2017年は、年ごと、季節ごとに変化するファッション・トレンドに振り回されずに過ごしたい。毎日の服選びに疲れてしまった女性も少なくないでしょう。でも、トレンドはあらかじめ把握しておくことが実は可能なんです。最初からわかっていればムダな買物をすることも、「私、ズレてる?」と不安になることもありません。
2016年12月31日に刊行した「2017年、これがはやる (ダイヤモンドMOOK)」では、スタイリスト、接客アドバイザー、ファッションライター、ファッション・インテリアパーソナルアドバイザーのプロ4人が集まり、2017年にはやるものをピックアップ。編集者の中野亜海(なかの・あみ)さんに今年のトレンドについて聞きました。
ファッション・トレンドのカラクリを覚えて!
結構みんな知らないのですが、「流行は3年おきに変わる」というのがアパレル業界での常識です。簡単に説明すると、1年目にコレクションで流行が生まれ、ファッショニスタと呼ばれるおしゃれな人たちが取り入れます。2年目、それをチェックしていたアパレルの人たちが、日本のインフルエンサーたちが取り入れているのを見て「日本でもイケる」と判断して作り始めます。このときに着るのが、「おしゃれ感度の高い人たち」。そして流行が厚くなり、3年目におしゃれに興味がない人たちにも浸透する。つまり、この3年のサイクルを知っていれば、「今年はやる」ものは簡単にわかるんです。
この本では、2年目と3年目にはやるものを取り上げています。紹介されているアイテムが絶対にはやると断言できるものばかり。コレクションで出ていたアイテムがそのまま日本はやるわけではないんです。例えば、パリコレを見ると2017年は青とピンクがはやりますが、日本人の肌にはピンクの方が合うから、ピンクの方がはやりそうだなと、アパレル業界の人たちは経験値でわかります。
このように、コレクションをそのまま紹介するのではなく、アパレルのプロたちのフィルターを通すと、簡単に日本の流行は読めるんです。今回は、2017年のキーワードをお伝えしますね。
ウエストマークをするだけで、今年っぽく見える
今年は一言で言うと“緊張感”が合言葉。去年までは“リラックス”で上下ゆるいものを合わせるのが流行していたんですが、その流れが終わります。みんな飽きちゃったんですね。今年は、反動でどこか緊張感が漂うファッションがやってきます。
今年一番、みんながやり始めるのが「ウエストマーク」です。洋服をインして着るだけで、それらしくなります。ベルトでマークするのもありですが、写真のようにリボンベルトがついている洋服も増えます。去年と同じ服を着るにしても、「ウエストマーク」を工夫しましょう。
また、洋服のどこかに「ジャストサイズもの」を取り入れると今年っぽくなります。去年までは両方ビックシルエットでしたが、トップスかボトムのどちらかをジャストサイズにしましょう。
ただし、ジャストサイズは決して「タイトにすること」ではありません。ピタピタにして、身体のラインを出すのではなく、多少のゆるさも必要なんです。例えば、デニムでいうとほどよくゆるく、足先に行くほど細身になっているガールフレンドデニムの形が2017年っぽいと言えますね!
ジャストサイズは、実は選ぶのが難しいサイズです。選ぶときは、次のポイントに注意してください。
・立った時にボタン部分に隙間ができないか
・脇にシワが寄ってないか
・袖の筒が大きすぎないか
・バンザイした時に、ボトムからシャツが出てこないか
去年まではオーバーサイズがはやっていたので試着の必要ありませんでしたが、今年は必ず試着をしてから買いましょう。
勇気を出してベレー帽を買ってみて
去年までアメリカンテイストだったのが、今年はパリやイギリスっぽいテイストになっていきます。「サイドゴアブーツ」や「巻きスカート」「ベレー帽」が流行アイテムです。これをコーデに取り入れるだけで大丈夫です。クラシカルなアイテムにはピリッとした緊張感が漂いますよね。これも、今年のキーワード「緊張感」の一種なんです。だからクラシカルな雰囲気はオススメです。
今年はレースもはやります。これを大人が可愛く合わせると痛々しく見えてしまうので、クールで辛めに着こなすのがポイント。必ず、革を合わせましょう。革のジャケットや、サイドゴアブーツは本当に使えます。レースは可愛く着るとアウトです。
今回お話ししたことだけでも覚えておけば、2017年の着こなしのコツはだいたいつかめると思います。細かなトレンドアイテムや買ってはいけないアイテムは、次回以降でお話しします。
写真:chifuyu aizawa(biswa)
(薮田朋子)