「収入は増えているのに、貯金は増えない」という30代女性にあるあるのお悩み。どうして、私たちはついつい浪費してしまうのでしょうか? 知らず知らずのうちにやってしまった浪費って、やっぱり全部ムダなものなのでしょうか?
そんな疑問を解き明かすべく、今回は、自薦・他薦を問わず、30代の「浪費家女子」のみなさんに集まっていただきました。
ミサキ:広告代理店、年収1000万円、新宿区在住
リナ:マスコミ、年収700万円、中野区在住
アカネ:IT系、年収600万円、渋谷区在住
「エステに100万」「貯金は30万」…
みなさん「浪費家」ってことですが、どのくらい浪費されてるんですか?
ミサキ:今、ちょうどエステで100万円の全身コースをやろうと考えていて、いろんなサロンを比較検討中です。12回コースで60万円、それにトリートメントつけたらどうしても100万円くらいになっちゃって。昨日は三越にふらっと入ってコスメ10万円分買っちゃいました。
ひゃ、ひゃくまんえんのコースですか……。10万円分のコスメ……それ、私の一年分です。
ミサキ:ちなみにこれが昨日の戦利品です。
うわっ。これで10万円って、一つひとつが高いんだろうなあ。
ミサキ:自宅にもこんな感じで、未開封の化粧品が山ほどありまして。
あ、はい、すごいですね……(怖いよ)。後々ゆっくり伺うとして。次の方はどのくらい浪費家なんでしょうか?
リナ:何に使ってるのかはよくわからないんですが、とりあえず33歳の時点で30万円しか貯金なかったです。やばいと思ってがんばったら、35歳にして100万円貯まりました。すごいでしょ。そういえば、さっきユニクロで2万円分も「ヒートテック極暖(ごくだん)」買っちゃった。こういうので消えてくんだろうな。
35歳で貯金額100万円って、なんか勇気が湧いてきました。お次の方は?
アカネ:最近だと、クイーンサイズとベッドとオーダーメイドのマットレスに100万円ちょっとかけました。睡眠の質って、人生の質そのものだなあ、って気づいて。腰まわりは固めにコイル、肩甲骨のあたりは柔らかめにしてあるんです。毎朝、背中に羽根が生えたみたいにカラダが軽いんです。
そんなベッド、かえって眠れなくなりそうです。
アカネ:これがそのベッド。
重厚なマットレスですね……。
何に使っちゃうの?
結局、何に一番、お金かけちゃうんですか?
ミサキ:美容ですね。化粧品とエステと美容皮膚科。みんなから「痩せたら、かわいいのに」って言われ続けて、これまでも糖質OFFダイエットとかいろいろやってきたんです。結果、階段も上れなくなるほど体力が落ちて、「自己流ってカラダに悪いな」って気づいて。それで100万円かけてプロの手を借りようと決めました。
反省が活かされた結果としての浪費なんですね。
リナ:私は旅行かな。去年は5回。でも、別にヨーロッパとか遠出はしないんです。台湾、ベトナム、タイ、沖縄、北陸にそれぞれ3泊4日くらい。ホテルもせいぜい4つ星くらいのところに泊まって、毎日のようにマッサージやスパに行ったり、現地のコスメを物色したり。
一つひとつは高くないのに、気付いたらお金がなくなってるっていうパターンですね。
リナ:そうかもー! タイだと特にコスメをいろいろ買っちゃって。タイのコスメって最近かなりハイクオリティで1個平気で2万とかするんですよね。でも結構たくさん買っちゃった。
買っちゃってますねー。3番目の方は何に使っちゃうんですか?
アカネ:私、「一生モノ」に弱いんです。家具とか食器とか、インテリア全般にお金かけちゃってますね。「死ぬまで使うぞ」と思えるものだけ買ってるつもりだけど。あと「一点モノ」とか「オーダー」とかにも弱いですね。ランプシェイドも全部オーダーだし、家具もほとんどオーダー。食器も作家モノばっかりです。
良質な毎日を送られているんですね……。
アカネ:このあたりがコレクションの中で特にお気に入り。地震が来ないように初詣の時にいつもお祈りしてます。
浪費に目的はあるの?
浪費に目的ってあるんですか?
ミサキ:ありますよ。私が美容にかけるのは健康のため。20代の頃は「きれいになりたいから」だった。痩せてきれいになってかわいい服着てモテたい。その一心だったんだけど、最近は健康のために痩せて、仕事バリバリやりたいって考えるようになりました。
「仕事のための浪費」なんですね。言い訳の王道でました(笑)。
リナ:あ、でも、私も仕事のためだなあ。大きな仕事が片づいた直後に「終わったーーーー!!!」って、旅に出るのが気持ちいいんですよね。すっごいリセットできる。帰ってきたら、「よしっ!また働くぞーーー!!!」って思える。
チャージできるんですね。その効果どのくらい持続するんですか?
