年始といえば「初売り」。今年はバーゲンで何着服を買いましたか?
「日本経済新聞」によれば1月1日から2日にかけて行われた各社の「初売り」の来客数は前年よりも増加傾向にあった模様。三越日本橋本店では開店前に並んだ客の数が昨年よりも1割多く、高島屋日本橋店でも昨年を8%上回る客が訪れたようです。
みんな、本当にファッションに興味があるの?
初売りで買うものとして真っ先にイメージするのは、やはり服。実際に、2014年にソフトブレーン・フィールド株式会社が行った「初売りに関する5000人アンケート」によれば男女ともに初売りで購入するものとして「衣服」がトップに。
また同調査で、初売りで消費する金額を尋ねたところ、1万円以上と回答した割合が女性は4割弱、男性が3割弱ということがわかりました。女性はファッションにお金をかける。「初売り」に関しては、そんな世間のイメージと合致するような結果が出ていますが、普段の生活で女性がファッションに抱く意識を調べてみると、意外なことがわかりました。
「女性はみんなファッションに興味がある」
そう思われがちですが、そもそもこのイメージは正しいのでしょうか?
ベルメゾン生活スタイル研究所が2016年に会員を対象に行ったインターネット調査によれば、ファッションに興味があると回答した女性は87%。興味がないとした女性は13%となっています。年代別で見てみると、もっとも「ファッションに関心がない」とした女性が多いのが40代で16%となっています。この年代では「ファッションにとても関心がある」と回答した層が19.6%。ファッションに強い関心を抱く層と関心がない層の割合はあまり差がないのです。
意外に服にお金を使っていない?
では日頃、女性はどのくらいの金額をファッションに消費しているのでしょうか?
2014年にマイナビウーマンが行ったアンケート調査で1ヵ月にファッションに使う金額を尋ねたところ、もっとも多かった回答が5000〜1万円で29.4%。次に多いのが3000円未満の21%となっています。毎月1万円と聞くと多い気がしますが、3000円未満ならかなり抑えめな金額。イメージしているよりも少なく感じるのではないでしょうか。
また、前出のベルメゾンの調査でパンツの購入予算を調査したところ、76%が5000円以下と回答。さらに20代では2000〜3000円という回答が31.5%ともっとも高く、低価格志向の傾向が強く見られました。
「買った服」、上位3位がファストファッション
3000円未満の服があり、5000円以下でパンツが買える。となれば、やはり名前が挙がるのが「ファストファッション」。ベルメゾンの調査で「この1年で買ったブランド」を尋ねると、「ユニクロ」(71%)、「GU」(27.6%)、「無印良品」(25.6%)と上位3位をファストファッション系ブランドが独占。
以前は「ダサい」と思われがちだったファストファッションブランドですが、最近はそのイメージも向上しています。
マイボイスコムの「ファストファッションに関するインターネット調査」の第三回の結果を見てみると、ファストファッションのイメージの上位3位は「庶民的」(37.6%)、「無難」(29.4%)、「ベーシック」(18.4%)と親しみやすさと使いやすさが強調されており、「ダサい」とするマイナスのイメージは2.8%に止まりました。
回答者のコメントを見ても「外から見えない靴下などはファストファッション。アクセントにブランド物を使う」「普段はファストファッションで、高級レストランに行く時はそれにあった洋服選びを」と、ファストファッションをうまく使い洋服にかけるコストを抑えながらオシャレを楽しむ傾向が見られます。
「服にかけるお金を減らしたい」
さらに、ファストファッションであれば、家庭で洗濯できるのもポイント。コメントにも「ジーンズ類は頻繁に洗うので、ファストファッションブランドの方が気軽に洗える」というものがありました。
ベルメゾンの調査でも、洋服を選ぶ際に重視するポイントのトップが「できるだけ家庭で洗濯できるものを選ぶ」で65.4%。働く女性にとってクリーニングに出したり取りに行ったりは煩雑な作業ですし、コストもかかります。こういった機能面においてもファストファッションは支持されているのです。
同じ調査によれば、「今後洋服にかけるお金を減らしたい」とした女性は30.5%。反対に「増やしていきたい」と考える女性は9.9%と非常に少ないことがわかりました。コストにも機能にも非常にシビアな女性のファッション事情。そこに答えることができるからこそ、今ファストファッションの需要が高まっているようです。
オシャレを楽しんでいるように見えるまわりの女性も、実はファストファッションを利用して賢く買い物をしているのかも?
(安仲ばん)