「30代、人生未定!」からのお金のキホン 第2回

お金の不安をなくしたいなら「貯める」より「稼ぎ続ける」を優先して 

お金の不安をなくしたいなら「貯める」より「稼ぎ続ける」を優先して 

「仕事はどんどん楽しくなってくし、収入も増えて好きなことに使えるし、今が最高!」なんて思いながらも、ふと「もしこのまま一生シングルだったら……お金は大丈夫!? 一人で稼ぎ続けられる……?」と不安が胸をよぎる30代女性は少なくないはず。

このままシングルでも、結婚して子どもを産んでも産まなくても、人生どう転んでも使えるお金のスキルをファイナンシャル・プランナー、中村芳子(なかむら・よしこ)さんに聞いていくシリーズ第2回。今回のテーマは「貯めるvs.稼ぐ」です。

65歳を過ぎても楽しく稼き続けることを目標に!

――「仕事が楽しいし、このままシングルでもいいかも」と考える女性は増えています。そんな時に不安になるのは、やっぱりお金のこと。老後資金はいくら貯めておいたらいいの?病気になって働けなくなったらどうしよう?とか。

中村:確かに「シングルのままかも」と考えたら、お金に関して不安を感じて「貯金しなくちゃ!」って考えちゃいますよね。よく雑誌で「30代で1000万円、貯めました」といった特集があるけれど、実家に住んでいる人ならまだしも、一人暮らしだと大変ですよね。しかも、40歳までに1000万円貯めたとしても、仕事をやめたら、1年間の生活費が250万円くらいとして、貯金だけで生活していけるのはたった4年です。

――1000万貯めても4年でなくなるんですか……。確かに、1年分の生活費は安く見積もってもそれくらいはかかりますよね。

中村:前回でも言いましたが、大切なのは、いくら貯金するかではなく、65歳、70歳まで楽しく働き続けること! これは「シングルのままかも」と考えている人だけでなく、すでに結婚している人も含めて、女性全員に当てはまることなんです。

それに今は離婚率も高いでしょ。仮に結婚して旦那さんが生活費の大半を出してくれるようになったとしても、別れたら、また自分で稼がなきゃいけない。離婚しなくても、旦那さんが病気で倒れたら? だから、結婚していても、しなくても、「働き続けること」を大前提にした方がいいんです。

一時的に仕事を離れても必ず「復帰プラン」を

――なかには「もし結婚したら仕事は辞めたい」なんて人もまだまだいると思いますが。

中村:専業主婦でいるのも一時的にはいいと思いますよ。ただ、子育てなどで数年は仕事から離れても、いつ、どういう形で復帰するかは考えておいた方がいいでしょう。子どもだって、小学生までは手がかかりますが、中学生になったら塾や部活でほとんど家にいなくなります。夫は仕事で帰りが遅いし。ずっと専業主婦では「私は何?」と虚しさを感じるようになりますよ。

だから、出産のためか、育児のためか、介護のためか、はたまたそれ以外の理由かはさておき、仕事を辞めるなら、次の「復職プラン」もセットで考えておくこと。いつどのタイミングで、どんな仕事に就きたいのかをイメージして、それに必要なスキルも準備しておきます。

年収1000万を達成しても倒れては意味がない

――20代後半から30代って、仕事がおもしろくなってきて、まわりからの期待も大きくなり、ついついがんばりすぎちゃう時期です。

中村:そうね。みんなマジメだからがんばりすぎちゃうんですよね。がんばるのはいいけど、仕事は楽しくなくちゃ続けられないですよね。30代でものすごくがんばって年収1000万円を達成して40代で燃え尽きるより、年収300万のままでも60歳、70歳まで稼ぎ続けた方がいいと思うんです。

――ところで、中村さんは20代から30代にかけてはどんなふうだったんですか?

中村:20代は焦っていましたね。30代までに自分の適職を見つけて、そこに全力投球しなければいけないと思ってたんです。それで30代からは「これだ!」と思った仕事を一生懸命やってきました。

でもね、焦らなくてもいいんですよ。私は20代でFPという仕事に出会い、一度やめようかと悩みましたが、30代以降も続けて、振り返ってみれば「天職」だったといえるかもしれません。でも、どのタイミングで「やりたいこと」に出会えるかは人それぞれ。以前一緒に働いていたある女性は、40歳を過ぎてから巡り合った不動産投資の仕事が天職になったと話していました。40代で「天職」に出会うことだってあるんです。

――そうなんですね、すごく勇気をもらえる話です。

中村:自分の本当にやりたい仕事と巡り合えるのは30代なのか40代なのか、もっと先なのかはわかりません。でも、大切なことは仕事を辞めない。働き続けることです。

ただ、言われたことを言われた通りにやっているだけでは、70歳まで働き続けてもつらいですよね。だから、やっぱり今あなたが何歳でも「好きなこと」を見つけてほしい。そうすると自然に発展してどんどん仕事が楽しくなって、気づいたら70歳!って感じだと思いますよ。

「貯める」よりも「働き続ける」が大切という話には、共感できますね。いろんな理由で一時的に仕事から離れることはあっても、いつかはまた戻って70歳まで楽しく働き続ける。そういう長期のキャリアプランを描いてみると、見える風景がガラリと変わってきます。みなさんはどうでしたか?

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