リナ:効果は2週間くらい(笑)。小さな衝動買いも発散になるけど、旅行の効果には勝てない。「旅行の予定入ってるから、それまでに仕事を終わらせるぞー!!!」って気合い入れられるっていう効果もありますよ。
アカネ:私は仕事のためっていうより、「理想の人生」に近づくためですね。私、90歳になった時にこういう空間で死にたいっていう「完成図」が頭の中にあるんです。その完成図の足らないピースを一つずつ買い足してる感じかな。浪費をし尽くした時、私の人生は完成する予定なんです(笑)。
浪費家女子は意外にも現金派だった
聞く前から薄々答えはわかってるんですが、一応聞きます。みなさん、月々いくらくらい使ってるか、把握してますか?
ミサキ:月いくら使うかなんて、考えたことない。
リナ:私も一度もなーい。
アカネ:私もまったく考えない。出る方を気にするくらいなら、入る方を頑張るのみ。節約するより、稼ぐ方が簡単だもん。
やっぱり。浪費家のみなさんは「月いくら使うか」なんて、そんなケチくさいことは考えない心の広い方々なんですね。
ところで、みなさんカード派ですか?
ミサキ:現金です! 数年前かな、カード限度額まで使いまくって、われながら「やばいな」って反省したんです。それからは現金派になりました。
10万円分のコスメ、現金で払ったんですか?
ミサキ:あ、それはデビッドカードで。あれって、「現金のうち」ですよね。
いや、違うと思います……。
ミサキ:違うんだ(笑)。ポイントも貯まるし、すっごい便利。
リナ:私もできるだけカード使わないで現金にしてます。前はカードをガンガン使ってたんです。で、毎月30万超の請求とか来てて。で、「やば」って思って現金に切り替えました。
アカネ:私も、ケータイ、ETC、アマゾン以外はできるだけ現金にしてますね。20代の頃は20万円の買い物とか迷わずバーンってしてて、すぐゴールドカードになっちゃったんですけど、最近は月々3万くらいしかカードの請求こないです。
意外にも、浪費家女子のみなさんは現金派なんですね。「浪費家=カード派」という先入観がありましたが、そうじゃなかった!
浪費家に「つまらない人」はいない
みなさんの浪費は、何かの役に立ってるんですか?
ミサキ:すごい役立ってますよ。例えば、美容液の成分と効果を全部把握してるんで、シミを薄くするのに、6万円のレーザー治療を1回受けるのがいいか、3万円の化粧水を使い続けるのがいいか、すぐにわかるんです。
でも、結局どっちもやるんですよね?
ミサキ:うん。「この化粧水よりレーザーの方がいいのになあ」って思いながら、化粧水つけて美容皮膚科を予約します(笑)。
それって役に立ってるって言うのかな? もうちょっと実用的な効果はないんですか?
ミサキ:あるある! 仕事で使えますよ。
おっ、それは期待できますね。どう役立つんですか?
ミサキ:私、化粧品に使われている原料や容器が、どの工場で作られているかまで全部知ってるんです。だから、仕事で化粧品メーカーの方と話をする時は一瞬ですごい盛り上がれますね。それでたくさん仕事を取ってきてます。
それなら、いっそのこと美容業界に飛び込んだ方がいいのでは?
ミサキ:あ、それは無理。化粧品は自分がきれいになるためにしか使えないんです。他人をきれいにすることには全然興味が持てない。あくまで趣味なんです。
リナ:私もめっちゃ役立ってますよ。浪費って、人間関係を豊かにするよね。仕事仲間を見ていても、浪費家につまらない人っていないもん。節約家につまらない人はいっぱいいるけど。やっぱり身銭削ってる分、内面は豊かになってるんじゃないかな。
アカネ:身銭削ってるって、大事ですよね。最近ワインにはまり始めて、月10本くらい箱で買うようになったんだけど、お金使うようになって、それまでチンプンカンプンだった品種のこととか、だんだんわかるようになってきました。
「浪費家につまらない人はいない」とは、ずいぶんリナさん言い切りますね。
リナ:やっぱり浪費してる分、グルメも詳しくなりますよね。「食べログ」のトップ5000とか制覇していくのすごい楽しい。
ミサキ:わかる! 私も美味しい店、すごいストックしてる。
アカネ:私もやってます。美味しい店を知ってるって、「仕事ができる人」の条件だし。それにやっぱり「食の充実は心の充実」だもん。
最後にみなさん、「浪費家」って呼ばれちゃうこの現状を変えたいですか?
リナ:別に。35歳で銀行残高100万円はさすがにまずいから貯金は増やしたいけど。我慢するのはイヤですね。ワタミ行ったり、楽しい会食やめてまで貯金に回そうとは思えない。化粧品もファッションもグルメも、流行を追うことに悔いなしです。我慢するくらいなら、もっと稼ぐ。
ミサキ:私も抑えるつもりはないなあ。そもそも、彼氏に借金してまで浪費してた過去があって、そこから稼いで自分のお金で浪費できるようになったんです。だから「好きなものを好きなだけ買える」って、私にとっては大事なモチベーション。これからも浪費を続けられるように頑張って稼ぎます。
アカネ:私もそう。浪費を続けられるように、もっと稼ぐ。ただ、それだけ。
意外にも、「浪費家女子」のみなさんからは浪費に対してポジティブな意見が飛び出しました。「浪費=悪」というイメージがありましたが、実は浪費には人生を豊かにしてくれる一面もあるのかもしれませんね。
(ウートピ編集部)