きゃー!! 今夜もどこからか聞こえてきた女性の悲鳴。新人さんがオフィスのお局様に責められているようですが、どうやら悲鳴をあげているのはお局様のよう……。彼女が抱えるホントの恐怖心とは? 元外資系OLのずんずんさんに考察していただきます。
社長も頭が上がらないほどの「デキるお局様」だけど
こんにちは!ずんずんです。
この世には、私たちを困らすお局様が2種類います。
「デキるお局様」と
「デキないお局様」です。
まあ大抵のことは2種類に分けて考えることができるわけでして。ちょっと大きく言ってみたかったということなんですけど。今日はそんな「デキるお局様」のお話です。
「デキるお局様」をざっくり定義すると、社歴は20年超……会社のことならなんでも知っている会社の生霊、いや生き字引です。歴史を含め業務を行っているわけですから、仕事もスピーティーで正確、時として社長も頭があがりません。
しかしこの「デキるお局様」、人望があるなら神様のようですが、そうでなければ……時として新人を恐怖のどん底に突き落とす存在です。そんなお局様にきらわれちゃったら大変です。
オフィスでの社会人生命を絶たれないためにも、なんとかして好かれたい……と思うのが人の常です。しかし、不思議なことに、このお局様はなぜだか「若い芽を摘みたガール」だったりするんですよね……。
朝からお説教30分…私が若くてかわいいから?
ちなみに、「若い芽を摘みたガール」というのは、新人をたたきまくってつぶすガールのことです。
私も若かりし頃、こんなお局様によく朝から立ち説教30分とか食らったり、メンタルをぼこぼこにされたりしておりました……。思い出してもつらい……。
もちろん、仕事でミスした時は仕方がないとは思うんですが、このお局様は口の利き方といった細かいことまでグチグチと指導してくる人でした。
当時の私は、
ひどい……なんで私がこんな目に……
これも私が若くてかわいいから?
なんて、なめたことを考えておりました。
しかしいつまでたっても状況は変わらず、さすがにヘロヘロになった時に、ふと、気がついたのです。
おや?
お局様は、私が課長と話したり、課長から仕事を直接もらったりすると、すごく機嫌が悪くなるぞ?
オフィスで行われる派閥争いゲーム
当時の課長はお局様より10歳ぐらい若かったんですね。
そして、私は「こんなきっついお局より、課長の方がやさしいから好きだわ~」と課長大好きオーラを隠しもせずに全開にしていたんです。
つまり、もしかして……。
お局様が私をつぶそうとしているのは、お局様に媚びを売らないからか!?
と雷に打たれたかの如く閃いてしまったのです。
オフィスというものは、常にゲームが行われています。これは単純な数のゲームで、自分の派閥の大きさを競い合うものです。
私はただ課長が好きだっただけで、全く自覚がなかったのですが、お局様には課長の派閥の人間と認識されていたのです。
お局様が私にあたりがきつかったのは、私が彼女の派閥の人間ではなかったからでした。
このお局様、仕事はめちゃくちゃデキるし、社歴も長かったのですが、若い人に課長のポジションを奪われてしまうことにコンプレックスを抱えていました。だから、自分に媚を売らないで、若い課長を支持する新人が現れたら……。
「若い芽を摘みたガール」は自分の派閥に入らない人に対して不寛容になっていったのです。
嫉妬心に向き合いたくない理由
ここにあるのはお局様の課長への嫉妬心です。
自分の方が優れているのに!自分より劣っているあいつが私の上にいるなんて……!
しかし、実際のところ自分は、万年お局ポジションなのです……。つまり、若い課長の方が優秀だと会社は判断しているわけです。
嫉妬心は、自分より相手が優れてると感じた時に起こります。
その裏にあるのは自分の方が「劣っている」と認める恐怖です。
自分の方が、地位が低い、能力が低い、収入が低いって、そんないろんなことを認めるのはつらいことですよね。それを認めたくないから、見栄をはったり、時に人を攻撃したりして、自分を守ろうとしてしまうのです。
でも常に嫉妬心に悩まされてるってとっても苦しいですよね。
何をしててもイライラ、新人が言うこと聞かなくてつぶそうとしたりするなんて、自分の評判を下げるばかりで、いいことなんてありません。
こんな恐怖に打ち勝つ戦略は、「人が持っていないものを自分は持っているのだ」と知ることです。そして同時に「人が持っているものを自分は持っていない」と認めることです。
その欠けてる自分があって、その部分を含めて自分なんです。
さてはてこのお局様、結局どうなったかと言いますと……。
風のうわさでは不景気の折に、リストラされてしまったそうです……。日頃の行いを上の人たちは見ていて「いつかこいつ切ってやる……」と思っていたわけです。嫉妬心で自分の今年か見えなくなるのは本当に怖いことですね。
くわばらくわばら……。