『いちばんカンタン つみたて投資の教科書』第1回

投資を始めたいけど…まずは王道「つみたて投資」について知ろう!

投資を始めたいけど…まずは王道「つみたて投資」について知ろう!

新型コロナウイルスの感染拡大で先行き不透明な中、投資に関心を示す人が増えていると言います。中でも関心が高いのが投資信託などのつみたてによる投資。そこで今回は7月に出版された『いちばんカンタン つみたて投資の教科書』(あさ出版)の著者で経済アナリストの森永康平(もりなが・こうへい)さんに、安全に資産を築いていくためのポイントを紹介してもらいました!

投資はタイミングを気にせず機械的に!

新型コロナウイルスの感染拡大でいま投資に注目が集まっています。

ソニー銀行が20歳~54歳の女性500人を対象に行った調査(2020年6月6日~7日実施)では、女性の4人に1人が投資(資産運用・資産形成)に興味があると回答。ただ、その一方でどのように投資を始めていいか分からない人が7割もいるといいます。

皆さんも、「せっかく投資をするんだったら、失敗したくない」と思いますよね。ただ、実際にいざ投資を始めようとすると、いろいろな手法があることに気付きます。特に初心者の方は「どの投資手法がいいのかな」なんて悩むかもしれませんが、まずは王道と呼ばれる手法から始めてみたいものですよね。ということでまずは、投資の王道が何なのかについて学んでおきましょう。

株価は基本的に次の図のように、常に上下に波を打って動きます。

『いちばんカンタン つみたて投資の教科書』(あさ出版)より。以下同。

『いちばんカンタン つみたて投資の教科書』(あさ出版)より。以下同。

ずっと上昇し続けることもありませんし、ずっと下落し続けることもありません。こうして株価の値動きを見ていると、安くなったところで買って、高くなったら売れば儲(もう)かるじゃないかと思うかもしれません。

しかし、それは結果論にすぎず、実際に投資をしてみると、自分が投資をした翌日から株価が下がり始め、怖くなって損切りをした(株を売った)直後から株価が戻っていくということはよくあります。

どれだけ勉強や研究をしても、将来の株価を正確に予想できるようにはなりません。「将来のことはだれにも分からない」のです。ですからへんにタイミングをはかって投資をするのではなく、とにかく機械的に投資をすることを心掛けるのがよいでしょう。

機械的に投資をするというのは、例えば、「毎月最終営業日に○○という投資信託を〇万円購入する」ということです。

最近は一度設定すれば、あとは自動的にこのような投資をしてくれるサービスを提供している証券会社もあります。サービス使用料はかからないので、ぜひ活用してみることをおすすめします。

分散投資ってこんなこと!

次に投資をするなら投資先をしっかりと分散することが重要です。

投資先を一つに絞ってしまうと、その投資先に何かがあったときに、自分の資産も投資先と一緒に影響を受けてしまいます。そこで、投資先は複数に分散することが求められるわけですが、ただやみくもに投資先を分散すればいいわけではありません。

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どういうことか? 詳しく説明しましょう。

例えば、航空業の会社の株と、観光業の会社の株の2つに投資したとします。そして、そのあとに新型コロナウイルス問題が起きたとしたらどうなるでしょうか。
両方とも大打撃を受けますから、投資先は2社に分散されていますが、同じ値動きをしてしまいます。

そこで、Eコマースの会社の株と日用紙製品の会社の株も買っておいたとしましょう。同じように新型コロナウイルス問題が起きたらどうなるでしょう。

外出自粛で航空業と観光業の会社の株価は下落するかもしれませんが、巣ごもり消費の需要でEコマースの会社の株は上昇し、マスクやティッシュにコロナ特需が生じて、日用紙製品の会社の株も上昇するかもしれません。

このように、何かイベントが起きたときに、反対の動きをするような投資先を両方持っておくことが重要なのです。そうすることでリスクが分散されます。それだと、片方が上昇したときに、もう片方は下落するのだから、結局相殺されてしまうと思うかもしれませんが、それが分散できている証拠なのです。

今回は新型コロナウイルスの例を用いましたが、20年や30年と長く投資をしていると、さまざまな問題が生じます。この20年間でも、世界同時多発テロや東日本大震災など、地政学リスクが生じたり、天変地異などが起こったりもしました。

そして、これから先の20年、30年でも同じようにさまざまな問題が起こるでしょう。

そうなると、天変地異が起きたときに上がる株と下がる株はコレ、戦争が起きたときに上がる株と下がる株はコレ、感染症が……、このような形で想定される全てのイベントに対して会社を選ばないといけないのでしょうか。

さすがに、それでは面倒なので、日経平均やNYダウなどの株価指数に連動する投資信託や、世界中の株式市場に投資ができる投資信託を買うことで、一回で大量の投資先に分散していくのです。

なるべく長期で投資する!

最後につみたて投資と分散投資をするのであれば、必ず長期間続けましょうということを説明しておきます。

金融庁が1985年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株と債券の買い付けを行い、各年の買い付け後、保有期間が経過した時点での時価を基に運用結果および年率を算出して、次のようなグラフを紹介しています。

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少し難しいかもしれませんが、よく見ていただくとお分かりいただけるかと思います。

投資期間が5年間(上のグラフ)だと、投資を始めたタイミングによっては元本割れ、つまりマイナスになって損をする場合もあります。しかし、投資期間が20年になると、少なくとも検証に使った期間においてはどのタイミングで投資を始めても、元本割れする(マイナスになる)ことはなかったという検証結果が出ています。

もちろん、その分大きくリターンを上げることはなくなり、年率換算で2%~6%くらいのリターンに収まってしまいます。

ただ、上のグラフのように最悪のケースではマイナス8%だけど、うまくいけば14%というギャンブルのような結果にはならなくなります。

イチかバチかで財を成そうとするのではなく、コツコツと老後資産を築くために投資をするわけですから、元本割れをせずに年率換算で2%~6%ぐらいのリターンが期待できるほうがいいですよね。また、現在の銀行預金の金利を考えれば、年率換算で2%~6%というのは非常に魅力的とも言えるでしょう。

以上の「つみたて×分散×長期」という発想こそが、投資の王道であり、それがまさに「つみたて投資」なのです。

それでは次回は、投資の王道・つみたて投資の具体的なメリットや特徴について解説していきたいと思います。お楽しみに!

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