねちねちとつめられたり、ヒステリーを起こしたお局さまにファイルを投げつけられたり(!)と、ちょっと常識では考えられないようないじめを受けるはめになりました。
私なら初日で辞表を出すレベルですが、Kさんは恐ろしいほど根性がある女性だったのです。お局さまのいじめを耐え抜き、彼女は1年目を生き残りました。
しかし、そんなガッツのあるKさんを次に襲ったのはセクハラでした。
辞めるのは無責任というKさんの主張
飲み会では男性社員にぺったぺったとボディタッチをされ、そのうちの一人に家までついてこられるというギリギリアウトなストーカー行為まで受けたKさん。
普通ならここで、
「もう無理、辞める!」
の一択ですが、それでもKさんは辞めるの「や」の字も口にしませんでした……。ガッツありすぎだろ!
しかし、そんな職場で働いているのですから、Kさんは心も体もボロボロです。心配した友人たちは、転職を勧めるのですが、Kさんは、「仕事を辞めるなんて無責任なことができるわけないじゃない!」と、眉間に深—くシワを寄せて、キーっと怒りだすのです。
確かに急に、「明日から会社行きませーん☆」なんて感じで仕事を辞めたら無責任極まりないですが、きちんと用意して辞めるんだったら何も問題がないはずです。Kさんの怒りっぷりはちょっと不自然ですよね。責任感の陰にいったい彼女は何を隠しているのでしょうか……。
私に転職先なんてあるわけがない
そんな最悪の環境の中で、Kさんは30歳になりました。給料は新卒以来ほとんどあがらず、年収300万円いくかいかないか……。しかし、すでに中堅社員ということで仕事の負担は増えていくばかりです。
ますますヘロヘロになっていくKさんに友人は、
「さすがにもう転職しよ!?」
と言うのですが、Kさんはいつものようにキーっと怒ります。しかし、その時は怒った後にぽろっと、
「私なんて学歴もないし、頭も悪いし、大した仕事もしていないし、転職先なんてあるわけがない」
とこぼしたのです。
しかし、Kさんは転職活動をしているわけではありません。それなのに、学歴がない、頭も悪い、仕事も大したことない、こんな自分に転職先があるわけがないと決めつけていたのです。そして、その決めつけから自分が働く場所は今のところしかないんだと、ずーっと劣悪な環境で働き続けていたのです。
つまりは「他に居場所のない自分はここで頑張るしかないんだ」と、ボロボロになってもいつか花開く日を夢見て耐えるしかなかったのです。
行動しなくてもいい理由を探していたKさん
そんなふうに自分に言い聞かせていれば、変化しなくていい言い訳ができます。自分はダメなやつだ、ダメなやつだからここしか居場所がないんだと言い聞かせていれば、本人の中では行動しなくてもいい理由になりますよね。
変化するって勇気が必要です。何か違うことをしたら、失敗するかもしれないし恥をかくかもしれません。それよりずっと同じところで同じことをしていた方が失敗する危険性は低いわけです。いわば、変化する痛みより、ぬるま湯のまま変化しない方が心地いいのです。
しかし、だからと言って自分をいじめるような環境にずっと身を置いていたら本末転倒です。こんな変化の恐怖に打ち勝つには、不必要に自己評価を下げず、自分は大切されるだけの価値があると信じることです。大切にされる価値があるのだから、もっと自分にあったいい場所を見つけることができるはずです。
さてはて、Kさんの方といえば……相変わらず転職はしていませんが、最近出世して主任になりました。役職を得た彼女が環境を変える勇気を持てるか。それが、置かれた場所で咲けるかどうかの分岐点なのかもしれません。
といったところで今日は失礼します☆